4.《ネタバレ》 『アメリカ人以外は全て哀れな弱者か愚かな敵!』と言う清清しいまでにアメリカ万歳な映画。
各国首脳人が集まるような大イベントだろうが『イギリスの警備体制は限界、敵は年単位で準備してきた』の台詞だけで、『絶対に準備段階でバレるだろ!?』と言う大掛かりな暗殺計画を(ヒーローなアメリカ大統領を除き)見事に成功。
そもそも首脳陣が集まるきっかけになったイギリス首相の死も『よく調べたら暗殺だった』と、『それ一番先に気付かなきゃダメなヤツじゃん!?』と、アメリカ人ではないゆえにさらに無能を加速。
SAS隊員も、昨今の映画では『特殊部隊』と付けばそれなりにプロっぽい動きや活躍をするのだが、本作では残念ながらアメリカ人ではないので、無能な突撃を行ってバッタバッタとやられていくと言う90年代のようなノリ(一応全滅はしなかったのでアメリカ人で無い割には健闘したほうだろう)
そんな素晴らしい手腕を発揮した敵のボスも、アメリカ人ではなかったばっかりに、『複数あるペーパーカンパニーの内、全く機能していないのにやたら電気を使っている廃工場がある、ここがアジトだ!』と、『そんなツメのあまい奴がこんな大規模な暗殺計画を秘密裏に成功できるとは思えないが』とご都合弱体化。哀れ非アメリカ人。
あまりに圧倒的ではつまらないとスタッフも感じたのか、申し訳ない程度に倒されるモブアメリカ人、主人公や大統領(もちろんアメリカ人)も申し訳ない程度には負傷する(ただし元気に動きまくる)が、全ては『たとえ傷付けられようが立ち上がる!』と言うアメリカンスピリッツを表現する土台になっている。
そして最後は無事大統領を救出し、主人公もモブたちも大歓喜。アメリカ以外の国はトップを暗殺されてお通夜状態だろうが関係ない。だってアメリカ人じゃないし。
・・・と言った感じの、80年代や90年代に良くあった『アメリカ凄い!アメリカ最高!』路線を愚直に貫いた作品。
ストーリの粗や満載な突っ込みを気にせず、ひたすら『スーパージャスティスアメリカンスピリッツ』を感じたい方にはおすすめ。