3.《ネタバレ》 素晴らしい作品でした。
もちろん決して明るく楽しい作品ではないけれど、
始まりからラストカットに至るまで、制作陣、出演者達に一分の隙もなかったです。
特に菅田将暉さん、彼は凄かったですね。
なんとも愛らしくて、感情移入しまくり。
達夫、千夏、拓児がとにかく這い上がる事だけを切に願って、映画に没入してしまいました。
そんな中、三人で祝杯をあげるシーン。
よーし、やったぞ!
と思って、何気に時計を見たらまだ80分。
そう、前半の陰鬱な展開で時間感覚が麻痺していたようです。
と言うことは、もう一悶着あるのか。。。って落ち込みましよ、マジで。
そしたら案の定、祝杯を台無しにしてしまう事件発生。
あちゃーと思ったけど、誰も死ななくて、本当に良かったです。
なんとか踏みとどまった彼らに、泣きそうになりました。
そして美しいラストシーンとタイトルの余韻。
この軽薄な時代にこんな作品に出会えて良かったです。
余談ですが、テレビとかで喫煙シーンを問題視する向きがあるようですが、
この姉弟のようにライターひとつで運命が変わるような事もあるんですよね。
性描写や暴力シーンなどレイティングは仕方ないにしても、
世の中が勝手に『汚い』と定めてるものを観て、どう感じるか?
そんな問いかけすら許さないような風潮は怖いですね。