1.《ネタバレ》 非常にスカッと楽しめました。完全芝居でゲイツが実は死んでなければ大拍手でしたが、そこまでは無理だったようで残念。仲間全員を(良い意味で)欺いておいて、どうやってあのビデオを撮ることができたのか? と思ってたら、ちゃんとそれもいい種明かしが後に出てきて、話作りがうまいなーと感心しました! 「あなたにはわからない」と言われた女が、どうわかる奴に変わっていくのかに大いに興味を抱いていたのですが、シンブンシ達の生い立ちや現在に至るまでを真剣に調べ始めるには、あと一押し強烈なキッカケが欲しかったなぁと思います。で、彼女の成長については、どうしても不満が残りました。「なんで助けを求めないのよ⁈」ってセリフがね、「結局あんたはわかってないじゃん」と感じてしまったのです。 そりゃ世の中悪い人ばかりじゃないけれど、助けに応じてくれる人に出会うまでに、いったいどれだけの数の裏切りや屈辱や落とし穴に耐えろっていうのか、それでも完璧に健全であり続けろというのか、わからないお前が「世の中は生きる価値がある」とか説得力ないわー。と、そこだけがどっと覚めてしまった部分でした。生活保護が必要な人だって、シブられてなかなか受けられなかったり、受けられても非難されたりナマポとバカにされたりな世の中なのに、無理な社会肯定観。ゲイツがヒョロに言った「お前が腎臓売ってまで来たかった国がこんなでごめんな」が、この映画での一番印象に残るセリフでした。物語のリアリティとして一つ大きく気になったのは、「さすがに仲間1人死んだら警察呼ばないの?」という点。違法な怪しい仕事っぽかったけど、だからって人死んでも黙ってるの? てのがねぇ。あと、欲を言えば「青酸カリだと信じ込んでるようだが実は違うんじゃね?」と思って見てしまうので、心中シーンは緊張しませんでした。魚か何かで試すような「本当に青酸カリです」と示す場面が欲しかったです。そういうわけで満点はつけられませんでしたが、ものすごく楽しめましたです!