1.《ネタバレ》 前半のベースキャンプの描写が若干退屈で登場人物が皆髭面で覚えづらいと思いますが、皆が楽しんでいたため後半との落差を予想させるには十分でした。下山時に猛烈なブリザードが来てから、後ろにいた人がスポッといなくなったり暑い暑い言いながら脱ぎだす等皆が亡くなっていく深刻な描写に涙が止まらず、家に帰ってからも映画の強い余韻が頭から離れませんでした。皆のため散々頑張った主人公が雪に埋もれて徐々に力を失っていき、他方で同じく雪に埋もれた金持ちのお客さんが力を取り戻しガバッと大復活する様は実話が元とは言えストーリー性というか因果のようなものを感じました。搬送ヘリから最初に皆で渡った橋が見えたのも帰りは一人でしたという象徴となって良かったです。難波康子さんは気絶後放置されて可哀想でした。ガチで作った凄い映画だと思います。登山とか怖くてもう無理ですが、これは映画館でだけの凄まじい体験だと思います。/2回目(TCX字幕)も超絶ヤバかったです。原因を登山の商業化とだけ言ってしまうのはあまりにも短絡的で、ルート作成の不慣れ、体力と酸素の予想以上の消耗、(作中は描かれなかったが)パーティ内での不倫関係の露呈で士気低下、(フィッシャーの)ガイドが仕事をしなかった為フィッシャー自身が各人の下山指示を出し負担が増大など、どの職場でも起こりうる事が積み重なったという事だと思います。存命中の人物なので悪く描かれていませんが、クラカワーは救助に行くことを拒否して後に実際に非難を浴びた一方でハロルドは助けに来てくれて亡くなった事が熱かったです。難波さんは男性2人によるガイド登山なので6大陸を制覇しようと認めないという見方もあります。このように様々な人物が集まった事で映画に関しての話題も尽きず、これは実話ならではの面白さだと思います。