8.敗軍の将とその世継ぎ姫が、農民二人を巻き込んで適中突破を謀る娯楽大作。
コメディーパートは農民役の二人が担っているが、基本的にはストーリー映画で、
アイデアは抜群にいいのだが、結構粗も多かったなというのが率直な感想。
雪姫は黒澤監督が一年がかりで見つけた役者さんらしく(ホントかいな)、
目力があって勝ち気なキャラにはぴったりなのだが、しゃべるとドラマが台無し。
他にも馬上での戦闘シーンはいいのだが、殺陣に迫力がなかったり、
火祭りや群衆のシーンは見応えたっぷりだが、古い子供向け特撮のような演出があり、
とちょっと首を捻るシーンがある。一番わからなかったのは、唐突に登場する敵方侍大将の存在。
主人公とは旧知のライバルらしいのだが、クライマックスのシーンはあれでいいんだろうか?
あまりにも安っぽい展開で、個人的にはそれまでの面白さが消し飛んでしまった。
普通のエンターテイメント作品として鑑賞すれば十分楽しめるだろうが、
この内容では時間もちょっと長過ぎる。プラスマイナス平均点といった印象の作品だった。