2.《ネタバレ》 映画史上最も完成されていると言っても過言ではないその脚本と、そこにルビッチ・タッチと謳われるエルンスト・ルビッチ監督の類い希な演出が絶妙に溶け合った、まさに究極的名作『生きるべきか死ぬべきか』のリメイク作品。
もともとの脚本が恐ろしい程の完成度を誇っているので、よっぽどのヘマをしない限りおかしなものになることはない。
実際かなり忠実にリメイクしている。ズルイともいえる。
ただ、やっぱりオリジナルあってこその作品に思えたのも事実。
リメイクなわけだから当然と言えば当然だが、オリジナル版がコメディといえど、その完成された脚本によってストーリー上、実に自然にツボをつく笑いを生み出していた感触だったのに対して、本作は完全に笑いを取りに行っている。
オリジナル版を先に観た人は違和感をおぼえるかもしれないが、カメラアングルなどかなり忠実にルビッチ版を再現している箇所もあり、オリジナルに思い入れのある人も色々な意味で楽しめることは間違いないだろう。
個人的にはオリジナル版の冒頭で、ヒトラーが突如ポーランドの街のド真ん中に現れるシーンが本作にはなかったことが残念に感じられたが、なんとラストでしっかりその代わりとなるシーンが用意されていてかなりの高ポイント。
そしてそして、エンドクレジットも洒落てる。最高に好きだ。