338.《ネタバレ》 アレッサンドロ・バリッコの小説のうち映画になったのは2本。 これと「シルク」は、その幻想小説か散文詩のような雰囲気をよく伝えていると思う。 名も知らぬ少女への淡い恋は映画用に加えられたエピソードで、嵐の夜ホールを氷上のように優雅に滑るピアノ(「マジック・ワルツ」)や名うてのジャズピアニスト、ジェリー・ロール・モートンとの決闘とともに、ハイライトとして1900(原作ではノヴェチェント)の数奇な人生を彩る。 「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレによるイタリア映画だけれども、ティム・ロス主演の英語劇で客船ヴァージニアン号を舞台とし、モリコーネの美しい音楽も情緒過多でないことで無国籍的でもある。 意を決してのニューヨークでの下船が決行されずじまいだったのも、成功を尊ぶアメリカ的な物語ではない象徴、降りない理由も屁理屈っぽいようでいて彼にとっては真実。 彼を気遣うトランペッターの友情も、常人離れしたピアニストを現世につなぎとめるには至らない。 1900の存在そのものが一つの芸術のようだが、芸術とは必ずしも健全なものではなく、甘美なる滅びと隣り合わせでもある気がする。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-04-08 00:00:10) |
337.サントラを買ったほど、音楽が良い。 主人公の1900がものすごく愛おしく、それ故に彼のとった行動には涙が止まらなかった。 グランドピアノが回転しながらホールを滑ってゆくシーンは圧巻。 このシーン以外にも、心に響くシーンがたくさんある。 ストーリーもだが、音楽もよいので多くの人に見て欲しい作品。 【Sugarbetter】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-01-21 19:45:55) (良:1票) |
336.《ネタバレ》 船と共に人生の幕を閉じる、っていうのはストーリーとしては綺麗に収まってるけど、それでも、1900の言い分は詭弁にしか聞こえませんでした。陸に下りたことも無いのに、陸について蘊蓄を語れる資格はないでしょうに。可哀想なくらい心が卑屈になってしまっている1900が、何だか残念に思われました。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-03-13 00:46:03) |
335.情報あり過ぎで選びにくい現代に言いたいことは分かるけど、作品自体が面白くないし、いろいろ不自然。『ニュー・シネマ・パラダイス』が大好きで期待していただけに、ひどく落胆させられた映画だった。 【だみお】さん [映画館(字幕)] 1点(2010-01-10 09:45:38) |
334.1900のタラップに佇む姿から、その世界に実際に身を置き味わう喜怒哀楽と頭の中で思い描く世界の喜怒哀楽は違う事を痛切に感じます。彼の決断に対し、非難はしませんが残念さで一杯です。他は、メリハリのない展開とジメッとした描写に物足りなさが募る作品。 |
333.《ネタバレ》 恋をした女にあと一歩のところでレコードを渡せなかった。一度は船を降りる決心をしながらタラップであと一歩のところで引き返してしまった。そんなあと一歩踏み出す勇気を出せなかった1900の姿、そして悲しい結末の後、オープニングを思い出しました。自由の女神とアメリカ大陸が見えてくる。そんな1900とはあまりにも対照的な一歩踏み出す決意をした移民たちが目を輝かせ歓声を上げる。甲板は早くその一歩を踏み出したくてうずうずしている希望に満ちた人々であふれかえっている。マックスは作品中何度も1900に一歩踏み出す勇気を持てと語りかける。これはこの作品の人生に対する前向きなメッセージでもあるのでしょう。船の中でも楽器店でも最後の廃船の中でもマックスを演じたプルート・テイラー・ヴィンスの味わいのある演技が印象に残ります。そしてやはりトルナトーレ監督の描き出す古き良き時代とそんな雰囲気を見事に盛り上げるエンニオ・モリコーネの音楽もいつものことながら本当に素晴らしいですね。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-11-21 20:15:05) |
332.《ネタバレ》 ラストは少女のところに行き恋物語で終わると思ってたけど、結局最後まで船に残って、結局船と共に終わっていったのが残念。降りてその後の展開も見てみたかった。結局船の中でしか生きられないのかなと思った。そして船の外で覚えてる人がほとんどいないというのも寂しい。あれだけ人気あったのに・・ それでもとても感動した。マックスと店主の二人が特にいい味を出していて、彼らと一緒に物語の余韻に浸ることができた 【ラスウェル】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-03-03 23:51:51) |
331.全く何も知らないってのと、実際に見てはいないけど聞いたことはあるってのは、随分違うと思うんですがね。そうじゃないと民衆の扇動とかって起こらないじゃん。主人公も客やら船員から色々聞けるわけだからそのへんの心理をもっと掘り下げてほしかった。 【デフォルトモード】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2009-01-23 19:19:35) |
330.《ネタバレ》 原作は知らないんだけど、これって思いっきりファンタジーですよね。作中に「伝説」という言葉があるように、1900という名の男の物語は全てトランペット吹きの楽器屋での語りだけで、実際にそんな男がいたかどうかすら実は謎なんですよね。現在の世界で再会するのもこのトランペット吹きだけで、他の人は見てないし。それなのに現実感が無いという批判は的外れ。仮にこの男が語る話が作り話じゃないとしたって一人の男の回想にいちいち突っ込んだってしょうがない。1900は厳しい社会からの現実逃避から生まれたトランペット吹きのもう一人の人格だったのかもしれない。音楽を奏でることに幸せを感じた男の最も楽しい一時を送った船内の思い出への逃避。そして現実の世界を(まさに)地に足つけて生きるために1900というもう一人の自分を船と共に葬り去ったのだ。と、えらそうに言ってはいるが見た直後の感想は「別の船に乗り換えればいいじゃん」だったりする。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-01-23 14:08:44) |
329.《ネタバレ》 ラストは爆破で完全に終わせるのではなくて、今でもどこかの海の上で…みたいな方が余韻が残って好きかも。ただ船から降りられなかった男の話に思えてしまいました。 【色鉛筆】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-14 07:45:09) |
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328.《ネタバレ》 ハリウッド映画だったら、ラストは街へと一歩踏み出していく終わり方を選ぶだろうな。でもこれは、あえてとどまる。有限の鍵盤で無限の曲を奏でるピアニストとしての矜持か、それとも外の無限を怖れてのひきこもりか。船の中ならなめらかに自在に滑りまわれる男なんだけど。単に臆病なのなら、こんなに天使のように美しく描いてしまってもいいのかと思うし、でも船から下りない生き方を肯定しているようでもない。移民や娘たち、実生活のある無限へ乗り出していくものたちも描いている。その肯定とも否定ともはっきりさせないところが、つまり伝説の豊かさなんでしょうなあ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-10-31 12:07:56) |
327.《ネタバレ》 全体的に映像が綺麗で、演出といい一流の映画でした。ピアノ対決のシーンも迫力があり、ストーリーもよくできているのに、1800の最後に取った行動は説明不足なのか現実味がありませんでした。そもそも奴隷でもないのに一生船に乗ったまま、外の世界を見ないなんてありえるのだろうか・・・と考えさせられました。 【mhiro】さん [ビデオ(吹替)] 6点(2008-09-19 15:24:12) |
326.《ネタバレ》 ピアノ対決のシーンや、コーンの船酔いを和らげるため、2人でストッパーを外したピアノを弾くシーンはとてもよかった。 ただストーリーが平坦で、とにかくやたらと長く感じてしまった作品。 結局1900は一度も船を下りることなく生涯を終えたのだろうか? きっと彼には、それが一番幸せだったのかも知れない。 コーンという、彼を良く理解してくれ、親身に心配してくれる友達ができたのが本当に良かった。 【みーち】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-01-13 22:50:32) |
325.《ネタバレ》 美しい音楽と映像。ピアノの対決シーンなどもよかったと思う。主人公は、一生船から降りれなかったわけで、ある意味引きこもりといえば引きこもりだろう。 ただ、主人公が単なる引きこもり人間と違うところは、ピアノで世界の全てを表現でき、自分で生計を立てていたことだろうか。少女にキスしてもう少しで犯罪者になるところだったけど、ならなくてよかったと思う。船を降りれなかったことが愚かといえばそれまでだが、人間の活動範囲など個人差があるしね。世界を股に掛ける人間からみたら、地方でモグラのように働いている俺なんかも引きこもりだ。あと最後の再会のシーンは1900の服が小奇麗なので、マックスの幻想かなと思ってしまった。 【パオ吉】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-08 18:18:36) (良:1票) |
【ジダン】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-10-27 06:59:35) |
323.《ネタバレ》 対決シーンでの、「後悔させてやる」が恰好いい!鳥肌が立った。ラストシーンは悲しすぎ。あと、エンニオ・モリコーネはいつ聴いてもいいね。トルナトーレとの相性もぴったり。「人生は無限だ!」など、名言の宝庫。 【フライボーイ】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-08-12 22:20:50) |
【あるまーぬ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-07-24 21:27:41) |
321.《ネタバレ》 ごめん、あんまり面白くありませんでした。主人公がスゴイらしいってことはわかるんだけど、どうも勿体付けたその性格はイマイチ共感できないし・・・ただあの淡い恋のエピソードはちょっとよかったかも。彼女が育ちがよいお嬢ってわけじゃなく、肉屋だか八百屋だかそれとも魚屋?とにかくなんかちょっと冴えない店屋の娘ってとこが妙に気に入りました(主人公が行方知れずになったときの誰かの「○○屋の娘のトコに行ったんだよ、きっと」っていう能天気なセリフが何故か大好きです。)でもそれ以外は、悪いけど可もなく不可もなしって感じ。船を降りたくないんだったら降りなくてもいいんじゃんって思っちゃう時点で、もう私の中ではこの映画は終わっていましたね。ごめーん、こういう思わせぶりな展開って悪いけど全然性に合わないようです(汗)。 【ぞふぃ】さん [地上波(字幕)] 4点(2007-07-20 15:43:52) |
320. 他の多くの人も感じているようですが……。私もラストシーンは納得ができません。ファンタジーにしては悲しすぎるような気がします。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-06-01 18:29:42) |
319.《ネタバレ》 嵐の中で動き回るピアノや火がつくほど熱くなるピアノ対決のような興ざめする演出は残念でしたが、ラストはジーンと胸に響いてきました。1900にとって、あの結末は多分幸せだったんでしょう。鑑賞後は、寂しいけど暖かくなれました。 【K】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-17 00:26:57) |