2.ダニー・デヴィートの六頭身ぶりは少々誇張してるのか、ほとんど畸形に見える。経済問題がらみの話だと必ず日本への言及があった時代だった(今なら中国か)。それがまた判で捺したように釣り合いが取れている。「そのうちクリスマスも買うんじゃないか」というジョークが一方にあれば、もう一方でやけに真面目な顔になって「見習うべきところは見習わねば」となる。この両論を立てるだけって姿勢はあんまり建設的ではない。そういう釣り合いがラストの演説でもあるわけ。でもこっちのほうは聴き応えがありましたな。グレゴリー・ペックが、伝統やら情やらに訴える演説をしたあとで、デヴィートが理に則ったのをする。善悪の対立でなくなっている。本当ならこの対立をタタキ台にして、そこからドラマを生んだほうが正しい道だった。