2.《ネタバレ》 映画としてはテンポも良くサクサク鑑賞出来ますが、個人的には久しぶりに嫌悪感を抑えられない映画でした。自分で見たり体験したわけじゃないですが、国際政治・パワーポリティクスはこの映画に描かれている様な甘いものじゃないはずです。原作はチャールズ・ウィルソン下院議員の言い分を諸手を挙げて称賛しているだけみたいで、ほんとに彼の手柄なのか怪しい部分もあるそうです。秘密予算だったため議会が承認した予算がどのように役だったかをいまだに検証できないそうで、それこそ「言ったもん勝ち」というわけです(おまけにウィルソン氏自身も今年亡くなっていますし)。ソ連が崩壊して冷戦が終わったのもすべてアメリカのおかげだという主張がエンタティメント映画の中でこうも堂々と主張されるとはちょっと驚きました。いくら人間味があることを強調したいと言っても、国会議員がコカインを吸引したなんてとんでもない話で、それをあんなコミカルな撮り方で済ますなんて言語道断です。ジュリア・ロバーツが演じる極右の女大富豪も実に不快なキャラで、これでジュリア・ロバーツがいっぺんで嫌いになっちゃいましたよ。 本作はまさに21世紀版『グリーン・ベレー』で、トム・ハンクスはジョン・ウェインの後継者になってしまったのでしょうか。