2.《ネタバレ》 荒唐無稽な洗脳技術については、実はそんなに気になりません。例えば神様や宇宙人の手にかかれば魔法の動画をつくるなど造作もないでしょう(完全にトンデモSFコースですけど)。ゲームルールには従うのみ。問題は攻略法です。あまりに『無理ゲー』過ぎました。ヒントもなく「100の自殺誘発行動に気を付けろ」と言われて、どうしろと。でもゲームに参加した(させられた)以上、文句を言っても仕方ありません。お客様相談窓口は無いのですから。こんな状況でもゲーム攻略のカギ『100のシグナル』を素早く解読した者がいました。彼だけ特別に便宜を図られていたワケではなく、スタート地点は皆同じ。彼は自らの才覚で『情報』を獲得したのです(ただし過程に説得力がないのは困りもの)。このゲームの本質は究極の先手必勝。文句しか言わない人、のんびり屋など即死ですよ(私のことです)。『情報』は『武器』に同じ。悪人として描かれている彼ですが、情報を独占した事を責めるのはお門違いというものでしょう。戦争で敵に武器を分け与える人などいません。それより平和ボケが抜けない主人公たちが愚かだと知るべきです。さてこの構図、「資本家」と「労働者」の関係に見えなくもありません。「持てる者」の圧倒医的なアドバンテージの前に、その他大勢の「持たざる者」が抗うのは困難を極めます。資本主義の問題点を揶揄した社会派の作品だったら恐れ入りますが、多分そんなワケありません。
前述のとおり『無理ゲー』ですから、ゲームとしての面白さは皆無です。しかし『死に方コレクション』として楽しむ手はあります。でも『ファイナル・ディスティネーション』や『ソウ』シリーズのような凝ったギミックや理念も無ければ、ゴア描写も程々。殺しのエンターテイメントとしても、満足いくレベルに達していないと感じます。結論。好事家か橋本環奈マニアでなければスルー推奨です。