30.《ネタバレ》 今でも脳裏に流れる軽やかなメロディ、憧れのブラジル。 しかし現実は残酷で、夢を見ても残酷で、結局夢の世界に入ってしまう。 今でも衰えぬその表現と、怒濤の展開、そしてアンバランスな気味の悪さ。 ホラーではないのだけれど、とても怖かった。 【えすえふ】さん [DVD(字幕)] 9点(2015-11-15 02:04:39) |
29.《ネタバレ》 へんてこな人々と、へんな世界観のオンパレード。書類、サイン、書類、サイン、領収書に受領書。形式主義に権威主義。責任回避と無関心。メインテーマの「ブラジル」が奏でる、開放的で陽気な旋律とはおよそ正反対の世界。登場する人々や出来事のひとつひとつが、いちいちシニカルで、爆笑はできずに苦笑い。 物語のすべてが陰鬱でバッドエンドなのに、それほど後味が悪いばかりではないのが、この映画の不可解にして素晴らしいところでしょう。 ちなみに好評価の前提として、僕はモンティパイソンの笑いが大好きだということ。それはかなり重要な要素ですw 【こっちゃん】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-12-18 16:21:50) |
28.SF初心者にもわかりやすいディストピアでした。キテレツな才能が発揮されているようで、 独特のリズムと展開に振り落とされそうになること多数。 ただ、個人的には最後のシーンだけで高得点をあげたい。 あのシーンのためだけに前振りがあるんだ、と思うと、我慢できる程度の出来栄えだと思う。 【よこやまゆうき】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-26 16:15:12) |
27.《ネタバレ》 「出世を望まない若者たちが増えている」という。『未来世紀ブラジル』は、主人公が出世を願うかどうかが分岐点になっていて、出世コースに足を踏み入れるや冷たい競争関係など圧倒的に物象化された世界で迷子状態となる。諧謔のセンスが不条理の深刻さに厚みをもたらすのも、カフカ的なテイストだ。 【ひと3】さん [映画館(字幕)] 9点(2013-04-28 06:34:44) |
26.《ネタバレ》 悪夢のような未来社会の描写、意味不明な登場人物、徹底的に救いようのないオチ。もうテリー・ギリアムの魅力全開です。まるでサルバドール・ダリの絵画のなかに迷い込んだかのような強烈な超現実世界。そこでは意味なんか無意味です。二時間強の映画が終わるころには、目くるめく悪夢にうなされたような心地良い疲労感を味わえます。まぁ、「そんな体験味わいたくないわ!」っていう人には理解不能だろうけど(笑)。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-04-21 19:36:09) |
25.《ネタバレ》 映画のファイナル・カットをめぐり、テリー・ギリアム監督と配給のシド・シャインバーグが衝突し(ギリアムが勝利し)たことはもはや伝説。「バトル・オブ・ブラジル」という本まで出版されたほど。「映画とは何か」「芸術とは何か」「自由とは何か」ということを、映画製作という過程において如実に示した、ギリアム監督の最高傑作であり、究極のカルト・ムーヴィー。「映画は闘いだ!」 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-10-15 08:07:01) (良:1票) |
24.《ネタバレ》 たとえば、拷問の記録をタイプにとっているところ。担当のオバサンが打ってるタイプを主人公がちらっとのぞくと「HELP!」と悲鳴が並んでいる。話しかけてオバサンがイヤホン外すとじかに悲鳴がもれてくる。あるいは食事の場でのテロ爆弾の炸裂、それでもせっせと食事を続ける人たち。ドンパチやってる脇で掃除を続けるオバサン。デ・ニーロが情報用紙に絡みつかれていく脇をゆく通行人。なにか切迫した大音声の世界と、静寂の事務的な世界がつながっている。事務の静まりのほうが大音声を圧倒し包み込んでいく。これは単にギャグと言うだけでなく、現代社会そのものといった納得を感じた。そういった大音声への無関心を導く社会の果てに、ラストの「ブラジル」を口ずさむ呆けた夢の世界が待っているのだろう。そしてこれはスクリーンを観ている私たちを皮肉っているのか、という気にもなってくる。カフカ的な暗い未来社会もの、って映画はほかにもあるが、とりわけこれは笑いと戦慄の振幅が大きくて好き。オタフクの笑顔もそうとう気味悪い。この後に観たフランス映画の『デリカテッセン』てのでもラテン音楽が暗い未来社会に流れていた。一番「自由」を感じさせる音楽なので皮肉に響くのか、あるいは世界が北方的に陰鬱になってしまったので皮肉に響くのか。ラテン音楽が皮肉に響くようになったら、その社会は要注意ってことだ。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-07-19 10:57:20) (良:2票) |
23.ジョージ・オーウェルの『1984』をモチーフにしていますが、この映画の世界観はギリアム独特でいいですね。基本的に自分はディストピアSFが好みですが、数あるディストピアものでも本作は最高峰ではないでしょうか。まあこういう作品では、監督の提示するイメージが合うかどうかで好みが別れるものですが。登場人物たちのスーツや帽子姿を見ていると、この世界が赤狩り時代のアメリカをパロっている気がしますね。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-03-21 01:16:51) |
22.テリー・ギリアムのユーモアはやっぱり面白い。映像センスも凄いし、、本人がやりたいことやってる感じですね。満足です 【ギャングスター】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-12-18 15:06:36) |
21.初めて観たのが深夜のテレビ放映で、その後、名画座やビデオ・DVDでと何度も観ているんだけど、どこが良いのかどうにもよく分からない(笑)。 それなのに、また観たくなってしまう不思議な魅力のある作品。 【万年青】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-10-18 10:14:38) |
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20.《ネタバレ》 殺風景な近未来的世界観と、トチ狂ったキャラクター達、あざとい風刺、 サムの夢に出てくる鎧武者・赤ん坊じみた仮面達の造形、無駄な機械群・ダクト、 スーパーマリオみたいなロバート・デ・ニーロなど、あらゆるものがツボでした。 ただ、ストーリーも世界観と同じく、無機質かつ淡々と進んでいくので 冗長さを感じるのはしょうがないところです。 【彬彬】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-01-31 11:04:14) |
19.ギリアム監督の世界観たっぷり感じられる映像美とシニカルな笑い。そして悲哀なラストに流れる陽気な曲 『ブラジル』 。もうまさに鳥肌ものですよ。しかし、ここまで言っといて評価は9点。残りの1点は何かと言うと… 「主人公の顔が生理的に好きではない」 という理由だけ。許せ、ジョナサン・プライス。ところで "生理的" と言えば、Dr.チャップマンが、チビでブサイクでヤブなのは、グレアム・チャップマンへのちょっとした仕返しなのだろうか?! (深読みし過ぎか…) 【マイケル・エリス】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-28 03:47:03) |
18.作品のテーマは「タテ割り行政の課題について」ですが(笑)、ギリアムおじさんの妄想が炸裂したヘンテコ映画。劇中劇ってのがありますが、この映画はさしずめ「妄想中妄想」、ですな。ほとんど一般性のない妄想に付き合うのは、観ててそれなりにエネルギーもいるが、それにしても、この観終わったときの謎のような充実感は一体何なのか。「よーわからんけど観てよかった」というこの不思議な気持ちを味わうために、映画を観るのです、にこにこ。『マトリックス』あたりの妄想は、「こう見せればカッチョ良くて一般受けがいいぞ」という、ある種一般化され記号化され人目を気にした「個性」。これはこれで実は嫌いじゃないけど(笑)、客観化された個性には新鮮味が無く、その延長上には、「自分は個性的だ」と信じ込みつつ実は同じ顔をした人々が、「“個性的”という名のステレオタイプ」に安心して嵌り込み、世の中にあふれ返ることになる。本当の個性ってのは、もっととりとめが無いものであり、それを持ち続けるには勇気と図々しさとある種の誠実さが必要であることを、この映画は教えてくれる。 【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-23 22:27:58) |
17.ロストインラマンチャを観てテリーギリアムの映画を観たくなったので観てみました。なんというか、テリー監督はやはりすごい男だったです。こんな映画創れるなんて人のなせる業ではありません。次から次へ現れるテリーの妄想とイメージにただ圧倒されます。やりたいことやったもん勝ちというのを信じて突き進んでいます。それでいてストーリーは破綻することなく安定しています。 時計じかけのオレンジをやりたかったのでしょうか?気がつくとキューブリック調のシンメトリーな廊下だったり、スタンリーを意識しているようでした。ラストシーンは正に時計じかけのアレックスを彷彿としました。どっちにしろ、管理社会は程ほどにってことです。 |
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15.《ネタバレ》 テリー・ギリアムの作品の中でも特にカルトな本作。やばい、やばすぎる。こうゆう作品が好きな自分もどうかと思う。ラストの拷問シーンは見る人を不快にさせるかもしれないが本作には必要であったと思いたい。以降のギリアム作品は大衆受けを狙ったものが多くなってしまい少し残念。 【hrkzhr】さん 9点(2004-03-24 12:26:06) |
14.この映画にはショックを受けた、ストーリーの無情さと監督のロマンチシズムの同居に。 |
13.あのタイプライター型端末というかPC欲しい。車もメッサーシュミットの3輪使うなんて。この監督のセンスすごい好きです。話としては 近所の市役所行ってごらん。あのまんまだよ。ひとの戸籍なんか平気で 見てるし。まあこの監督に1億ドルくらい出して一切口出さないで 映画作らしたら、とんでもない傑作が出来そうな予感がこの映画 からは感じられるけど、近作みるとそうでもないかな。 【iris】さん 9点(2003-11-15 09:50:59) |
12.やはりこういう未来ものは好きなので、9点です。管にペッと手紙を入れるとちゃんと届くんですよね。映画中の人間が皆会話していません。これを見てからブラジルの歌が流れると、何故か哀しい気持ちになるようになりました。 【しま】さん 9点(2003-10-17 01:58:13) |
11.徹底的に人間性の排除された物語。はっきり言って主人公もロクな奴じゃない。職権を濫用して他人の女性のプライバシーを覗こうと躍起になっているのだから。人を人とも思わない社会の中で、それぞれどうしようもない奴らがうごめく、この上もなくブラックな映画なのだ。過去とも未来とも、どこにあるとも知れない架空の国の、ハイテクとローテクが入り混じった(どちらかというとローテクの比率が多い)世界観は、スチームパンクにも通じた異様さを誇っている(その意味では未来世紀という邦題は成功したとは言いがたい)。テリー・ギリアム監督独特の、観客のケツを蹴っ飛ばしてやろうという映像がふんだんに使われており、ファンにはたまらない映画だ。モンティ・パイソン調のブラックユーモアに隠れがちだが、独特の異彩を放つ画面など、いくらでも掘り下げることのできる名画。個人的に配管工タトルのモデルは任天堂のマリオではないかと考えているのだが…。 【ウーフー】さん 9点(2003-10-14 12:42:20) |