1.《ネタバレ》 まず原作未読です。何てことは無い、生まれ付いての反社会性人格であり、ハーバード大卒の純粋殺人者のお話。サイコパスとしてはこの上ない美味しい設定じゃないですか。ハスミンがなぜこうなったのか?そんな理由を回想で語る必要なんてない。生まれ付いての『サイコパス』だからだよ、という理由だけだ。。あの『レクター博士』にだって幼少期の妹との別れの事件がきっかけで殺人者になったという理由があるのに。伊藤英明の『ハスミン』はそのレクター博士に匹敵するキャラだと思いました。(彼のラストカットを見て)後半の殺戮の宴、ショットガンという凶器は強烈で、拳銃で撃つのとはわけが違う威力と、撃たれた瞬間の恐怖と衝撃は凄まじい。そして何よりハスミンが銃を構えて生徒を撃つ「間」が絶妙。ハリウッド映画でよく観るのは、被害者が懇願し、犯人の思考、または横やりがよく入るが、こちらはそれが全く無い。「タデを殺したの、アンタなんでしょ!?」と女子生徒が泣きながらハスミンに問う。何の間もなく、大きな黒目の無表情でショットガンでズドンっ!である。「あー、何にも言うなよぉ・・・。」と心で呟く間もなくこれだ。これが原作通りなら作者も監督も良く分かってらっしゃいます!文句なしに傑作だ!これを躊躇なく映像化してくれた三池監督、『ハスミン』を心地良く演じてくれた伊藤英明(鼻歌交じりにレインコートを羽織り薄ら笑みを浮かべてショットガンを放つ姿にゾクゾクっ!)に感謝!心理描写などに不満を持たず、邦画エンタメとして観れば近年稀に見る傑作だと僕は思いました。