3.《ネタバレ》 妻投稿■■ラスト野原ひろしはしんのすけに「アクション仮面みたいに強くて優しい大人になれよ」という。そう、ヒーローというものはテレビの画面の中で感傷やお涙頂戴のためにあるわけではない。子供および大人が「僕も私もこんな強い人間になりたい」「こんな格好いい人間になりたい」と思う為に登場するのだ。最近のヒーローものはギャグセンスや「萌え要素」ばかりに傾向して、本来の目的を忘れている作品が多くみられるが、劇中のしんのすけが決死の思いでパラダイスキングに喚くシーンは、こうした最近のヒーローに対するアンチテーゼではないかと思う。■■この作品の際物さは、「このようなヒーローになりたい」という指標だけではなく、「こんな悪党になりたい」という悪の魅力まで提示しているところだ。だが、パラダイスキングのかっちょよさ、魅力も「本物のヒーロー」を描ける映画制作陣だからこそ描けるものなのだと思う。