8.《ネタバレ》 最初の章を見ていると、この調子では全編見るのがちょっと大変だと思っていたが、次の章は少し気が抜けた感じで助かった。題名のキスが男女間で行われたのはいいとして、もしかしてこれを同性間でもやるのかと思っていたところ、終盤に至ってついに関西弁の男がやってしまったのは見たくもなかったが、接触部分が隠れていたので最低限のところはクリアしている。宮崎あおいがやったのは可愛らしいので当然許せる。
全体としては共通場面を設けながら登場人物の関係変化を多角的に描写し、その過程で背景事実も明らかになっていく構成が面白い(原作由来だろうが)。これで結構見た甲斐があると思わされる映画ではあったが、しかし劇中で行われていること自体に共感する素地が全くないのは残念である。ちなみに話す人物の顔が近すぎるのは耐えられない。
それよりこの映画では、少女マンガ原作にふさわしい美形の男女ばかりでなく、脇役に個性的な登場人物を揃えていたのが部外者的観客にとってはありがたい。特に関西弁の男に関しては、すぐ隣にこんな可愛らしい女子がいるのに何で男の方ばかり見ているのか、馬鹿ではないか、という思いが募るのだった。こういう感じの登場人物が出るほのぼのラブストーリーを見たかったとどうしても思ってしまうわけだが、そういうことを言っているようではそもそもこの映画を見る意味がないということだろう。無理に見てもらわなくていいと言われそうだ。どうもすいませんでした。