1.《ネタバレ》 リメイク映画である以上、前作の美空ひばりとの比較になってしまうが、明らかにこっちの方が劣る。
原作の小説にはむしろこの映画の方が近いのかもしれない。学生と踊り子の身分の違い、結ばれるはずはない当時の気風を引き立たせるため、現代の若者(ここで浜田光男が登場)の自由な恋愛との違いを出している。この点はプラス評価。
しかし何といってもミスキャストに近い布陣、大坂志郎と吉永小百合の兄妹では年齢の差がありすぎるし、学生役が高橋英樹では元気がありすぎる。浪花千枝子も栄吉、千代子らをさしおいて出しゃばりすぎに見える。
また一番の問題点は、踊り子吉永小百合が明るく健康的すぎることか。ただし終盤の踊りは踊り子らしく良かった。
ラストの岸壁のシーンはまさに文芸作品がメロドラマになったようだ。