114.《ネタバレ》 いろいろなご意見を拝見しどれも適切だと思います。自分としてはこの映画は日本の「武士道」を表現している映画ではなく、ハリウッド映画として理解してます。その観点で見ると大変面白く、日本についても好意的に捉えているのでGOOD。勝元の最期での「刀と桜」のマッチングが印象的でした。泣き虫の私としては、その勝元の最期と彼の息子の最期で結構泣いちゃいました。一緒に見たアメリカ人も「何だか日本人のことを理解できたと思う」と言っており(その理解の正誤については若干疑問ですが)、少なくとも彼女もまた日本に対して更なる好意を持ったようで、その点も満足。ただ、(皆さんが書いているように)最後にオールグレンが明治天皇に会っちゃうところ、小雪の元に帰るところは「ハリウッド」としては理解できるが・・、そこで-2点。 |
113.《ネタバレ》 今まさに死なんとする勝元の眼前に広がる、散りゆく桜。あのようなビジュアルが登場したことに驚いた。日本人という客層を最初から想定していたためだろうか、あるいはまた、ハリウッドは、われわれ日本人が日本人のみにしか共有し得ないと思っていたさまざまな価値観や感覚は、もはやアメリカ人にも理解できるものとなっており、そのような作品を撮っても充分にペイできると判断したのだろうか。もちろん、この映画にはディティール的におかしい点が数多くあり、日本についてアメリカ人が見たいと思う面しか描いていないので、手放しで褒めたくなるような作品ではない。だが、リチャード・チェンバレンの『将軍』のように、「薄ら笑いを浮かべて本心の見えない、わかりあえない連中」と勝手に定義付けられていた時代から比べると、何かとても重要な一線を越えてくれたような気がする。すなわち、それぞれの文明の違いを理解した上で、お互いの美徳を学ぼうという姿勢である。『ダンス・ウィズ・ウルブス』でネイティブ・アメリカンにその光が当てられて13年。太平洋の向こうに、ようやくその波が届いた。(もちろん、この好意的な映画は最近の良好な日米関係を反映しただけにすぎず、ふたたび貿易摩擦が起これば、また『ライジング・サン』のようなものが作られてしまうのかもしれないけれど。) 【ウーフー】さん 8点(2004-01-03 23:59:16) (良:1票) |
112.《ネタバレ》 「誇り」というテーマを,重厚な美しい映像と迫力のあるアクションを対比させて仕上げるのがE・ズウィックらしいところ。なかでも重量感あふれる戦闘シーンはド迫力で,霧の中から騎馬武者達が現れるシーンは鳥肌が立つほどだ。さらに,冒頭とラスト,アメリカと日本それぞれの文化を象徴するウインチェスター銃と日本刀をオルドレンに持たせた演出には「なるほど」と思わせられた。歴史考証のデフォルメについては私は気にならなかった。日本史の知識が全くない観客をターゲットにする以上,この程度はやむをえないのではないか。むしろ,あの時間で明治の元勲を連想させるキャラクターを作り上げたことと,ここまで日本をマジメに描いたことのほうを積極的に評価すべきと私は思う。渡辺&トム・クルーズについては皆さんと同意見。ただ,真田広之は悪い意味で気になった。彼は存在感がありすぎるので,あの役ではどうにも中途半端。印象に残るわりには「結局あの人は何なの?」という感。彼は主役をやるか自分を殺すかどちらかだと思う。また,小雪は大柄すぎて小柄なトム・クルーズに合わせるのは辛そう。とはいっても全体的にはよく出来た映画であり,見て損はない。ただし,傑作か?と言われるとそれは疑問。 |
111.いゃぁ、それにしても皆さんのこの文章の量はどういうことでしょう?それだけこういう映画はコメントが書きやすい、てことなんでしょうかねぇ?そうだなぁ、勝元の息子さんがまげを切られるシーンあるじゃないすか。泣きっ面をこっちに向けて「うわぁー!!!」て。切ってる人の方がいかにも悪者の態度すぎてあざといと感じながらも、ああいうシーンでうるっときちゃうんだなぁー、、、、。なんていうか、言葉は悪いけど、アメリカさんに愛国オナニー映画をプレゼントされた感じですね、はい。 【あろえりーな】さん 8点(2003-12-08 22:54:25) (良:1票) |
110.よくぞやってくれた、という胸のすく思い。 確かにロケがほとんど海外だったから生えている植物がちょっと違和感あったり、史実上では正確でないと思われる部分も数々ある。しかしドキュメンタリーでもない映画に必ずしも史実に忠実に描く必要もなく、気が付くと全く違和感なく鑑賞している自分がいた。時代考証に労力を費やしただけあってかなり「凝って」描かれた明治初期の日本、従来のハリウッドが描いてきた日本の姿とは比較にならないほどスケールが大きく緻密。幕末から明治の日本、世界大戦後の日本のように、他の国の文化を受け入れることで自国のアイデンティティーが失われることを危惧したこんな人物や、こんな事件が実際に存在したのではないか、と思わず納得してしまうだけのリアリズムがある。あれだけの世界がハリウッドで再現され世界に発信されたことは、日本人としてなんだか誇らしい気持ちになった。 こんな現代のアメリカでも、他国の文化を理解しようと努め、なおかつ「滅び行く相手側の視点」に立って映画づくりができる人がいるのが嬉しかったが、これを観た外国人の人が、今までにない正確さで描かれた切腹や古い時代の日本人の美徳をどう思うか、大変興味がある。トム演じるネイサンはかつてのアメリカのインディアン侵攻に嫌悪感を露骨に持ち侍に共感するが、果たして現代のアメリカの人々は。アメリカは世界でみれば最も歴史の浅い国。古い他国の歴史や文化を重んじているこの作品、イラク問題まっただ中のアメリカの人々は、どう観るか?切腹という自殺を、「名誉ある死のかたち」というひとつの「文化」として認めることができるか?この映画を観た海外、特に我こそ正義のアメリカの人々がどんな感想を抱いたのか、是非感想が聞きたい。 渡辺謙や真田広之も、トム・クルーズに負けない名演技!物語がトムの独り舞台ではなく、渡辺謙演じる勝元や日本のサムライとのヒューマンドラマとして描かれているのがとてもいい。この映画を観る時代劇に慣れた日本人の視点は、当然ながらかなり時代考証的になってしまうであろうが、物語の構成自体も決してつまらなくない。シンプルな物語の中に日本人の良き姿を再現してくれたこの映画スタッフに感謝。 【six-coin】さん 8点(2003-11-24 01:00:07) (良:1票) |
109.予想以上の素晴らしい映画でした。架空の人物である勝元が、明治十年の「士族の反乱」の姿を、上手く昇華して、伝えてくれている感じですね。また、多少違和感があったラストの平伏シーンですが、インディアンたちを皆殺しにしたオルグレンの過去と比較して、敵や滅び行く者への敬意を表する日本の文化を、端的に示した演出かと思います。ただ、そもそもオルグレンは武器商人との関わりから日本に来たのだし、日本政府は巨費を投じて近代軍備を整え、買い込んだ銃器を内戦に使ってるワケです。勝元との戦いも武器商人を潤わせてるだけ??? それを考えるとかなりムナシイです。が、とにかく、渡辺謙の圧倒的存在感がこの映画の根本を作ってます。映像も素晴らしい。小道具もイイ。日本が時代劇を作る際にテキトーにしてしまう部分(たとえばカツラとか衣装とか)を、きちんと作ってくれていて感涙です。あと、小雪が演じる「たか」の振る舞い(とくに前半)が、非常に日本的で、この脚本家は上手いなぁと思いました。もっち~さん、私が何となく感じた疑問を明確に教えてくれて有り難うございます!! 最後の決戦の時に勝元側に火薬が登場して、そうだよな~、維新前の日本だって火薬も鉄砲もあるんだよな~と思いました。あと「もはやサムライの時代じゃない」と言ってる側が、襲撃の際に、刀を振りかざしたり忍者の格好したりというのは変ですよね。あと、切られた「髷」を道ばたに捨てていくことは、旧い日本人なら絶対にしないぞ!! とか、サムライとは町人から見た言い方で、武士たちは「侍」と言い方を嫌っていたので、江戸期には自分たちに対して決して使わないし、少なくとも手習いに「侍」と書くことは有り得ないんだなぁ~とか、重箱のスミは沢山ありましたが。そんなことまで気になるほど、時代考証にお金を掛けてました。そして、勝手にボブと呼ばれてしまった見張り役って「日本一の斬られ役」の福本清三さんですよね。セリフが一つもないのに、素晴らしい存在感でした。真田広之は・・・・・・たぶん、外国の観客には「怖い」と思います。渡辺謙の風格に対して、出陣の舞とか見所は多かったけど、鬼武者風でしたから。あとは、勝元の言う「領地」がいったい日本のどこにあるんだ? という疑問を解明したいです。吉野の近くなのかな? 【ルクレツィアの娘】さん 8点(2003-11-23 14:45:59) (良:1票) |
108.《ネタバレ》 トム・クルーズが海の向こうから魅せた侍魂。「最後の侍」たちが、圧倒的劣勢の中、それでも挑んでいった戦い。もしかしたら、それは悪あがきに見えるかもしれない。あるいはただの時代遅れだ、とも。だがしかし、彼らのように己の魂を賭けてまで信じて向っていける何かが、自分の命よりも大きな価値を見出せる何かが今の我々に存在するであろうか?命には終わりがある。悠久の生命など存在しえない。その限りある一生のうち、どれだけ自らの魂を燃やしつくせるか。その炎が人々の記憶に残り、後の世でも輝き続けるのではないか? この映画の物語は、確かにハリウッド色に染め上げられている部分が幾つかある。だがしかし、トム・クルーズ達が見せようとした武士道精神は間違いなく本物だ。だからこそ崩れ行く彼らの姿に、この胸はこんなにも震えたのだ! そして迫力ある合戦シーンには胸高鳴る興奮を覚えると同時に、微かなジェラシーも感じられた。今の日本映画界に、この映画のように壮大な合戦シーン、迫力ある時代劇をつくるだけのパワーは残念ながら存在しない。やはり侍映画は我々日本人のものだ。軍勢の先頭で雄たけびを上げる渡辺謙さん、真田広之さんが余りにもカッコいいだけに、こんな壮大な合戦を日本映画でも観たい、どうしてもそう思わずにはいられないのである。 【紅蓮天国】さん 8点(2003-11-22 22:51:53) (良:1票) |
107.トムが苦手なのでまったく期待せず観たせいか、良かった~!それに洋画あるあるのアジア文化ごった煮事件が今作ではほぼ無い様な気もするし、ゼロではないけどね。渡辺謙さんはやっぱり素敵だなぁ。 【movie海馬】さん [地上波(字幕)] 8点(2012-08-03 23:45:21) |
106.意外に意外面白かった。そしてカッコよかった。アメリカ人が日本の歴史を描きやがってと思いつつ観賞。歴史が疎い自分はさほど突っ込みどころも気にせず観れたし、逆にオリジナリティがあって同じように見える時代劇より新鮮味があっていい。単に日本の歴史を使ったフィクション映画だと開き直って観れば楽しめる作品です。 【たこちゅう】さん [地上波(吹替)] 8点(2012-02-25 22:12:46) |
105.何度見ても熱くなってしまう映画だ。 この戦は無謀である。誰がどうみても99.9%勝ち目はない。それを批判するコメントも多々あるが、歴史を振り返ってみると、こういう戦は数えきれない程あるのだ。それらの戦に参加した男達は自分の持つ誇りと意思を命を持って示す。勝ち負けの問題ではない。この物語に登場する侍達もそうやって戦い、何を守りたかったか、何を後世に残したかったか、それを未来に生きる人に伝える事ができれば、もはや彼らの勝ちと言っても過言ではないのかもしれない。日本人から薄れていく侍の魂、武士道。それは刀を持って戦う事や、腹を切って名誉の死を遂げるという表面的な事だけではない。もっと心の奥にある静かな猛々しい、形に表せないものだ。武士道はもはや必要ないのか?いや違う、他に必要なものなど無いのだ。 【関白宣言】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-05-16 15:23:32) |
|
104.《ネタバレ》 武士道に憧れたアメリカ人がサムライアクションムービーを撮ってみましたといった感じですね。とにかくディテイル等滅茶苦茶で筋だけ追うと単なるトンデモ映画なんですが、キャスティングがしっかりしておりお金もかけているので意外にも見ごたえのある娯楽映画に仕上がっていて、「さすがハリウッド!」と言うしかありません。まあ、細かいディテールを気にせず、どっか別の惑星の物語とでも考えて観るのが良いかと思います。 渡辺謙の存在感のある演技が素晴らしく、完全にトム・クルーズを脇に追いやってしまっているのが一番の見どころです。 【TM】さん [地上波(吹替)] 8点(2010-01-06 09:28:56) |
103.《ネタバレ》 長い時間を忘れて観入ってしまいました。日本人でも難しい(と思われる)日本人的な心情をよ~く表している内容でありました。皆様のレヴューにある、変な景色や時代考証のおかしさ…等々そういうのにうとい(というか、にぶい(笑))ワタシには気になりませんでしたね。トム・クルーズ、渡辺謙始めすべての出演者が素晴らしい!! 素直にいい映画であったとオモイマス 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-22 19:48:37) |
102.《ネタバレ》 細かい所での評価は分かれる所だと思いますが、個人的にはグーーーです。前半はちとダルイ感じでしたが、後半ラス前の戦いの序盤、、、「はなてーーーー!!!」から数分間、、、鳥肌たちました。初見の時は「ひょっとして、、、勝元勝つの?」って思ってしまいました。この映画好きです。 |
101.好きですね、こういう映画。仲間のため、国のため、恋人のため……戦うことの意味や、その先に待ち受ける結果がどうであれ、いつの時代にも人と人との戦いはあるのだなと、再び実感させられました。 【南の二等星】さん [DVD(吹替)] 8点(2008-07-15 01:14:26) |
100.最初は食わず嫌いしてなーんにも期待していなかったけど、予想以上に面白くて満足。何よりこの作品は、ハリウッドが製作した「日本人のプロパガンダ映画」なのである……と言ってしまうと言いすぎだな。見ながらそう感じてしまうほど、本作は日本への愛国精神が漲っている。外国人が作った映画なのに不思議だ。真田広之や渡辺謙らはトム・クルーズと顔を並べても見劣りしない貫禄を持っているし、戦いのシーンの迫力はハリウッドの面目躍如である。確かに時代考証がどうとか言い出したらキリがないし、あんな広大な場所が日本にあるわけないんだけれど、それを言うのはナンセンスというものだ。私は本作を大いに讃えたい。 【ドラりん】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-01-18 21:54:15) |
99.舞台は日本といいながら撮影はオーストラリア(ニュージーランドだっけ?)なので、風景が妙に異国的だったり、トムクルが「サケ!サケ!」を連発するシーンなどは失笑ものだが、そんな重箱の隅をつつくようなアラ探しはやめて、素直にこの映画を讃えたい。渡辺謙や真田広之がハリウッドで充分通用する俳優だと分かっただけで満足。この映画が日本人俳優の海外進出の足掛かりになったことは間違いない。 【フライボーイ】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-10-27 21:17:54) |
【くまさん】さん [地上波(吹替)] 8点(2007-09-02 07:01:02) |
97. つっこみどころ満載というのは否定しませんが、十分見る価値のある映画だと思います。ただテレビで吹き替えで見るより、やっぱり映画館で見たほうがいいですね。 【海牛大夫】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-08-22 18:10:45) |
96.《ネタバレ》 かっこいい。みなさんの言われるとおり確かに違和感を覚えるシーンや、矛盾する点もいくつかありましたが、それでも素直にいい映画だと思いました。僕なんかは映画に対する評価ってのは時代設定が正しいとか正しくないとか、矛盾があるとかないとかではなく、単純に話、演技がおもしろいかどうかなのでそういう人にはいいのでは。 「今の日本からは完全に消えた武士(侍)ではありながら、彼らの考え方(武士道)は依然日本人の中に宿っている」とはよく言われますが、そうしたものを感じられて素直によかったですよ。この映画を見て「こんな侍、侍なんかじゃねぇ」って思える人も「まさにこれぞ武士道!」って思える人も、同じ日本人であり多かれ少なかれ武士道の考え方が宿っているとすれば、こうして同じものを見た同じ人種同士で意見が分かれるのもおもしろいと思います。武士道なんて、わかっているようでわかりづらいものですからね、意見が分かれて当然といえば当然だし。なかなか明確に掴みきれないところが魅力的でもあるんですけど、まぁとにかくこうしてみんなの前でこうして深い感想を述べられるだけでも僕は見てよかったと思いますよ。 【AXL侍】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-06-20 21:31:31) |
95.ストーリー、演技だけを見ればけっこう良かったと思う。侍の生き様や名誉を守ろうとしているところが感じ取れて良かったし、ちょっと感動した。渡辺謙は確かにによかったがそれ以上に真田広之がいかにも侍という感じで良かったと思う。トム・クルーズも意外に好演していて鎧姿も似合っていたと思う。いい映画だと思うが大きなマイナス要素がある。それはなんといっても違和感の感じるシーンだらけだということだ。山の中のシーンがどう見ても日本に見えない。日本の山といえば竹があったりするのだが。なんとなく熱帯風だったりする。どうせなら日本で撮影すればよかったのにと思った。そのほかでも違和感が多かったので自分は気になって集中力がそがれてしまった。まったく惜しい出来だと思った。 【スワローマン】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-05-12 21:00:20) |