5.《ネタバレ》 A・ヘップバーンとW・ホールデン、1954年のオスカー主演賞コンビのコメディとして肩の力を抜いて観賞。原作にJ・デュヴィヴィエが名を連ね、T・カーティスやM・デートリッヒのカメオ出演などスタッフ・キャストが豪華。パロディ精神と遊び心いっぱいで、脚本家の仕事ぶりを見せながらの展開が楽しい。リックの役名からしてもうミエミエだね。おまけに、D・マッカーサーの名セリフ「老兵は死なず・・・」をもじって「老兵のように消える」とは恐れ入った。「完璧な人間はいない」のセリフもお馴染み。少し老けたホールデンが、オードリー相手に脚本の場面を力説してブローニュの森へディゾルブ・・・気楽に観られるものの、どこでパロディが現れるか気が抜けない。
理論派気取りの俳優役カーティスが笑わせる。感情移入や自己陶酔、品のなさとメチャな言葉遣いを批判という、ヌーベルバーグやニューヨーク派に対するハリウッドの対抗意識をちょっぴり味付け。N・リドルの洒落た音楽も結構でした。