4.《ネタバレ》 妻投稿。私はこの作品は「自然保護云々」よりも「人間同士の共存の在り方」を考えさせる作品だと思いました。11歳に見た時は、家族や自分たちの平和な社会を、他者から「悪」と決めつけられて破壊されるどうしようもない悲しさをのびた君と一緒に感じました。そして22歳に見た時には、地球人の残虐行為で、もはや危険な破壊兵器に手をかけなくてはいけないところまで追いつめられた天上人に感情移入してしまいました。私は障害者でで10歳で知能が止まっているらしいので、大人になったわけではありませんが、環境は大きく変わったと思います。それだけでここまで感じ方が違ってしまうのか・・とびっくりし、この作品の深さに感動しました。この作品に(時系列的に当たり前ですが)ブッシュ大統領、ウラマ・ビン・ラディン、イラク戦争、先軍政治、民族浄化、ナショナリズム、ナチズム、血だらけの子供、アメリカへの怒りをむき出しにするヴェールのお母さんは出てきません。しかし、シティーホールのプラネタリウムで語られる美しく危険な物語、「どうして地球人は逃げたがるんだ」と当たり前の感情を理解しようともしないお兄さん天上人の不気味さ、絶滅動物保護州で安心して生活する動物たち、離れ離れになった南の島の家族、そして自分たちの家族や家や街を守るために、大勢の人たちに謝らなければいけない恐怖、雨のデパートの上で涙を流すのびた君・・・・といったシーンのおかげで、私は10歳の頭のままニュースで語られる人間社会や世界情勢が、仮面ライダーvsショッカーとは違うものなのだと理解できたと思っています。