2.《ネタバレ》 特殊能力者の話は結構あるが、この話は所謂超能力ではなく、超計算能力ともいうべきもので、人間スパコンなんだなというように理解した。現実の世界では機械の計算力が上がって、我々が恩恵を被った最もポピュラーなものはおそらく「天気予報」だろう。だから、この気象を予知できる能力というのはギリ納得できる感じだ。もっともセンサー部分に関しては謎だけど。
桜井君に対してドライアイス的な気流を流し込む映像は説得力があったが、肝心の二つの殺人事件の再現をしてくれないのは不親切だ。これは純粋なミステリではないので、物語の主軸がこの映画監督たちの話に持ってかれるのはしょうがないけど、東野圭吾作品であるからそういう部分は期待してしまう。
犯人である映画監督の論理があまりに稚拙で、ちょっと萎える。最後の監督の独りよがりな論理に対して、息子の言う「一人一人が原子」の話は、もうちょっと前に伏線的に表現されていればよかった。
それにしても、主人公の一人、すずちゃんは当然としても、研究室の助手、怪しい教授の助手、プロデューサーの若妻と、美女しか出ないな、この映画は。