1. この『SP』というドラマ自体が、リアリティの欠片もないバカドラマであるということを踏まえて観れば、TVシリーズ&野望篇と比べてそれなりに良く出来ていたんじゃないかな。
脚本は……、まぁ政治への愚痴ですわな。w 多少共感できるところはあります。w
が……、ドラマ内において、あれだけのコトをやらかす動機としては弱いかな。特に尾形の動機は単なる私怨だしね。その他の人間の動機も、一応触れられてはいるのだが、描き込みが浅いのでイマイチ印象に残らず、わかりにくい。さらに、説明不足から公安の動き、上層部の動き、革命派の動きなどなど、全部ぶつ切りでわかりにくい。だから全体像がぼやける。早い話、組織や連携の描き方が下手なんだな。
おまけに、金城氏はよほど『ホームアローン』が好きなのか、今回も有り得ない脱力バカトリックが出てきて、TVシリーズの病院占拠のエピを彷彿させる。いやはや……手摺に掴まったらカッターの刃とか、撒かれた紙を踏んだら糊で滑ってスッテンコロリンとか……本気か?! 「もうツッコむのも飽きたよ!」とは、こっちが言いたいよ、よう子ちゃん。
格闘アクションだけは、誰が監修したのか、かなり良くできている。でもねぇ、実はそれも大きな勘違いなんだよな。よく日本映画は、誰それが「吹き替えなしでハードなアクションに挑戦した!」とかいうのを宣伝文句にしてるけど、観客にとっちゃどーでもいいのよ、そんなのは。ダブルであろうが、カメラワークのトリックであろうが、作品の中でそれなりに見えりゃそれでいいの。そんなことより、ストーリーをしっかり練れよ、いい芝居しろよ、面白い作品作れよ、と。力の入れどころが違うだろ? と。