6.《ネタバレ》 幼心に衝撃だった。歌う愛憎、性と死。清志郎の声。厨二病以前の中学生の性的衝動はここに発露する。少年は愛に死んだ。深夜のアーケードには愛は無かった。 【よこやまゆうき】さん [地上波(邦画)] 10点(2017-05-26 04:17:06) |
5.○この世には、暴走や狂態では払拭できない鬱屈がある。その鬱屈をいちばん持て余すのは中学生の頃だろう。人生における台風の時代は、過ぎ去ってしまえばすぐに忘れてしまう。この映画は、その時代をまざまざと思い出させてくれる大傑作。全編、アルバート・アイラーの即興演奏が鳴り響いているようだ。○この映画ほど好き嫌いが分かれる映画はないだろう。嫌いな人が冗長と感じる場面も、好きな者は飽くことなく魅入ってしまうのだ。○思春期の頃の痕跡かな?台風が来ると、フリチンで暴風雨の中へ跳びだしたくなる。60歳を過ぎたいまでも。。。。。 【火蛾】さん [映画館(邦画)] 10点(2014-11-03 17:13:25) |
4.深夜放送のテレビで初めて観たとき、衝撃が走った。それまでは邦画なんてつまんないのしかないと思い込んでた。それをこの映画がぶち壊してくれた。それ以来ことあるごとに観返してきたが、未だに心のベストテンの上位ランカーとして健在、というか、もはや心の永久欠番である。 |
3.《ネタバレ》 『ションベンライダー』が思春期一歩手前の少年少女の子ども時代との決別を描いていたとするならば、『台風クラブ』は望まぬ思春期を真っ只中にむかえてしまった少年少女の反撃の映画である。画面には常に後ろめたいような性の匂いが横溢し、いまだ無邪気に見える彼らの背後には、小学生でも高校生でもなく中学生特有の自分の体が大人になっていくことへの畏れと悲しみがそこはかとなく漂う。そんな台風到来直前の思春期的性衝動と渦巻くような胸さわぎ、そして後半の原始的な台風がもたらす不思議な昂揚感と開放感、さらにはそれらをねじ伏せんばかりに見せつける生々しい映画的興奮とがないまぜとなり、まさに台風のように徐々に強大化し、また収束していくさまが圧巻だ。この規格外の豪速球っぷりは、ただごとではない。それほど衝撃的で、それでいてこの映画の粒子一つ一つがまるで自分の細胞の一つ一つであるかのような、あたかも自分の心象風景をまるごと映写されているかのような、そんな懐かしさがこみあげるのはなぜなんだろう。夜のプールの空気感、木造校舎のたたずまい、大西結花が朗々と読みあげる高田敏子の詩「忘れもの」もたまらなくいいが、相米印の型破りな選曲センスも抜群だ。バービーボーイズからはじまりPJのレゲエ、歌謡曲わらべの「もしも明日が」に、エンドロールは運動会の実録音源って!そんな破天荒なDJされちゃった日にはもう、全面降伏でシビレるしかない。恐るべし相米慎二。台風がのこした爪痕である校庭の巨大な水たまり。それを軽々と進んでいく工藤夕貴は、心にのこるであろう爪痕もまた乗り越えていくんだろうか。 【BOWWOW】さん [DVD(邦画)] 10点(2009-07-23 21:58:42) (良:3票) |
2.途中で何度か、ビデオを止めようかと思った。なのに、この点数。減点法でいくと5,6点なんだけど、加点法だとこうなっちゃう。奇蹟の一発。歴史に残る一本。知り合いの死を知った日は、空が抜けるように青いというだけで、泣けてきませんか? さあ、観終わったら、元の怠惰な日常へ帰っていこう。 |
1.台風の接近とともに、少年少女たちが、内なる「自然」を解放していく。そんな彼らの”狂態”を執拗なまでのワンシーンワンカットの長回しで追う画面からは、息苦しいまでに濃密な閉塞した時間と、学校や親や社会をも突き抜けたアナーキーな自由がまっすぐに放射してくるようだ。そして、クライマックスとなるのは、ひとり「自然」を解放することなく、それゆえ苛立ち、苦悩していた少年の自殺。彼は、自分だけが「大人」に成り下がっていたことを罰するために、自ら死を選んだんじゃないか。だから、その姿は、あんなにブザマだったのか…。と、とりとめもなく書き連ねてしまいましたが、ひとつ断言したいのは、間違いなくこの作品こそ1980年代最高の日本映画だってことです。 【やましんの巻】さん 10点(2003-11-01 18:47:30) |