1.《ネタバレ》 飛行機にて鑑賞。
原作に極めて忠実な作品。原作のあのどうしようもない冗長な感じがそのまま映画で再現されていて、それはそれで原作へのリスペクトを感じたが、原作を知らない人が見たらさぞ間延びした映画に感じられるだろうと思った。
また、自分が何をしたいのか、何をしたらよいのかわからないまま、男に支配され、違和感を感じるけど何もできない原作の主人公像が、映画でもそのままに描かれていて、もちろんそれはそういう作品なのだから仕方がないことだが、あまりの視野の狭さに正直ストレスを感じる。
そしてそういう女の主人公の目線から描かれているだけに、出てくる男どもは何を考えているのかさっぱりわからないように造形されていて、それももちろん原作を踏襲しているのだが、男の目で映画を見ると、主人公以外の人物がまったくもって意味不明にしか見えないのだった。
原作をよく知っていて対比して楽しめる人には勧められるが、そうでないならば、極めて限られた年齢・性別の人にしか勧められない映画だと思った。