1.涙がだだ~っと出る感動作らしいと聞いていたんだけど、ちょっと違っていた感じです。映画の中の裕福な白人夫婦(アダム・サンドラーとティア・レオーニ)はヒスパニック系の使用人にも人として平等に接しようとし、子供の教育問題にまで手を差し伸べようとする。しかし、それは実は裕福であるがゆえに満たされない自分の中の何かを埋めようする妻の偽善であったり、不仲の妻との間で愛情に飢えた夫の下心の裏返しであったりする。善良で進歩的な白人夫婦と高潔な(そして美人の)ヒスパニック系シングルママの心温まる交流が描かれ、口当たりの良いホームドラマのようでいて、そうしたアメリカの裕福な白人の偽善性や豊かさの中で満たされない飢餓感のようなものも毒味として盛り込まれている。アメリカでは結構ヒットしたそうですけど、「そうだよ。俺たちは貧しいけれど心まで貧しいわけじゃない」というメッセージにたぶん「下流社会」の少なからぬ人々が共感したのかな。