6.まー一応5点にしとくけどさー。昔から思ってるんだけど、これ反日映画じゃなくて、エキゾチック・ジャパンの路線ですよ。言ってみれば反日ならぬ(なんかズレてるって意味で)半日映画ですな。この映画を見てトサカ立てちゃう人はちょっとどうなんかなあ…とりあえず純日本資本の『カブキマン』の批判やってた方が建設的だと思いまっす。
…とはいえ、それ以上に映画としての問題点はメチャ多い。『ライトスタッフ』『存在の耐えられない軽さ』で自然光の軽妙な使い手として認知されたカウフマン監督。彼の栄光のキャリアが撃沈された、バルチック艦隊のような映画です。コネリーもスナイプスも大根役者に見えちゃうし、画面造りがヘボすぎて「どうして彼がこんな絵を…」と頭抱えること必至。原作では唯一の味方系ヒロインだったアサクラも、なんか日系人じゃなくなってるし…とはいえ、キャスティングの段階で妨害があったと報じられたのは事実だし、シナリオも原作に比べると書き換えまくりで随分大人しくなっていて、西欧のミステリで唯一、松本清張路線の(というかクライトンは明らかに清張を狙って書いてるから私ぁ許してます)どす黒さを持ったストーリーが随分と軽くなってしまった。これじゃー毒にも薬にもならんですよ…いろいろありながらも何とか完成したという、その苦労を加味して5点とします。