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ゴジラ-1.0

[ゴジラマイナスワン]
(モノクロ版タイトル:ゴジラ-1.0/c)
GODZILLA MINUS ONE
2023年上映時間:125分
平均点:7.08 / 10(Review 119人) (点数分布表示)
公開開始日(2023-11-03)
公開終了日(2024-05-01)
SF戦争ものシリーズものパニックもの特撮ものモンスター映画
新規登録(2023-07-13)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2024-11-12)【イニシャルK】さん
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監督山崎貴
キャスト神木隆之介(男優)敷島浩一(戦争から生還するも、両親を失い、荒廃した日本で、典子と出会う。)
浜辺美波(女優)大石典子(焼け野原の戦後日本を単身で強く生きる女性。戦争帰りの敷島と出会う。)
佐々木蔵之介(男優)秋津淸治(戦後処理の特殊任務を請け負う船・「新生丸」の艇長)
山田裕貴(男優)水島四郎(戦後処理の特殊任務を請け負う船・「新生丸」に乗り込む見習い)
青木崇高(男優)橘宗作(戦時中、海軍航空隊の整備部にいた人物)
吉岡秀隆(男優)野田健治(戦時中、海軍工廠で兵器の開発に携わっていた人物)
安藤サクラ(女優)太田澄子(敷島の家の隣人。戦争で子どもを亡くしている。)
遠藤雄弥(男優)齋藤忠征
飯田基祐(男優)板垣昭夫
田中美央(男優)堀田辰雄
阿南健治(男優)
水橋研二(男優)
奥田誠治(男優)
マイケル・アリアス(男優)
橋爪功(男優)(ノンクレジット)
金田明夫(男優)(ノンクレジット)
笠井信輔(男優)爆風を浴びる兵士(ノンクレジット)
篠井英介ラジオのアナウンサー
笠井信輔ラジオのアナウンサー
早織
脚本山崎貴
音楽佐藤直紀
伊福部昭「ゴジラ」/「モスラ対ゴジラ」/「キングコング対ゴジラ」
作詞菊田一夫「とんがり帽子」
作曲古関裕而「とんがり帽子」
撮影柴崎幸三
製作市川南〔製作〕
東宝
プロデューサー阿部秀司〔製作〕(エグゼクティブ・プロデューサー)
山内章弘(協力プロデューサー)
制作TOHOスタジオ(制作プロダクション)
ROBOT(制作プロダクション)
配給東宝
特撮山崎貴(VFX)
渋谷紀世子(VFXディレクター)
白組(VFXプロダクション)
美術上條安里
龍田哲児(装飾)
編集宮島竜治
録音柴崎憲治(音響効果応援)
照明上田なりゆき
その他マイケル・アリアス(劇中モンタージュ監修)
読売新聞社(新聞提供)
阿部秀司〔製作〕(献辞)(ゴジラ-1.0/c)
あらすじ
戦後間もない焼け野原となった東京。特攻隊の生き残りである復員兵の敷島浩一は、空襲で両親を失い、悲しみに暮れながらも一部が焼け残った実家で、偶然出逢った大石典子と赤ん坊のアキコと3人、ギリギリの生活を送っていた。それでも浩一の収入が安定し典子も働き始め、日々の暮らしに明かりが差し始めた矢先、突如東京湾から巨大な怪獣が出現、復興し始めていた東京を蹂躙する。そしてその怪獣は、かつて浩一が南の島で襲われたゴジラに他ならないのだった。軍備も失い、米軍の十分な協力も得られない中、日本国民とゴジラの凄絶な闘いが始まる…。 第96回アカデミー賞では邦画・アジア映画史上初の視覚効果賞を受賞するとともに、山崎貴監督は55年ぶり、史上2人目の同賞受賞監督となった。
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13.《ネタバレ》  コロナ禍以来、元々身体が弱いのに加え、基礎疾患がある身内と暮らしているため、映画館に足を運ぶのをためらっていたら、【シン・ウルトラマン】も【シン・仮面ライダー】も見損ねてしまい…しかし【シン・ゴジラ】を当サイトに投稿していたこともあり、当作品は、意を決して映画館で観ました。GW前の4月中旬、夕方の上映であり、お客さんはまばらで一安心。ただ、その後【ゴジラ:1954年‐以下、オリジナル版と表記します】のDVDをレンタル・鑑賞してから投稿したので、随分、遅くなりました。

 まず、ドラマは、私も“山崎節”全開で「ちょっとくどいかな」と思ったものの【一見するとゴジラらしからぬ物語だが、台詞がストレートで演出も“お約束”に則っており、わかりやすい/主役や脇役に、NHKの朝ドラや大河ドラマに出演した役者が揃っている】という要素は、ひょっとすると、ゴジラ映画に興味が無い、或いは、子供向けと敬遠していた人達を引込む、言換えれば、鑑賞者の裾野を広げる可能性があるのでは…という印象を受けました。それこそ、地上波で放送されたとき「何か面白い番組やってないかな」とチャンネルを回した人が、途中から当作品を観て「あっ神木隆之介君と浜辺美波ちゃんだ。終戦直後のドラマなのかな。らんまんの朝ドラコンビ、いい味を出してるねぇ…え?これってゴジラ映画なの?!“普通”に観られるじゃないか」といった反響があればな…と思ったりしています。もっとも、本当にそのような反響があったら「その“普通”って何?。怪獣映画への偏ったイメージの裏返しでは?」という気持ちがわいちゃいそうですが…。
 また、アメリカでも受け入れられたのは【オッペンハイマー:2023年】との兼合いは、勿論あるでしょう。ただし、もしかすると「自分だけが生き残ってしまった…」といった自問自答で苦しむ主人公の姿が、ベトナム戦争や湾岸戦争等からの帰還兵の方々の負った心の傷と通じるものがあり、共感を得たのでは…とも思ったりしております。
 
 次に、音楽は、皆様のおっしゃる通り、伊福部サウンドが流れると「これこそゴジラ映画だ!」と私もワクワクしました。特に、銀座の場面では【モスラ対ゴジラ:1964年】、海神作戦では【キングコング対ゴジラ:1962年】のメロディーが印象的でした。 

 最後に特殊撮影については、私も山崎監督とほぼ同年代であって【スターウォーズ】や【未知との遭遇】に新鮮さを感じた一人です。あくまで素人の立場ですが、特殊撮影に興味を持ち、その変遷を観てきた者として、アカデミー特殊効果賞の受賞には素直に「おめでとう」と言わせていただきます。
 ところで、アメリカ作品に比べ「製作費が15億円以下で低予算」が受賞の要因の一つらしいですが…「15億円」とは、日本映画としては大作の部類であろうし、それに私には一生稼げない金額でもあり、個人的には「低予算」とは言いたくないなぁ…。
 もし「低予算」と言うにしても、私は「金をかければいい」というものでもないと思っています。若い世代の方々にはピンとこないかもしれませんが、レイ・ハリーハウゼン氏が生み出した“ダイナメーション”と呼称される特殊撮影による作品群だって、けっして予算に恵まれたものではありませんでした。それにもかかわらず、それらの作品群は、ジョージ・ルーカス氏やジェームズ・キャメロン氏らに多大な影響を与え、少なからず現在のハリウッドの特殊撮影の隆盛にも…そのようなつながりを考えると、いずれ「日本のゴジラ-1.0に感激して、この道に入りました」というフィルムメーカーが現れる…かもしれません。

 さて、採点ですが…私のゴジラ映画の初見(TV放送)は【三大怪獣 地球最大の決戦:1964年/怪獣大戦争:1965年)】という、思いっきり“娯楽路線”に入ってからの作品でしたが…【オリジナル版】に連なる“シリアス路線”の作品は、ゴジラ映画の原点として支持させていただきます。なお、正直、私も【ゴジラが再生する兆しが…/再会した典子に黒い痣が…】というラストは無くてもいいかな…とは思いましたが、“怪獣映画のお約束”として割りきり、減点しないでおきます。山崎監督と白組の努力・歩みの結実であり、かつ、【シン・ゴジラ】を乗り越えて新作を生み出したパワーに敬意を表し、10点を献上します。

*オリジナル版も、この投稿を機に加筆しております。

*令和6(2024)年11月4日(月) 追記:初稿では音楽について『今回は【モスラ対ゴジラ:1964年】のメロディーが効果的に使われており、波のような音楽のリズムと、海を舞台にした場面とが、見事にシンクロしている印象を受けました』と書きましたが…11/1(金)の地上波放送を観て記憶違いとわかり、本文を修正しました。
せんべいさん [映画館(邦画)] 10点(2024-08-04 17:03:06)(良:3票)
12.《ネタバレ》  ゴジラ映画の最高傑作。

 ……なんて言い出すと、ほんの一年前の自分に「最高傑作は初代に決まってるだろ」とツッコまれそうなんですが、本当にそう評したくなるような逸品だったんだから、参っちゃいますね。
 まずは何を置いても、主人公の敷島浩一というキャラクターが素晴らしい。
 基本的に自分は「悲劇に酔ってる」って感じの主人公は苦手なんですが、本作の敷島は「悲劇に溺れてる」人物であり、その溺れ方が圧巻で、観ていて惹き付けられてしまうんです。
 どんなに自分が不幸であっても、赤ん坊を預けられたら見捨てられないという善性の描写も丁寧であり、自然と感情移入出来る。
 本当にベタですが「どうか幸せになって欲しい」と、心から応援したくなる存在でした。

 思えば初代ゴジラが芹沢大助という人間の物語であったように、本作は敷島浩一という人間の物語だった訳で、その辺りの「初代ゴジラを徹底的に研究し、魅力を理解した上で、それを越えるような映画を撮ってみせた」って事も、観ていて心地良かったです。
 特に、有名な「ゴジラのテーマ」の使い方が初代と同じであり「ゴジラに立ち向かう人類の曲」として流れる演出なんて、もう最高。
 山崎貴は天才というだけでなく「ゴジラを愛してる人」なんだと、そう確信させられました。

 脇役陣も魅力的であり、自分としては「隣のおばさん」こと澄子さんが、特にお気に入り。
 憎んでたはずの敷島に「とっときの白米」を渡してやる場面も良かったし「あの子に重湯作るのに使いな」という台詞が、終盤で敷島が澄子さんに託す手紙にて「明子のために使って下さい」と大金を同封してる場面に繋がる脚本も、素晴らしいの一言。
 幼子を救うという善意が、大人達の心を優しく繋いでみせたという流れ、本当に大好きです。

 戦えなかった兵器の代表格である震電に、戦わなかった兵士の敷島が乗る展開も熱いし、敷島が死なせた兵士達の写真束の中に、明子に似た娘を抱いてる兵士の写真があるという(そこまでやるか……)って描写も、本作の面白さを高めていますね。
 整備士の橘さんが足を引き摺る仕草を印象的に描いておき、彼が再登場する場面で「足を引き摺って歩く男の足元」を映すカメラワークになって、顔を見せるより先に(橘さんだ!)と観客に覚らせる辺りも、実に良い。

 終盤で敷島が特攻死せずに生き延びたと知った時の橘さんの表情も、印象深いです。
 「本当は生きたいと願ってた奴の命を救う」という形で、宿願を果たせた訳だし、憎かった敷島の命を救う事で、橘さんの戦争もようやく終わったんだなと感じられる、忘れ難い名場面でした。

 一応、欠点らしき部分も挙げておくと「ヒロインである典子の黒い痣」や「最後にゴジラが再生していく場面」など、せっかくのハッピーエンドに影を残す終わり方をした点が挙げられそうですが……
 「黒い痣」に関しては、ゴジラが原爆の象徴である以上「たとえ生き残ったとしても、重い影を背負って生きなければいけない」と示す為に必要だった気もするし、初代より前の時間軸の話である以上、この映画世界にも芹沢博士が存在して、復活したゴジラと相対し「ゴジラを殺せるのは、オキシジェン・デストロイヤーだけである」と証明してみせたのではないかとも考えられるしで、決定的な瑕とは思えませんでしたね。

 他にも、小説版にて文章で描かれた「震電から眺める家の一つ一つに、明子がいて、典子がいて、敷島がいて、日々の暮らしを営んでいる」「これをゴジラに破壊させる訳にはいけない」と敷島が決意を新たにする場面を、台詞に頼らず映像だけで描いてるのが凄いとか「録音した声をゴジラの同族の声と思わせて呼び寄せる作戦」は、ゴジラの元ネタである「原子怪獣現わる」(1953年)の更なる元ネタの「霧笛」(1951年)を彷彿とさせるとか、本当、この映画について語ると、止まらなくなっちゃいますね。

 邦画でありながらアカデミー受賞作であり、作品賞や脚本賞を取っても驚かないくらいの出来栄えだったのですが、本作が受賞したのは「視覚効果賞」であったというのも、味わい深いものがあります。
 それは怪獣映画にとって、最高の勲章。
 逃げ惑う人々を踏み潰し、家屋も容赦無く破壊するゴジラの存在感が、圧倒的でしたからね。
 人を殺すのも、家を壊すのも、それを実際に見せるのは大変だからって「見せずに想像させる」演出に逃げがちな部分を、全力で描いてみせた作り手の姿勢が、本当に素晴らしかったです。

 「いるはずのない怪獣が、スクリーンの中に確かに存在してると感じさせる」という意味合いにおいて、本作は最高のゴジラ映画である以上に「最高の怪獣映画」なのだと、強く思えました。
ゆきさん [映画館(邦画)] 10点(2024-06-03 23:49:22)(良:6票)
11.山崎貴監督の得意なねちっこい人情ものは好きではないのですが、今作については迫力あるCGと人情劇(家族愛だの戦争への思いだの)がかみ合った気がします。そして、何よりもゴジラの容赦ない怪物性が最高。シリーズ第1作を超えた歩く核兵器ぶりを見せてくれます。やはり印象的なドラマを作るなら、どうやってこんなモンスターをやっつけるんだ?と思わせないといけませんよね。
次郎丸三郎さん [映画館(邦画)] 10点(2024-01-07 01:17:27)
10.《ネタバレ》 ゴジラが海上からぬうっと鼻先を突き出し、船の後をついてくる様子にふと、「耳を倒して背中の毛を逆立ててるうちの子(猫)が、獲物にロックオン」というイメージが来て、それからというもの、あの恐ろし気なゴジラが、海上を匍匐前進する超巨大なCATにしか見えなくなってしまった!
厄介なことに一度こうと見えると、先入観は脳内からなかなか剥がれてくれない。
ゴジラが軍艦に体当たりし、かぶりつき、揺さぶり出すと、にゃんこがルンバにじゃれついている妄想が来て、初めに出たぐしゃぐしゃの軍艦は、猫パンチを食らったなれの果てかと納得し、勢い余ったゴジラが両腕を広げたまま、海上に仰向けにひっくり返ったときにはもう最高潮に萌えてしまって、キュートなんだかゾッとすべきか、わけがわからなくなった。
画面を横切って吹っ飛んできた軍艦はスリッパに見えるし、ゴジラが電車の車両に噛みついてるシーンは、サンマをくわえてる姿に見えてしまう。尻尾をはでに振り回すのは不機嫌モードの猫あるあるで、目の前をかすめて飛び回る戦闘機はコバエか猫じゃらしそのもの。壮大な音楽は荒ぶるにゃんこのパロディみたいに聞こえてきて、悲劇と喜劇、2つの映像を同時に見ているような超豪華なエンタメを味わえた。

ただ、ゴジラというキャラクターについて、今作もちょっと色々考えてしまった。
自然や神の象徴だったり、人類が不本意に創造してしまった核の産物、デストロイヤーとしての偶像として捉えられているけれど、それはゴジラが目的もなくひたすら街を破壊するからだろう。
生きるために「食べる」という行為が抜けている。ということは、自然界に属さない生き物、命のサイクルから外れた生命体という位置づけになる。
冒頭でミニゴジラが人間に噛みついて振り飛ばすシーンは、確かに怖いし迫力満点で見ごたえがあるけれど、口の中に入った人肉(たんぱく質)をわざわざ放り出してしまうとか、そんなのは狩りでも何でもない。
そもそも自然界の頂点に立つ猛獣は、満腹のときはあえて他を襲ったりしない。
それだけに、食欲に関係なくただただラリって殺戮、破壊行為でのみ生きるという生物が、どうしても不自然に感じられてしまう。
とはいっても、ハリウッド版のように、巣を作って、産卵して、幼獣が街中にあふれる繁殖率の高いゴジラでは、唯一無二の存在が希薄になってしまう。
だからこそ、「荒ぶる神」という孤高の位置づけがゴジラにはふさわしいのだろう。
それだけに、本作ではゴジラに己の咆哮を聞かせて「縄張り」を刺激する作戦がとられていて、いかにも従来の生物っぽい扱いにちょっと驚いた。

敷島がゴジラに挑むラストには息をのんだ。
もし彼が命を散らしたら「特攻隊」という戦時中の日本軍の過ちを肯定する映画になってしまう。だから死なないだろうと思っていた。
でも、放射能を振りまきながらゴジラが沈んでいった海に落ちれば、どう考えてもただではすまないはず。
でも、そこはもう、映画の世界だし、喜んで目をつぶりましょうという思いで安堵の涙を流した。
ラストのモコモコも、まあゴジラの映画ではお約束だものという思いで、スルーした。
映画館を出ると、表はすっかり暗くなっていて、うちのゴジラ(猫)会いたさに大急ぎで帰宅した。
tonyさん [映画館(邦画)] 10点(2023-12-22 16:39:31)(良:3票)(笑:1票)
9.《ネタバレ》 本作をゴジラ過去作やジョーズ、ジュラシックパークに例えるレビューが多くみられるが、技術系の自分にとっては「プロジェクトX」だった。

元整備兵の橘、元技術士官の野田の存在は言うに及ばず、「海神作戦」に参加した民間企業の面々はまさに戦後「技術立国日本」を支えてきた人達だ。彼らの多くは戦争体験を強く引きずっており、それをバネに戦後の日本を技術大国に押し上げて来た・・・そこには政府の主導も軍事的背景も関係なかった・・・その象徴なのだ。
特に橘は特攻機「桜花」を設計した三木忠直(三木は新幹線の車体設計にその技術を昇華させた)を髣髴させる。橘は自分が特攻機を整備し、兵士を死地に追いやったことを技術者として悔いている「戦争を引きずっている」もう一人の主人公だ。秋津や野田も詳しくは描かれないが、同じ思いだろうことは容易に推測できる。
脱出装置の存在を誰にも気づく形で示していく演出はその為だ。

それはオチではなく必然でなければならないからだ。

ゴジラを殺せたかどうかよりも「敷島が無事脱出できたかどうか」をまず問い合わせる橘・・・
「俺の戦争は終わった」
彼がこういった時、不覚にも思わず涙をこぼしてしまっていた。
本作を非凡に感じるのはその為だ。
zatoさん [映画館(邦画)] 10点(2023-11-26 15:16:35)(良:3票)
8.《ネタバレ》 先に評価を言いますと、まぎれもない傑作です。
ハリウッド版も含めて、ゴジラ映画はそれなりに見てきましたが、
これほど良かったものはありませんでした。
初めて映画館で同じ映画を2回見ました。

以下、個人的に良かった点を挙げます。
●人間ストーリー
今までのゴジラ映画を全て凌駕していると思います。
琴線に触れる部分が多々あり、ジーンとくるシーンもあり、
もし、ゴジラが登場していなくても成立するくらい良い話でした。
敷島は、いろいろなトラウマを克服して自分の戦争を終わらせることが出来た。
典子は可愛いし、芯が通っていて、敷島の力になってくれた。
明子も可愛い。けど、途中、可哀そうだった・・・
でも、最後は良かったね。やっと、本当の家族になれそう。
また、各脇役の人もそれぞれ良い役どころでした。
(特に整備士の橘)
●ゴジラ関連ストーリー
時代設定が良かった。
この時代設定があったからこそ、ゴジラと旧帝国海軍との闘いが可能になり、
まさにこういうのを見たかったという感じで、リアルさ迫力半端なかったです。
開始すぐに巨大化前のゴジラが暴れるシーンも迫力があり良かった。
核実験後の巨大化したゴジラは天災のようにやってきて破壊しつくし、
まさに悪魔の所業ですが、これが、ゴジラの本質だと思います。
●VFX
ホントにすごかった。
戦後の街並みがリアルに再現されており、こういう映像で
話が進んでいくだけで非日常感があり、ワクワク感が半端なかったです。
ハリウッドに見劣りしない映像と迫力で、海での戦いが本当に斬新でリアルでした。
また、ゴジラ映画にはなくてはならない放射熱線は、これは反則レベルという威力で、
すさまじい迫力(音、エフェクト)でした。
●ゴジラ
ゴジラの造形、咆哮は、カッコよく、恐ろしく、まさしくGODZILLAではなくゴジラという感じです。
また、今までゴジラが火力に対して不死身である理由はほぼスルーされていた
と思いますが、今回、その理由がわかる演出もあり納得できました。
●できれば・・・
・もう少しゴジラに陸上で暴れてもらいたかった。
・最後、明子も一緒に「お母ちゃんー」と言って抱きついてもらいたかった。

細かい点では、いろいろあるとは思いますが、はっきり言って誤差範囲です。
文句なしの10点です。(本当はそれ以上の点を付けたいです)
あらちさん [映画館(邦画)] 10点(2023-11-15 23:23:36)(良:3票)
7.《ネタバレ》 敷島さんの台詞「俺の戦争は終わってないんだ!」なんていう、自分では下ろせない十字架背負って、
(死に場所を逃し)生き延びさせられた人たちが昭和にはまだ沢山いた。仲間たちと同じ靖国の英霊にもなれず、
お国のためみんなが犠牲になっているのに自分だけ、特攻せず玉砕せず、おめおめと帰ってきたと後ろ指さされて。

この映画の中ではシンゴジラのような米軍や自衛隊の最新の武装も政治家の力もまったく頼れないまま、民間だけで
作戦を遂行しているのはそういった死に損ないの英雄たちであり、彼らからするとゴジラは、理不尽に命を散らされた
戦友たちの怒りの象徴にみえたかも知れない。だから最後までゴジラを敵視しているというより安らかに葬ってやろう、
としているようだった。
ラスト、すべての男たちが自然に、わだつみに沈むゴジラへ静かに敬礼する描写が、それらすべてを物語っているようで
泣けた。

補足:作戦遂行中の甲板上で、元海軍や技術者のおっさんたちが軍服では無く作業服姿で、強い信念のもと自分の仕事を
 必死にやり抜こうと奮闘している姿は、「プロジェクトX」に見た男たちのようで、日本人の矜持を思い出させてくれました。
みっしぇるさん [映画館(字幕なし「原語」)] 10点(2023-11-09 01:15:52)(良:1票)
6.【24.3.12.追記】アカデミー賞・視覚効果賞受賞おめでとうございます。
個人的には『そうだろうな』と思い、また、『ストーリーも役者さんたちの演技も監督はじめスタッフ全員の心意氣からして最高ですよ』と言いたい作品ですが(笑)。

【以下、レビュー原文】

このレビューを書いているこの時期。全国各地でクマが人間を襲う事件が頻発している事に感情が重なりました。
もちろん現実の猛獣による恐ろしく痛ましい事件と、フィクションのSF映画を同列には語るつもりではありませんが、【人間には叶わない猛獣が明らかな殺害目的で目前まで追い詰めに来る恐怖】が、ふと連想されたわけです。

猛獣に命を奪われる痛みと恐怖が、過去作品と比べて抜きんでている今作。それに留まらず、心身に傷を負っても尚、生きる人々を描けている。それぞれの立場で生き残ったり、逃げて生き永らえたり、生きなきゃならなかったりした人々が描けている。役者さんたちは皆、本当に見事な演技。キャラクター皆に共感できる。

この映画、登場人物もストーリーも闘いも生き方もゴジラも(ゴジラは戦闘力凄過ぎですが脇役にすぎません)、全てにおいて、観客の心に【肉迫】する映画です。

人間がどう生きるか。どう生きたか。【とにかく生きる人間】とか【それでも生きる人間】をまざまざと描いた芝居(≒ドラマ≒映画)は激烈に大好きでして。それが作り手にでも役者にでも見えれば9点。そこから突き抜ければ10点満点というのが私の採点基準。
これ以上の出来は無理だろうから映画館に行けば良かったと後悔した前作・シンゴジラの反省を踏まえて本作を映画館鑑賞したわけですが、

10点としか言いようがない。
役者の魂さん [地上波(邦画)] 10点(2023-11-06 17:53:51)(良:3票)
5.《ネタバレ》 【2024/3/11追記】
アカデミー賞視覚効果賞受賞、本当に、本当におめでとう! やった! 快挙だ!!

【以下オリジナル】
IMAXで鑑賞、大正解でした。
「シン・ゴジラ」が傑作なら、私に取って本作は大傑作です。
やはりゴジラには人類の味方など似合わない。徹頭徹尾悪役に徹すべき。
戦後復興した東京の街が思いっ切り再破壊される描写は、それがフィクションだと判っていても
東日本大震災やウクライナそしてイスラエルでの悲惨極まりない実際の光景を報道で目にして来た身としてはやはり胸が痛む。
神木隆之介の演技を観るのは本作が実質初めて、とても良い演技をしていた様に思う。
彼の事を良くご存知の方には「今更」ながら、今後注目したい。
そして山崎貴。
彼ほど賛否両論がハッキリ別れる映像作家も珍しいと思う。
私は肯定派で、今の日本で彼の様に終始一貫した作風を貫くのは稀有で良い事だと思っている。
次作が有る様だが、主旨替えなどせずこのまま突っ走って頂きたい。
ゴジラは日本が/世界が乗り越えるべき『業』を具現化した存在。
それを如何に乗り越えるかに感動が有る。

追伸
戦時下の日本を礼賛する気は皆目無いのだが、本作で大活躍した旧日本海軍の極地戦闘機「震電」の勇姿には胸が熱くなった。
その独特のフォルムにはあの時代だからこそ成し得た寂寥感に近い何とも表現し難い魅力が有り、
CGとは言え実際に飛ぶ姿に感無量になった次第。
たくわんさん [映画館(字幕)] 10点(2023-11-06 17:51:33)(良:4票)
4.《ネタバレ》  VFXに関して良い評判が多かったので、これは観なければと行って来ました。期待どおり、というかそれ以上の物を観させられ震えました。一方、人間の描き方については、主人公の性格が後ろ向き過ぎてイライラする、というような声も聞いていたので、おーこれが巷で有名な後ろ向きで演技が微妙な神木君か、確かに後ろ向きだねえ、と思いました。帰還兵って、金銭的補償とかは何も無いのでしょうか。ふらっと帰ってきていきなりホームレスみたいになって、憎まれ口をたたかれる。そりゃあきついでしょう。トラウマとか多くの人の死とか貧乏とかで、とにかく生きていたくなくなった訳です。金の為に危険な仕事に就き、過去のトラウマと再会するというご都合主義も、これは運命と受け止めます。今度こそアイツと戦って前に進むぞっってなって、砲撃の腕前も生かされます。銀座のアイツはとにかく絶望的に恐ろしく、戦争からは難を逃れた街並みが、無惨に破壊されます。それがアメリカの原爆が投下されたのと同じように、木っ端みじんなのです。ようやく戦後復興に向けて歩み始めた当時の敗戦国日本人と、平和にのほほんと日々暮らして大画面で映画を鑑賞している私たち現代人の前に、その絶望感が一気に押し寄せ、辛く悲しくなりました。せっかく戦争を終わらせたばかりなのに、まだこの国に大きな試練が与えられるのか。そこで立ち上がった元海軍兵と技術者、学者が奮闘します。先の戦争では、特攻だお国のためだと命を無駄にし過ぎた。戦闘機には脱出装置さえ装備されていなかった。今度は生きる為に戦おう。彼らにとってのゴジラが、得体のしれない怪物から、打倒すべき敵になりました。海神(ワダツミ)作戦も、現代のヤシオリ作戦と比較すると断然力業で、これまたかっこ良かった。東洋バルーンの人達も、好きでした。とまあ、ゴジラの凄みのある造形と、それが迫り来る恐怖感などはもちろん素晴らしい出来栄えでしたが、一般に微妙といわれる人間物語の方も、とても良かったと思います。昔の人って現代人とは違うんだから、きっとああいう喋り方してたんでしょ、って思えば。他にも書き尽くせばきりがない程ですが、三丁目にT-REXが突如現れたみたいな感じが、とても良かったです。褒めてます。
ちゃかさん [映画館(邦画)] 10点(2023-11-06 16:05:28)(良:2票)
3.「恐怖」が、戦後直後の復興途中の東京を蹂躙し、街を“再び”焼き尽くす。
たった一発の絶望的な熱線により、「生活」のすべてが吹き飛び、巨大なきのこ雲が立ち上る様を呆然の見上げるしか無いその“無慈悲”は、まさしく本作の映画世界でこの国が経てきたばかりの悲劇の再演であった。
突如現れた畏怖の象徴を目の当たりにして、立ち尽くす“日本人”の視線は、恐怖感や絶望感を超えて、諦観しているようにも見え、その様が事程左様に無慈悲への拍車をかけていた。
“恐怖の化身”という言葉がそのまま当てはまる大怪獣に対する畏怖の念は、1954年の第1作「ゴジラ」、そして2016年の「シン・ゴジラ」に勝るとも劣らないシリーズ随一のものだったと、まず断言したい。

1954年の「ゴジラ」第1作目から70年、国内製作の実写版としてちょうど30作目となる本作。過去のシリーズ作全作、ハリウッド版やアニメ版も含めてすべて鑑賞してきた“ゴジラ映画ファン”である自分にとっても、確実に五指に入る傑作だった。
正直なところ、7年前の「シン・ゴジラ」があまりにも大傑作だった故に、もうこれ以上ゴジラ映画を製作することは難しいんじゃないかと思っていた。
今年、新作が公開されるという情報を見聞きしても、期待感はそれほど膨らまず、ギリギリまで高揚感も高まらなかった。
山崎貴監督は、その懸念と軽視をものの見事に吹き飛ばし、蹴散らしてみせたと思う。

自らの得意分野であるVFXによる圧倒的ビジュアルを駆使して、観客を映画体験を超えた“ゴジラ体験”に引き込んでみせたことが、成功の最たる要因だろう。
これまでのシリーズ作においても、伝統的な特撮技術や、先進的な撮影手法による魅力的なゴジラ造形や映像世界の構築は多々あるけれど、そのどれよりもゴジラを巨大に、そして“間近”に見せていると思えた。
ゴジラの巨躯と対峙する登場人物及び、我々観客との圧倒的に短い距離感こそが、この体験のエキサイティング性を際立たせているのだと思う。

そしてゴジラが登場する映画世界の舞台を1947年にしたことも的確だった。
過去作でいくつも昭和の日本描写をクリエイトしてきたこともあり、その精度も最大級に高まっていた。精巧な映像世界の“創造”ができるからこそ、それを“破壊”することにおいても極めて高いクリエイティビティを発揮できているのだと思う。

昭和時代の人間模様を描いたドラマとストーリーテリングには、この監督らしい懐古主義をいい意味でも悪い意味でも感じ、台詞回しや演出プランには、ある種のベタさやオーバーアクト的な雰囲気も感じたけれど、その点も“昭和のゴジラ映画”へオマージュを含めたリブートと捉えれば的確だったし、印象深い演技シーンも多かった。
神木隆之介の華奢な主人公感、浜辺美波の圧倒的に美しい昭和女優感、吉岡秀隆の一瞬イカれた目つきを見せるマッドサイエンティスト感、佐々木蔵之介の分かりやすくべらんめえ口調な江戸っ子感等々、愛すべきキャストのパフォーマンスが、本作への愛着を高める要因となっている。


一つ一つの台詞に対する丁寧な伏線回収や、クライマックスの作戦終盤において熱線放射寸前で発光しているゴジラを海中に沈めることで状況をビジュアル的に認識できるようにした工夫など、本作は努めて“分かりやすく”製作することを心がけている。
ストーリー展開や登場人物の心情の少々過度な“分かりやすさ”は、世界のマーケットも見据えた本作の明確な製作意図であることは間違いない。

私自身、ハリウッド版ゴジラの各作品や、国内で制作された“アニゴジ”の3部作、Netflix配信のアニメシリーズ「ゴジラ S.P」の鑑賞を経て感じたことは、世界的なカルチャーアイコンとなった「ゴジラ」に対しては、ファン一人ひとりにおいて「観たいゴジラ映画」があって良いということ。
そして、“ゴジラファン”を経て、クリエイターとなった一人ひとりにおいても、「ゴジラ」をテーマにしたストーリーテリングは、自由闊達にその可能性を広げて良いということだ。
そのためにも、日本国内のみならず、より広い世界のターゲットに向けて、改めて「ゴジラ映画」の魅力を提示し、新たな展開に繋げていくことは、ともて意義深いことだと思う。

「映画作品」としての質や価値を主眼にするならば、本作は1954年「ゴジラ」や、「シン・ゴジラ」には及ばないかもしれない。
ただし、世界中の人々が愛することができる「ゴジラ映画」として、この作品の立ち位置はまさしく一つの「最適解」だ。
鉄腕麗人さん [映画館(邦画)] 10点(2023-11-04 23:39:30)(良:5票)
2.《ネタバレ》 【追加】---------------------------------------------------------------------------------------
ゴジラ-1.0/Cの鑑賞後にレビュー登録したけど、翌々日に何故か作品タイトルごとレビューも削除されてしまった。。。
なので、鑑賞記録として、その時のレビュー内容を記憶をたどりこちらに追記する。

マイナスカラーということで、単にカラーを白黒にしただけではないと思われる映像の見やすさと、モノクロならではの濃淡による映像の奥深さと、画面上から伝わる情報量の制限(絞り込まれる情報)から、こちらの集中力もおのずと高まる。単に怪獣映画としない人間ドラマも良。今回再認識したが、ゴジラの手の表情が実に素晴らしい。基本的にグーとパーしかないのだが、場面場面でのその手の動きが、ゴジラの気持ちを雄弁に語っていて、そこが着ぐるみゴジラでは表現できなかったストロングポイントだ。いやー、傑作はカラーでもモノクロでも面白い。最高!点数は変更なしで10点。
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「シン」で上がったハードルを超えてきたぞ!
ゴジラ自体(造形もろもろ)も良かったけど、テーマもストーリーも良かった。当然役者さんの熱演も素晴らしかった。
敷島のヘタレ具合に初めはイラっとしたが、帰国後の苦悩→希望→絶望→覚悟→再生が見事に演じられていた。
典子も初めは幼すぎる印象だったが、自然と敷島を包み込む母性溢れる存在になっていた。(生きているとは思ったけど、本当に生きていてよかった)
2人のわきを固める野田、秋津、水島、橘、澄子もそれぞれ役者さんがぴったり。
特に澄子はザ・近所のおばさんであり、それを演じる安藤サクラ、さすがです。(ラストで敷島をバシバシ叩く間合いは最高)
人間ドラマは、あれ以上に突っ込んで描いたら話がダレると感じる手前で止めて多くを描かず(最低限の情報のみ)、登場人物のバックグラウンドは観客の想像に任せてもらって良かった。
劇中のセリフもカッコいいというよりは、熱く心に響くものが多かった。

今回のゴジラは、随所でその動き(所作)がなんともカッコいい。
例えば、砲撃を受けて大きく後ろにのけぞるゴジラの上半身の動き、その反動に連動して大きく開く左右の腕の動き、すぐさま「なにうぉぉお!!!」と正面に向き直り、雄叫びあげて戦闘体勢を立て直しガン飛ばす動きなどなど、これまでの日本の歴代ゴジラ達が上半身がギブスで固定されて窮屈そうに硬直している感じ(あえて着ぐるみ感を意識していたのだろう)と違い、まるで人間の格闘家みたいな動き(反応というべきか)をするゴジラの躍動感が人間の恐怖と絶望を煽る。それに、なんと自然で美しい後回し蹴り(尾っぽ攻撃)でしょう。。。

また、口の中の機雷が爆発した時も、相手のパンチがクリーンヒットで顎に入って意識が刈り取られた・・・で、10カウント前に意識が戻り「ゲ、ヤバかった!」と復活したみたいな。
新しい熱線の放射スタイルとそのダメージを自分自身も受けるとか、深海に沈んだ時の「ぴきっ!」と動きが止まる瞬間とか、ああ、数え上げたら切りがない。
ゴジラを下から煽るように見せるカットは「シン」でもあったが、JAWSのように船を追いかけるゴジラの目線が人間と同じという場面も新鮮で面白かった。
当然ゴジラが可愛いわけもなく、造形はこれまでになく醜悪で狂暴になって戻って来た。だけど、動きが人ぽいところが何ともいい。
「シン」はドラマから人間味的なところは敢えて排除していたが、「ー1.0」は逆に人間を前面に出してきたけど、そこに古臭さがまったくない。
「シン」がゴジラの究極と思っていたが、まだまだ新しいゴジラが作れる可能性を感じた。楽しみが増えた。
リニアさん [映画館(邦画)] 10点(2023-11-04 03:09:39)(良:1票)
1.ゴジラの大ファン。
特に一作目は幾度も観直し、尊敬しています。

そんなファンの期待どおり、音楽音響ひびく中にゴジラは現れる。
もう至福のひと時です、最高やなぁ♪
泳ぎ暴れるスピードすごく迫力満点。
複雑な動き切れ味よく、海面の水しぶきも美しい。
ごろんとした頭、自慢の背ビレも光って印象的。
こういうゴジラを見たかった。

お話しももしっかりしており、特撮物の弱点ストーリー、今回は素晴らしかったと拍手。
人間をリアルに描いた事では一作目のゴジラを超えたと思う。
脚本に感心できるなんて、ゴジラの歴史に大きな一歩を刻んだと思う。

戦後の街並みや衣装メークのリアリティもうならされた。
空襲された家やかっぽうぎの婦人など、その時代を大いに感じられた。
神木さん演じる敷島の葛藤の演技も実に見事だった。

他の作品では女優さんが今風の美人で、浮いていて、時代に溶け込んでいない時が良くある。
本作では浜辺さんのメークや衣装、演技も昭和20年代に溶け込んで説得力があった。

そして戦闘機、軍用艦、木船、戦車、トラック、計測機器などサビてて味があってくすんでいて。
どこをとっても見応え満載。
メカ大好きな私も大満足の力作。

上映時間も長すぎず丁度良かった。

ゴジラの響きが心地よい、劇場で幾度も観たい名作。
たんぽぽさん [映画館(邦画)] 10点(2023-11-03 14:20:44)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 119人
平均点数 7.08点
010.84%
121.68%
210.84%
332.52%
465.04%
575.88%
62117.65%
72420.17%
82218.49%
91915.97%
101310.92%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.78点 Review14人
2 ストーリー評価 7.77点 Review22人
3 鑑賞後の後味 7.72点 Review22人
4 音楽評価 8.22点 Review22人
5 感泣評価 7.22点 Review22人
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【アカデミー賞 情報】

2023年 96回
視覚効果賞山崎貴受賞 
視覚効果賞渋谷紀世子受賞 

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