1.《ネタバレ》 レーザーディスクにて図書館で鑑賞。
LDってのは、あの重さ、あのデカさがとにかく個性的で、リッチな印象がある。
さて、本作について。
1980年代の邦画最強の1本ということで、かなり期待して観たが、残念ながらその期待を上回ることはなかった。
子供が主演で、実にうまい子役だとは思うが、子役に頼り過ぎ。
俳優や女優の深みのある演技や、若手俳優や女優のフレッシュ感とかが映画の良し悪しを左右すると思っているだけに、これだけ子役に出ずっぱりをやられちゃうと、感心はするが、どうも映画としてはいまいち楽しめない。
ただし、蟹をマッチで焼く子供ならではの残酷さ、子供が売春行為を目の当たりにしてしまうことの背徳感は、モノクロの泥臭い映像と相まって、心に強く突き刺さった。
小栗康平がこの1本目で賞を総なめにして監督デビューするが、この作品で過大に評価されてしまったのではないか。
その後の作品も『死の棘』を除いて良いと感じた作品もなく、ここまで賞を与えてしまった功罪というものを考えずにはいられない。