3.《ネタバレ》 面白い映画は盛り上がる前から面白い。
自分がオフィスにいるかのような臨場感のあるカメラワーク。シーンに合った音楽。ユーモアに富んだ会話の数々。奇をてらわなくても、大事件を起こさなくても、こんなに面白い映画ができるものなんですね。
ロバート・デ・ニーロ演じるベンが最高にかっこいい。これぞ年の功。こんな歳のとりかたをしたい。
そしてアン・ハサウェイ。『プラダを着た悪魔』でも感じましたが、この人お仕事頑張る系やらせたら本当に魅力的。こんなに美人なのに、全然気取ってない演技が最高にかわいい。泣きながら話すときの愛らしさったらないです。
脇を固める人たちもユニークな人ばかり。同僚のふとっちょのファッションが少しずつ変わっていって最後はスーツになっている演出が何気に凄く良い。ベンが周りにあたえる良い影響ってのを我が事のように感じられて、とても幸せな気分に浸れます。
基本的に良い人しか出ません。刺激やドラマチックな展開を期待する人には若干不向きな映画かもしれません。
でもなぜか小さいことでもいちいち感動しちゃうんですよね。ジュールスが倉庫で業者に梱包の仕方を丁寧に教えるシーンで音楽が変わるんです。そしてそれをベンが凄く感心した様子で眺めているんです。こーゆーのが本当に良い。
この映画は見ていると不思議とのめり込みます。このまろやかな没入感が心地よい。
人生を頑張ってきた人が、今人生を頑張っている人の支えとなり助けとなる。人間関係の理想の形かもしれない。
良いものみせてもらいました。