2.《ネタバレ》 「迷うな、躊躇うな、一歩も引くな!」まではカッコイイ!しかし、「全ての責めは、この長谷川平蔵が持つ」って…。
持つのは責任、責めは負うものじゃないか?どうなの、天国の池波正太郎先生?
ま、それはそれとして、この映画版長編の痛いところは、やはり極力原作通りという、生前の池波さんの意向に沿っているためか、オリジナルは出来なくて、いくつかの作品を繋ぎ合わせた感が否めないところであろう。特に、狐火の話は、お豊・菊右衛門事件にはほとんど関係ない。それに加えて、白子の菊右衛門が、「只々悪人」的な感じで、鬼平の世界の登場人物としてそぐわない。鬼平の面白さは、悪人にだって「人としての苦悩や、良き心、業」などがあり、それらが巻き起こす「人のドラマ」なんだと思っているのだが、お豊、狐火は別として、この菊右衛門には、そういった部分が見えてこない。
まあそれでも、好きな(TVシリーズと云えども)シリーズの映画版は、いつものメンバーの活躍を見れるだけで嬉しかったりするので、点は甘めで6点。