1.《ネタバレ》 少々バラつき感があり、難解な印象もあるオムニバス作品。
その難解揃いな作品群の中にあって、難解な作品を連発してきた“ジャン=リュック・ゴダール”の作品が、一番解りやすかったというのは、ちょっとした驚きというか、皮肉。
本作の中で一番良かったのは、フランク・ロッダムが監督で、ブリジット・フォンダが主演した"Liebestod"という短編。
若き美男子と車でラスベガスに向かい、ホテルで情事を交わし、ブリジット・フォンダが自らの腕を割れた瓶のかけらで傷つける。
これだけの内容だが、これが凄まじい映像美!
ブリジット・フォンダが、ラスベガスに向かう車内で、涼しげに髪の毛をなびかせ、哀しげな横顔を見せる序盤から、既に映画でしか表現できない美しさを感じた。
この一本を観ることができただけで、他が駄作でも許せてしまう。
それだけ素晴らしい掌編だった。