34.《ネタバレ》 お母さんが亡くなった後に、紀子が京子をなだめたり、冷たい兄弟をフォローしたりとグッときました。こんな優しい義姉さんが居たら本当に帰って欲しくなくなるでしょうね。更にお父さんが紀子に感謝の気持ちを伝えるのは、もらいますね。このシーンは心が本当に動かされる名場面です。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 9点(2018-05-17 18:54:28) |
33.《ネタバレ》 原節子さん死去を聞き、哀悼の意を込めて名作と名高い本作を観ました。 ほのぼのジワジワって感じの映画です。 話はゆっくり、今の映画ならば3〜5回掛け合いして次のシーンへと行くようなところでも、10分くらい割いたりします。 タイトルから想像して東京観光の話かと思ってましたが、そうでは無く東京という都会の環境が人を変える、そんなものを込めて名付けたのでしょう。 特に東京や時代を批判するわけでもなく、しょうがないことのような描き方です。 そこに好感が持てました。 【たんたかたん】さん [インターネット(字幕)] 9点(2015-12-26 10:15:27) |
32.《ネタバレ》 あのラストは、京子と紀子の会話から含めて印象的なのです。京子は、とみの死後に見せたしげたちの言動に嫌気をさします。実母が亡くなった直後というのに、あれやこれやと無遠慮に形見を欲しがったり、さっさと帰路についたりして、なんと薄情なのだと、なんと無頓着なのだと嘆くのです。しかし、紀子は、そのしげたちの言動に対しフォローを入れます。「大人って、だんだん親から離れていくものじゃないかしら」。大切なはずの人を亡くしてもすぐに割り切るしげたちの言動を、紀子は肯定して、京子をなだめるのです。この、紀子が年下の京子をなだめる姿は、一見、大人の強かさが現れているようにも映ります。しかし、親の死の無頓着を否定しなかった紀子自身も、未だ亡き夫の死を引きずって生きているわけです。夫の死に無頓着になりつつある自分に、罪悪感を抱いていました。京子にはあんなことを言ったのに、自分の場合は「大人って、だんだん夫の死から離れていくものじゃないかしら」と割り切れないずるい自分。親の死の無頓着を肯定しても、夫の死の無頓着は否定したい紀子。そんな彼女に、亡き夫の「親」である周吉が、その無頓着を肯定するのです。新しい男(ひと)を見つけてもええよ、と。そして、亡き妻の形見を、血縁でもない紀子に無頓着に授けます。そうして、夫の死の呪縛から開放された紀子の涙。これが、感謝と安堵に満ち溢れていて、感動的なのです。 【Jar_harmony】さん [DVD(邦画)] 9点(2015-05-11 01:02:19) (良:3票) |
31.親の死、葬式という儀式の中での人間模様を極められた映像、語りで描写されている。 この表現力において、並ぶもの無し。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-08-04 23:06:29) |
30.《ネタバレ》 誰が見ても文句無い大傑作 外国でも評価が高いのがわかる 当時の日本の住宅事情や温泉旅館、アパートや病院、美容院、居酒屋、お葬式、古い町並みを横切る蒸気機関車、すべてが興味深い 日本人ですらノスタルジックなのだから外国でも評価が高いのがわかる わかりやすいローアングル引き気味のカメラ 人物を中心に据えたバストショットは抜群の安定感 この時代から言われ始めた核家族の問題をいち早く捉えた映画だ 長男長女はいたってさばさば 今となっては普通かもしれないな wikiを見ると「家族という共同体が幻想でしかない悲し過ぎる現実」と書いてあるが、そこまで重く無く、いたって普通の家族の様に思える、今となってはむしろ幸せな夫婦の老後と私には思えたのは私がシニカルなせいだろうか 家族と義理の家族の機微の違いなども活写しているのは『歩いても 歩いても』等よりもわかりやすい 杉村春子の演技も判りやすく、相対する原節子の芝居においては今はこのタイプの女優はいないと言い切れるぐらい時代がかっている 今となってはむしろ斬新だった 笠智衆はこのときすでに爺さんで始終にこやか 私はこの笠智衆しか知らない この人の抜群の笑顔でこの映画が優しい印象になった 笠智衆は本当にうまくて、妻が長く無い事を知ったときの顔は、絶望とはこういう顔なのかと思った エンディングでは、最後まで残って世話を焼いてくれた次男の嫁も帰ってしまい、一人になったときに見せた横顔が何気ないが妙に哀しくて何故か涙が出た 【にょろぞう】さん [ブルーレイ(邦画)] 9点(2014-03-15 13:19:04) (良:1票) |
29.《ネタバレ》 小津映画ってのは“家族愛”を謳い上げたものでは決して無いのですよね。高い評価を耳にして家族の繋がりって素晴らしい的な思いをしようとこの作品に臨んだら強烈な目にあいますな。半世紀以上も前の作品にしてこの普遍性、リアリティ。「それを言っちゃあおしまいよ」な生々しい家族の姿を小津監督は全く遠慮なくさらけてくるわけで、誰でも作中の誰かの気持ちが手に取るようにわかるのでは。杉村春子演じる茂子、この長女が特筆ものの存在で、彼女のあまりのドライさに末娘が憤慨。そこへ義姉の原節子がおっとりと諭すのです。「でもね、大人になると仕方のないことなのよ」。若い純粋な憤りも尊いけれど、原節子の理屈にも、ひいては茂子たちの態度にも一理あり。特に長女にしてみれば、酒癖の悪い父親にうんざりしてきたりと、若い妹の知らない苦労もあったかもしれず、ほんと家族など一言で断じることは難しいものでしょう。熱海の海岸で、並んで背を丸くして座っている老夫婦の姿が美しく、泣けてくるほどでした。 【tottoko】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2013-08-04 01:03:07) |
28.《ネタバレ》 はじめての小津作品鑑賞です。 若い頃じゃなく(若い頃だと理解出来ない部分があると思う)、ある程度の年齢になった今観たのが幸い、素晴らし作品に出会えたと思いました。 この映画は酸いも甘いも知った、人の親なり家庭を持っている人なら身につまされる部分が多かれ少なかれあるのでは・・・? 物語は淡々と進みますが、家族や親子の微妙な関係が良く描かれている秀作だと思います。 驚いたのは劇中のセリフから、親を殺す子供・・・みたいな事件が戦後間もない頃からあったんだなぁ~と。 世相や親子関係って今も昔も、そう変わらない普遍的なものなんですね。 まだひと作品のみの鑑賞ですが、小津ワールドにハマりそうな今日この頃です。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-06-26 14:27:14) |
27.周吉ととみの会話において 二人が子ども達を愛していることがすごくよく分かる 実際のところ 周吉が 「正直なところ、わしゃ、孫達よりも子ども達のほうが、やっぱり かわいいと思うんだわ」 みたいなこと言ってた事でもよくわかる。 しかし、哀しいかな 子ども達のほうが父母を愛し敬い普通に優しい心で接しているという様子がさっぱりみてとれない 兄妹間で交わされる台詞や映し出されるシーンにおいて、とにかく愛を感じられないところがかなり辛く感じられますよね それがこの作品の狙い目なんでしょうけど。 淡々と進んでゆく進行過程とは裏腹に 親の思いとは如何ほどか 子側の心境とは如何ほどか いやぁ、濃ゆいですよね~ 沁みますね~~ 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-06-20 20:23:53) |
26.《ネタバレ》 ワタシは、笠智衆の奥さんの看取り方がとても心に残っています。いつまでも、残っていると思います。 【なたね】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-05-14 06:10:36) |
25.おじいさんとおばあさんの「ありがとう」の言葉がいつまでも胸に残っています。優しさを刺激してくれる素晴らしい映画です。 今の時代にも通ずるものがあって色あせない情感があります。 【さわき】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-05-04 00:49:10) (良:1票) |
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24.老夫婦が子どもに会うために東へ行き、子どもたちが親を送るために西へ行く、というシンプルな二つの移動の物語で、しかしその移動はほとんど描かれず、ただ西から東へ帰る紀子(原節子)の姿のみが最後に置かれる。描かれているのは人の世のむごさだが、しかしそのむごさは改めたり正したり出来る「あやまち」といった類いのものではなく、「そういうふうになってるもの」として提示されているがゆえにより沁みる。以前は、最後の京子(香川京子)の憤懣がちょっと剥き出しで、この繊細きわまる傑作の唯一のほころびかと思ったときもあったが、あれはただ本質を見つめられない「若さ」を客観的に描いていたのかもしれない。紀子によってフォローされているのだし。その紀子と京子が時計を介して照らし合わされ、移動する車中の紀子で閉じられていくことは、ここで初めて西と東が連続しようとしているようにも思われた。おそらく京子はここを通って東に行くだろう。しかし老父の葬儀までもうここを西に行く家族はいまい、という幕を引くための移動のようにも思われてくるのだ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-04-15 09:43:53) |
23.恥ずかしながら、初小津映画でした。 少し歳をとった今見てよかったかもしれない。間と穏やかな台詞まわしと。原節子の美しさも際立ってます。 映画の素晴らしさもそうですが、大人の気遣いだったり、大人の礼儀だったり、現代から見ると、はっとさせられるものが色々とありました。美しい。 【しゃっくり】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-01-06 22:27:34) |
22.《ネタバレ》 この映画は何回も観てきたけれど、そのたびにボロ泣きなので、今回も泣くかと思いきや、意外に泣かなかった。分析的に観てしまったせいがあるかもしれない。そのせいか、小津監督の映画作りのうまさを改めて感じたし、やはりこの作品が代表作とされるのはその様式美が遺憾なく発揮されているからだろうと思った。同じカットを映しながら、人や物の配置を替えたり、あえて配置しないことで、その違いを際立たせたり、同じ人物を近くから撮ったり、遠くから撮ったりすることでその心象風景を描き出したりと、この映画には彼のテクニックがてんこ盛りに詰め込まれている。 話の構成・展開も見事だ。老夫婦が東京に来てから少しずつ際立つ違和感、彼らの子供たちの生活に投げかける波紋が残酷なほどに丁寧に描かれる。子供たちとて歓迎したくないわけじゃない。ただ忙しいだけなんだ。だが、その「忙しい」という言い訳がどこまで通用するのか?彼らはそれにかまけて逃げているのではないか?小津さんの追及は厳しい。長女しげを演じる杉村春子の演技はあまりにも見事で身につまされるが、僕らの大半は彼女なのだ。悲しいことに。 しかし、彼らは背景に過ぎない。本作の女神は紀子だ。親不孝な僕たちにとっては美しくも怖ろしい。怖ろしいほどイノセントで神々しい彼女が最後に漏らす「私、ずるいんです。」という一言は見るものすべてに止めを刺す。それがずるいのなら、僕らはどれくらいずるいのだろうか。と僕たちは感じざるを得ない。キリストが人間だとしたら、尚更その神性が際立つようなものだ。 今の世界に小津さんがいたら、果たして彼は何を描いただろう。観終わってそんなことが気になった。しかし、ちょっと考えると、彼はまた同じ物語を作ったのではないか?とも思った。それほど時代を超えて(あるいは国を超えて?)普遍的な物語がここにある。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-10-25 00:49:56) (良:1票) |
21.《ネタバレ》 息子たちに、まるで邪魔者を押し付け合うような対応を受けるだけ受けておいて、後になって“昔はもっと優しい子だった”と語らい、それでも“まぁ幸せな方じゃのう”“幸せな方でさぁ”こう自らに言い聞かすように、寂しく、そして穏やかに語る老夫婦。この穏やかさが心に沁みる。たまらない。この映画には(人というものには、こういうところがある)という側面が次々と描かれている。その為、映画に没頭しながらも、いつの間にか自分に押し当て、心かき乱されてしまうのだ。一例として、母親の死に直面したしげ(杉村春子)が泣き崩れた場面と、葬式が終わった後のケロッとした態度は、配役の性格設定を超えた、人間というものの性質を映しているように感じる。、 大阪から遅れて馳せ参じた敬三の、どこか筋の取っていない立ち振る舞いや言動などもそうだろう・・・。人がそれぞれの境遇によって、その局面での取り繕う様子が生々しく描かれている。そしてどこか自分自身を見ているような気持になってくる。 【よし坊】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-11-06 05:29:09) |
20.湯煙たなびく山あいの温泉に浸かり、星空見上げて深呼吸しながら、やっぱオレ日本人に生まれて良かったあ~!ってしみじみと思う瞬間があるけど、僕にとっての小津映画とは正にそれと同じ。もはやとうに失われてしまった純ニッポン人の美点、礼儀作法、奥ゆかしさ、ちょっとした気兼ね気配りみたいなものが、この映画を一本観さえすれば全て入ってますね。自分の好みと、「何度も繰り返しみたくなる」欲求という点では『彼岸花』の方が勝るけれども、映画の完成度という点ではこちらの方に軍配を上げざるを得ません。 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(邦画)] 9点(2007-07-28 11:21:31) (良:1票) |
19.尾道から東京までの長い旅路。容赦ない夏の暑さ。息の詰まるような東京の町。着物の重苦しさ。履物の不安定さ。気を使う息子たちの家。これでは気の休まる暇も無い。唯一、親身になってくれる紀子だけが救いである。遠くの親戚より近くの他人と言うが、本作は遠くの親戚より遠くの他人(他人ではないが)といったところか。たしかに世間では相続争いや兄弟喧嘩、果ては更に悲惨なことまで毎日のように起こっている。本作にも「それを思えばまだ幸せだ」というセリフがあるが、そうであったとしても老夫婦には心身ともにつらい旅となった。そういった老夫婦の寂しい話ではあるけれども作品としてはとてもよかった。朴訥としながらも品のある老人を演じた笠智衆を筆頭に美しいとは思わないが気品溢れる原節子の優しい眼差しにも心が洗われた。そして尾道の美しい風景や東京の復興目覚しい街並といった背景も印象的で、穏やかな情感ある音楽も作品の雰囲気に合っていたと思う。傑作であると素直に感じられた。本作が上映された1953年というと「雨月物語」といった後世に名を残す名作が封切られた稀有な年でもあり、更にこの50年代は両監督にとっても日本映画界にとっても黄金時代にあたるのだなと改めて感じた次第です。 【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-05-11 23:19:58) (良:1票) |
18.おそらく同じことをさんざんいわれてきたであろうし、とてもありふれた感想になるのだろうけれど、やはりこの映画には、日本人の美点が濃縮されているように思う。 【チビすけ】さん [DVD(邦画)] 9点(2006-08-29 20:17:47) (良:1票) |
17.《ネタバレ》 俺の母が死ぬときの様子を見せられているようだった。だから直視できなかった。 |
16.《ネタバレ》 小津安二郎の代表作で日本映画の最高傑作のひとつとも言われる「東京物語」。なんか有名すぎて今まで見てなかったけどやっと鑑賞。確かに名作だと思うし集大成的な作りになってると思う。今まで見てきた小津映画の中でもどこかで見たようなシーンが沢山出てくる。そしていつもの小津組の演技。個人的には杉村春子最高。この人こういうちょっと嫌味のある感じが抜群です。 【バカ王子】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-06-20 00:31:00) |
15.人間模様にリアリティーがあっておもしろい。主人公とお父さんがよくできた人過ぎるのが気に食わないが、小気味良くて、いい映画だとおもう。 【ホットチョコレート】さん [地上波(邦画)] 9点(2006-04-23 01:51:16) |