92.《ネタバレ》 夏になると、夜4チャンで知らずのうちに始まっている。何回見たかわからないけれど、何度でも何回見るかわからないくらいの回数を見続けるんだと思う。 苛烈な事件や出来事は何も起きない。どうと言うことのない出来事が起き、静かに収束する。だけど、そのどうと言うことのない出来事は、サツキたちや私たちにとって大変な事件でありとてつもない瞬間であったりする。それを何度でも眺めてその世界に残っていたいからきっと何度でも見るのだろう。 魔法やお化けが出てくる童話よりも、現実世界の童話の方が難易度が高く、それでいて、おもしろさの価値というのは等価であるからさらに難しい。難しい仕事をしたからといってつまらなかったら、再発売されることもなくネット上で笑いの種になるようなアニメが残るのだろう。しかし、こういう話をスッと作ってのけるあたりに宮崎駿の凄さを感じずにいられない。 完全に現実路線にせずむやみに小難しい話を曲芸のように作ることをせずに、トトロや猫バスといったファンタジーの類をもしかしたらいるのかも、と思わせるギリギリのところで使う技量に感嘆してしまう。感嘆しすぎてテレビでやるたびにかぶりついている。 見終わった後、「ウワァ面白かった!」と日常生活のさっぱりしたとても良い気分転換になる。とにかく秀逸。 どれくらいフィクションの中にある疑似哲学や疑似問題提起に毒されているかを、チェックする良いバロメーターにもなる。 【黒猫クック】さん [地上波(邦画)] 9点(2010-03-06 13:24:31) |
91.《ネタバレ》 その細やかで美しい作画同様に宮崎駿監督は、牧歌的な風景の中を元気に飛びまわる姉妹の楽しい日常と、それでも彼女たちがどうしようもなく胸のうちに抱えている、母親の不在がもたらす不安とを、トトロというファンタジーを用いてとても丁寧につなげていく。「あの子たち見かけよりずっと無理してきたと思うの。サツキなんかききわけがいいから、なおのことかわいそう。」病室の母親が気遣うように、姉でありまたしっかり者のサツキには子どもながらに母の不在は自分が支えなくてはならないという自負がある。幼い妹メイを守るのはほかでもない姉の自分であり、父にも母にも決して心配をかけてはいけないのだという思い。「お母さん死んじゃったらどうしよう」一人胸に隠し持つそんな不安についに耐えきれず彼女が泣きじゃくるのも、自分たちを気にかけてくれる近所のおばあさんの前で一度きりだ。暗い森のバス停でメイといっしょにお父さんを待つ夜。不安に手を握りしめる妹と、反対に大人のように強く平気なふりをしなければならない姉。けれど本当はサツキだって恐いのだ。妹を守るため限界まで背のびをつづけるサツキ。そんな彼女の小さな肩が「大人のふり」の重みにそれでもどうしようもなくつぶされそうになる時、神出鬼没に見えるトトロだがサツキの前に彼が現れるのは決まってそんな時だ。何をしてくれるわけでもない、ただ心強くそばにいてくれる、あるいは猫バスを貸してくれたりする。なかでもことさら素晴らしいのは、夜の庭で空を飛ぶシーンだ。大喜びで真っ先にトトロにしがみつくメイとは対象的に、大人でいなければならないサツキには無邪気にそうすることができない。とてもさりげないその描写のけれどなんと繊細なことか!促すように見つめ返すトトロにサツキはやっと理解する。今この瞬間だけは、自分も子どもでいていいのだと。背のびをやめてもいいのだと。そしてその時やっと、彼女は子どもとしての等身大の自分に戻る。ありのままの子どもの顔で、幼い妹のように夢中でトトロにしがみつく。それはそれはうれしそうに!そんなサツキの姿はまた、大人として当たり前に大人であらねばならない我々の姿でもあるのだろう。サツキがトトロにしがみつく時、我々もまたつかのま子どもに還って、思いきりトトロにしがみつき、そして夢のように夜空を飛ぶのだ。 【BOWWOW】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-11-19 03:25:53) (良:12票) |
90.いい映画だ。子供の頃観ても今観てもいい映画だと感じる。 【ラスウェル】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-08-19 20:41:25) |
89.子供向け?いやいや、実際には子供の心を忘れた大人のための作品でしょう。何度観ても子供ようにホンワカした気分になれます。宮崎監督の意図はそこにあるような気がします。 【カロ】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2009-05-29 17:53:46) |
88.もののけ姫や千と千尋なんかよりは絶対、トトロの方が海外受けすると思うんだけどな。 まぁ、全体を通すとなんでもない話ではあるんですけど、 なんていうかアニメの創作の部分とヒューマニズム的な部分が絶妙なバランスで出来ててこういうのって狙ってもなかなか出来るもんじゃないと思うんです。 宮崎氏だからこそ狙ってこれ作りました!と言われても納得はするんだけど、 どちらにしてもちょっとした奇跡みたいなのを感じる作品ですね。 【バニーボーイ】さん [地上波(吹替)] 9点(2009-04-09 00:35:58) |
87.おとうさんの声(糸井さん)とセリフがいちいち優しくて心が温まる。子供のころ感動していたポイントとまた違うポイントで大人になってから観ても感動できた。この映画駄目だって言う人はちょっとひねくれてるんじゃないかって思う。他の映画ではこんな事書かないが、この映画に関しては、確信を持ってそう思う。 【おーる】さん [地上波(邦画)] 9点(2009-02-08 02:23:44) |
【じょーー】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-01-28 17:22:43) |
85.いい物、作るなあ。ハリウッドがなんぼ金かけてもこの映画は作れないだろう。(まあその逆もしかりなのだが…)。日本の誇りであることに違いはない。 英語の字幕が出せるDVDで見たのですが、「おばあちゃん」が「NANNY」という名前になっている。「まっくろくろすけ出ておいで」というセリフも外国語には翻訳しようがない(その言葉の魅力を100%伝えることは外国語に直すと無理だ)。日本語の美しさがそこかしこに出てる。いろんな意味で、日本的なすばらしい作品だと思える。 【MARTEL1906】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-01-04 18:02:03) (良:1票) |
84.《ネタバレ》 都市伝説では、サツキとメイ死亡説がある。夜、トトロと一緒に二人が大樹の上でオカリナを吹いていて、それを聞いたお父さんがほほ笑むというのがその根拠の一つだという。たしかにそうともとれるが、あのシーンは二人が死んでいないからこそ泣けるのだ。伝説の真偽は定かではないが、こういう理由で僕は死んでいないと信じている。 |
83.多分生まれて初めて見た映画だったと思う。小学2年生の時見た時「 トトロはいる!」と思った。たくさんの森に トトロを探しに探検に行った。木のトンネルを見つけては「 トトロの通り道だ」って信じてた。本当に楽しい思い出をたくさんくれた作品。歌もキャラも大好きな作品。 【ましゅまろシナモン】さん [地上波(邦画)] 9点(2008-10-29 18:59:33) |
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82.《ネタバレ》 それまでの作品とはガラっとテーマを変えて、宮崎監督が違う側面を見せた作品でした。見せつけられたと言う方が正しいか…。昭和の30年代に、地方や田舎で子供をやっていた人には堪えられない鑑賞ポイントを持った映画でしょう。私はサツキちゃんが、靴をはいたまま膝立ちして家の中に入ってくるシーンにやられました。ラストには猫バスを使って、動感を感動へ繋ぐ宮崎アニメらしい演出も用意されていてとても楽しめました。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-20 19:28:39) |
81. 大人が見ても普通に楽しめるのではないでしょうか? こどもこどもした内容ではあるけど、夢があっていいと思います。残虐なシーンもないし、こどもと一緒に見るには最適だとおもいます。 「とうもころし!」にやられました。 【雷電為五郎】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2008-09-29 01:05:38) |
80.正直子どもの頃に観てもいまいち、だったけれど、大人になってからは素直に楽しめる。今になると、カンタのいかにも男の子って感じの、ひねくれた可愛さもわかる(ファニング姉妹が声優を務めている英語版をちらっと観たら、カンタがちょっとおしゃべりになっていて興醒めだった)。 あと、階段の上り下りの場面などに観られる子ども特有の動き、細かな描写に改めて感心する。さつきが縁側から上って膝で座敷を歩く動作、そういえば子どもの頃、これを真似してやるようになったのだった。あの妹が教室に来てしまう場面も、わかる(うちの妹がああだった)。泣くときに顔がくしゃっとなる、あのリアリティもすごい。 大人になって初めて、この映画のよさがわかった気がする。子どもの世界に忠実すぎるあまり、ほんとうに子どもだと普通に流して観てしまうのだと思う。 また、世界観がすごい。大体にしてトトロもまっくろくろすけもねこバスも、同じような妖怪・妖精の類が伝承にあるわけでもない(トロルは名前が似てるだけでまったくといっていいほど違う)のに、普通に日本の田園風景に馴染んでしまっている。日本伝統のお化けというならわかるけど、宮崎駿の頭の中からひねり出された新参者の妖精たちが、なんの違和感もなく日本人に受け入れられてしまう。何気に、これは驚異的なことだと思う。田舎に親しみ、自然に同調するまでに豊かな感受性がなければこんなことはできない。 舞台は地名だけは関東地方のものをもじっているものの日本各地の風景を合成したものだそうだし、時代にしても特定の年代を象徴する描写はあえてされていない。日本人の心の底に眠るノスタルジーを汲み取って、結晶化した世界なのだ。宮崎駿のほかに誰がこんなことをできるだろう? 【no one】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-08-17 18:40:21) |
79.宮崎駿監督全盛期最後の作品。子供向けだと思って大人が見ないのはもったいない。 【クレイバード】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2008-08-04 23:19:48) |
78.ネコバスに乗ってみたい・・・・と今でも観て思う。 【ナラタージュ】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2008-07-23 23:19:52) |
77.このあたりから劇場公開をリアルタイムで知っている作品になります。ただ、あの時は同時上映の『火垂るの墓』が怖くて観にいけなかった(笑)。結局あとになってテレビで観ましたけど、今さら言うまでもなく非常に素晴しい作品でした。あのおばあちゃんが非常にいい味出してますよね。映像の美しさも抜群。特に終盤の夕焼け空なんて一瞬実写かとさえ思うぐらいの美しさである。CGなんか使わなくても、いやむしろ使わなかったからこそ、当時はここまで力強い映像が作れたんですね。 【とかげ12号】さん [地上波(吹替)] 9点(2008-02-02 11:15:30) |
76.敵が想定されてない宮崎作品としては、かなりの傑作。 いろいろと失っちゃたな、と感慨深い。 【カラバ侯爵】さん [地上波(邦画)] 9点(2007-03-28 09:11:44) |
75.この作品はこれからずっと愛され続けていくんじゃないかな? こんな雰囲気で日本の小学生の夏休みを舞台にした映画を作ってほしい・・。 【アップルマーク】さん [地上波(邦画)] 9点(2007-02-04 00:43:26) |
【Michael.K】さん [地上波(邦画)] 9点(2007-01-21 00:18:23) |
73.この映画は最高です。現実と非現実を兼ね合わせることで、共感と夢を与えてくれます。自分の身長が今の半分くらいしかなかった頃から一体何度見たんでしょう。自分でもわからないし、もうそんな事はどうでもいい。きっとこれからも死ぬまでに、何度も何度も見ると思う。僕はきっとその度に新しい感情をこの映画の中から掬い取り、そして飲み込むのだと思う。いつかきっと僕にも家族ができ、そして子どもができた時、まっさきにこの映画を見せたいと思う。僕の子どもが初めて観る映画はトトロで決まり。愛を感じ、家族を想い、そして夢を持つ。トトロはいるんだ、そう思って欲しい。子どもの時にしか感じられないあの高揚感を僕は今もこの映画を観るたびに思い出し、そして感動のあまりいつも涙する。子どもに夢を与える。その大切さを大人になりかけている今、この作品を思うだけで深く感じられる。映画とはいつまでもそういうものであって欲しい。 【ボビー】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-12-22 01:06:39) |