18.《ネタバレ》 -Apocalypse Now- “黙示は今” かなぁ? 黙示録は黙示を記した書(新約聖書・ヨハネ黙示録)で、内容は終末論、いわゆるこの世の終わり。くだけた言い方をしたら“今こそがこの世の終わり”とか。こっちのほうがスッキリするかな。
地獄の○○って、どちらかというとB級映画に多いタイトルを、どうしてこの超大作に使ったんだろう?いやこの作品以降“地獄の○○”が増えたのかな。
初めて観たのはテレビのロードショーで、それも昼14時くらい。新聞の一面広告に『地獄の黙示録、今日放送』とかってヘリの大軍の写真がバァ~ンと出てて、なんか凄そうって思った記憶がある…んだけど、昼のロードショーなんかで一面広告って、ホントかなぁ?と自分の記憶を疑ってしまう。
大音量でクラシックを流してヘリの大部隊が攻撃する。圧倒的な物量。画面に映る情報量の多さは、本当に戦場を切り取った映像を観ているようだった。トドメにナパームで焼き払われる森林。これは、とんでもない映画だ…って思ったね。でもこの時は最後までは観てないんだよ。当時まだ小学3~4年だから、飽きたのかも知れない。
数年後、あの映画を通して観たくなった。アレだけの規模の戦闘シーンって他に無いから、また観たいと思ったけど、放送時、黙示録って漢字が読めなかったからか、タイトルも覚えてなくて。あの地獄のナントカって映画は何だったんだろう?って。
この作品に再会出来たのはレンタルビデオが普及してからだから、中学生の頃。プラトーンからのベトナム戦争映画ブームでピックアップされて、ようやく発見。でっかい夕日のパッケージから内容が想像できないものだった。レンタルしたのを友達が先に観た。
「なんかパッとしないタイトルだね、ホラー?」いや友よ、これは戦争映画だ、私の記憶が確かなら、今まで観たこと無い凄い映像を観られるぞ。
「スッゴイねコレ!びっくりしたよ、大画面で観たかったなぁ。」そうだろう、そうだろう。「でも後半意味解んなくて早送りしたわ」・・・ん?そうなの?中学生でも意味わかんない内容なの?
いよいよの再視聴。ワルキューレの騎行ってハードロックだよなぁ、なんて変な感想抱きつつも最後まで。いや確かに後半意味が解らない。
東南アジアの奥地にあんな南米の原住民みたいなの、いるの?後半ベトナム戦争関係ないような。カーツ大佐、自分の王国作って引き籠もってるんだから、アメリカ軍も放って置いて良いんじゃない?なんて。
前半と後半でテイストがガラッと変わる映画だけど、別格なスケールの前半だけでも観る価値は充分にあった。
森の中に現れる光のステージと踊るプレイメイト。ダラけた部下を引き締めるために行った検閲の悲劇。指揮官の居ない最前線。王国に行くまでは、ベトナム戦争の無意味さを感じられる、凄い映画だと思う。