27.《ネタバレ》 暗~いこの独特な雰囲気、やはりというか地味なハリウッドの俳優と監督を起用しているがプロデューサー以下の製作陣とロケ地はスペインで、どうりでスパニッシュ・ホラーのような雰囲気が漂っていたわけですね。良心の痛みがドッペルゲンガーを通して具現化されちゃうというのは、古くは20年代の『プラーグの大学生』を筆頭に良く使われてきたプロットですが、そこに不眠症を絡ませてきたのが新しいところですかな。一年間も眠れないというのは現実にはあり得ないし(速攻で死んじゃうでしょう)、実際の不眠症状だって多少なりともレム睡眠的な状態になって人体を維持しているものです。なので『地獄の黙示録』のカーツ大佐みたいなアイヴァンが妄想的な存在であることは、観てればすぐ判る。でもオチを知って感心させられるのは現実と妄想のシームレスな見せ方で、このストーリーテリングは素直に上手いなと感心しました。 そして何と言っても壮絶なのは、まるでアウシュビッツの囚人みたいなクリスチャン・ベールの激やせっぷりです。ストーリー上でも不眠症になる前のベール=トレヴァーの姿をちょっと見せますから、この対比は凄いの一言です。きっとこのシーンは、ベールが役作りに入る前にいの一番に撮ったんじゃないかな。思えばこれがいまやクリスチャン・ベールの代名詞ともなった肉体改造の始まりなんですが、劇中で肉体改造のビフォーアフターを見せたのは本作だけだったんじゃないでしょうか。でもあれだけ骨川筋衛門になっても体重が55キロっていうのも、ある意味凄い。やっぱこの人は骨が太いんでしょうね(笑)。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-02-10 23:08:30) |
26.《ネタバレ》 こういうダークな雰囲気の映画好きです。クリスチャン・ベイルの激痩せっぷりも凄いし。ただ、ストーリーとしてはもっと面白く出来たのでは…。 【ゆっきー】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-05-06 12:50:12) |
25.罪の呵責によるひどい錯乱。 罰を受けてない罪とはこんなにも人を破壊するものか、と唖然とするほどに 激ヤセ、幻視、焦燥、、、 さだまさしの償い、 龍が如く4の冴島大河、 あたりを思い出しつつ、 向き合うことの怖さと向き合わないことへの怖れを味わえました。 【元祖】さん [インターネット(字幕)] 7点(2018-03-28 10:40:15) |
24.《ネタバレ》 アマゾンプライムで鑑賞。クリスチャン・ベールの激ヤセぶりが目当てで見ました。まぁこの映画では痩せた事よりも1年間寝てないのは何故?の方が主題だが、人間、良心の呵責に苛まされると1年間も眠れなくなるのかと思うと、毎日ぐっすり寝ている俺は何なんだと逆に良心の呵責を感じた。確実に寿命を縮めたであろうクリスチャン・ベールに+1点。 【ぴのづか】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-12-31 19:13:11) (笑:1票) |
23.《ネタバレ》 ○主人公が幻想を見ているのは、割と序盤で分かるのだが、それを逆手に取った演出だった。○色調も見事で、作風とマッチしていた。 【TOSHI】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-10-29 23:14:44) |
22.《ネタバレ》 脳内オチ系の話であることは冒頭から察しが付くのですが、監督もそこを隠すつもりはなく、観客にあらゆる点を疑ってかかられることを想定して全体が組み立てられています。オチを隠そう隠そうとして失敗する作品が多い中で、本作はある程度の割り切りのもとで作られているため、作り手と観客との間での温度感の差ができていません。これは見事な判断だったと思います。 虚構と現実の混ぜ方がよく、観客の先読みをうまく利用して仕掛けを作っています。例えば、主人公を取り巻く女性たちの扱い。本作には2人の女性が登場しますが、この手の作品を見慣れている観客ほど、主人公と二人っきりでの登場場面しかないスティービーを妄想の産物であると疑うのではないでしょうか。ネタが割れてしまうと、スティービーは物語の真相とは無関係なデコイであることが分かるのですが、そこにジェニファー・ジェイソン・リーをキャスティングし、ヌードまで披露させて何かしら重要なキャラクターであると錯覚させた辺りの騙し方はうまいものだと思いました。 細かい点では、何気ない日用品に現実と妄想との間の橋渡しの役割をさせている点も興味深く感じました。例えば冷蔵庫。あれだけガリガリに痩せたトレバーはこの1年まともな食事をとっていないことが推測され、ならばあの冷蔵庫は1年間ほとんど開かれていないはず。トレバーの生活において冷蔵庫はタイムカプセルのような役割を果たしており、その中には彼の妄想の源流となる何かが詰まっていると見せかけているのです。観客の深層心理においても、しばらく開けていない冷蔵庫には底知れない気味の悪さがあります。外食が続いた後で久しぶりに冷蔵庫を開くとカビの生えたごはんですよが出てくるような経験は誰もが身に覚えがあるだけに、開けてみたいけど、中にはとんでもなく怖い過去の遺物が眠っていそうで開けたくない、できればフタをしたままにしておきたいというトレバーの心境とうまくシンクロさせています。 そんなミスディレクションの一方で、妄想に入る前には主人公がうたた寝をしかける描写を毎回きちんと入れており、演出面でインチキをしていない点が好印象でした。物語は一定の法則性の中で描かれており、すべてのピースがきちんと嵌るように作られています。監督は自分自身に制約をかけて「なんでもアリ」を許していないため、見終わった後にも納得感の高い作品となっているのです。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2016-01-26 16:22:12) (良:1票) |
21.《ネタバレ》 やはりなんといってもクリスチャン・ベールの激やせっぷり、これに尽きますね。特典映像を見ると、どうやって痩せたかについて「断食、それだけ」と語っている。断食だけであそこまで痩せると言うのは、もうほとんど即身仏ミイラの域ですね(笑)。俳優としての彼の熱意には頭が下がるし、そしてまた、この脚本にそれだけ入れこむ価値があると感じたのでしょう。ストーリーは暗く、とても一般受けしそうな内容ではないのですが、ごく一部の人にだけ強い支持が得られそうな、そんな作品。個人的にはこういう精神崩壊系の作品は好きなので、一つのサスペンス映画として楽しく観る事が出来ました。勿論、結局はよくある妄想オチなので、またそれか~って思っちゃう人も多いでしょう。でも、その他の妄想オチ作品よりも、この作品は特筆すべき出来映えになっていると思います。晴れの日が一つもなく、いつもどす黒い雲が空を覆っている。それはいってみれば、トレヴァーの精神世界そのものであり、彼は1年も不眠が続いているといってたけど、おそらくはこの1年、晴れの日を見なかったんじゃないかと推察される。男の子をひき逃げしてしまったことが不眠&激やせの発端であることが後にわかり、それが種明かしとなるわけだが、それ意外にも、彼を取り巻く人たち、工場で働く人々や娼婦、あるいは自分自身の境遇など、全体的に抑圧や空虚さ、生きにくさみたいなものが細かく描かれていて、おそらくトレヴァーは、ひき逃げが発端ではあるんだけども、彼の境遇や周囲の人たちとの関わりといったものが、その妄想世界を拡大させていってしまったのではないだろうか、と感じさせられる。それが描かれているから、妄想オチの設定そのものに頼るだけの他作品と違い、言いようのない暗さが強く共感出来る要因になっているのではないかと感じられるのだ。勿論、クリスチャン・ベールの熱演も大事なファクターの一つなんだけども。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-07-16 20:48:31) |
20.《ネタバレ》 この手の映画って、もうたくさんあるんですね。ここ数年、映画から離れていて、最近また見始めてるので、知らなかった。なので、すご~く面白かった!冒頭の死体遺棄シーンが、不眠の理由ってずっと思わされて、うまく騙されました。妄想と現実が入り乱れていることにも、なかなか気が付けなかったし。ただ、腕を切断された同僚とか、急に車に飛び込まれちゃったママとか、主人公の言葉に傷ついた彼女は、現実の方だった(合ってる?)のがつらい。 【おおるいこるい】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-06-09 13:09:06) |
19.《ネタバレ》 映画全体に漂う湿った雰囲気が好き。クリスチャンベールの演技に対する体の張り具合はデ・ニーロに匹敵する。まぁそこで頑張りすぎた分、映画の印象が激痩せ一点に絞られがちだが、実は脚本も悪くない。まぁ結局は妄想オチなんだが、罪悪感や孤独感が異常に強い人間の感情を上手く表現してると思う。 【関白宣言】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-10 14:15:48) |
18.《ネタバレ》 面白かった。 5,60年代の映画を意識したような雰囲気作りが昔気質のサスペンスをうまく作っていたように思う。 派手に伏線を張って最後の5分で回収するような作りではなく、最初から虚実入り交じっていてどう収束するかという直球勝負の映画だった。 クリスチャンベールの激痩せに話題がいっているようだが、相当に練られている一本であると思う。 一見幻想や幻覚という、サイコサスペンスもののように作られているが、実は主人公が全く寝ていないのではなく「居眠りをしている(ことに本人が全く気づいていない)」というところがよりリアルで秀逸ではないか。 本編で起きる事件すべてが居眠りをしているときみている夢で、罪悪感とその疲労が作り出した願望であったというプロットはよく考えられている。一見夢オチな訳だが、それまでの筋をなかったことにして見かけ上のどんでん返し感を出す手法として、手を変え品を変え使われる最悪の手法と同じ材料を使っている。しかし実際は夢を使ったオチであるが、夢オチとは明らかに違うという技法は幻覚や精神障害で物語を作るよりもかなり難易度が高いと思うしかなり挑戦的ともいえそう。 DVDのおまけに入っている削除シーンだけでも話が変わってくるが、全く筋も雰囲気も違う映画を何本も作れるような、切り貼りでいくらでも構成できるよう脚本に分岐があるように感じた。 確かに没シーンで作られるような筋の映画はよく12チャンの昼とか夜にやってる。 その分岐の中で最良のものが選ばれているんだと思う。 それから台詞やメモにも役割があるようなので、字幕より吹き替えの方がいい。 肝心なときに関係ない文字を読んでいると上の空になって雰囲気が元の作品からかなり離れてしまうと思う。 吹き替えの方が集中でき、雰囲気に大差は出ないのではないかとも思う。 【黒猫クック】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2009-05-10 03:00:28) |
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17.《ネタバレ》 宣伝文句の通り、確かにルール破り。しかし大した前知識もなく見た割には、「この映画はどれが現実でどれが妄想なのか、予想しながら楽しむ映画なんだろう」とすぐに気付いたので、すんなり楽しめました。で、思ってた以上に騙された。妄想含めて好感の持てる人物ばかりだし、後味も悪くありません。繰り返し見たくなる映画です。 【にしきの】さん [DVD(吹替)] 7点(2008-09-07 05:19:09) |
16.《ネタバレ》 やられた!が正直な感想ですかね。なかなか面白かったと思います。6点と言いたいところクリスチャン・ベールの激痩せに1点追加。しかし、あそこまで痩せれるなんて凄いですね背中の骨なんか浮き出てましたよね。 【SITH LORD】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-08-17 08:15:01) |
15.《ネタバレ》 クリスチャン・ベールは本当に素晴らしい役者さんですね~。 「アメリカンサイコ」を見てスマートな彼にホレてましたが、 今回はあの時のスマートさとは別の意味で本当にスマートすぎて怖い。 『ひたすら絶食』のおかげで超不健康な人になった彼に何より拍手したいです。 映画のストーリーには最後のオチにちょっと消化不良気味。 雰囲気や見せ方がとても良かっただけに、本当に残念でなりません。 例えば、トレバーやスティービーのような影を持つ人間を撮る時には 部屋や工場などをどことなく暗くて歪んだ「負の空気」の漂わせ、 逆にそれ以外の人物が絡む街中や刑務所の白さなどはまさに正反対だと思います。 『見せ方・撮り方』が秀逸だったおかげで、ストーリーにもメリハリが出来て 目が放せない状態になっていたことは間違いないと思います。 「メメント」を超える作品という前評判を聞いていたのですが、 ストーリー的には私の中でメメントを越えるほどではありませんでした。 ただ、役者魂の面ではクリスチャン・ベールに余裕の軍配です。 彼によって完成された映画と言って過言ではないと思います。 |
14.《ネタバレ》 役者と監督のやる気が伝わる、いい映画だったと思う。 ただ、妄想ならばなんでもありというわけにはいかないのではないか。 デイビッドリンチの世界とかなり近い感じがするけど、リンチの描く世界は、混乱しているようにみえて実はきちんと調和が取れているのに対して、本作は辻褄を合わせるために綺麗にまとまりすぎている感じがする。 だからオチが分かるとちょっとガッカリという気がする。 でも、消したい記憶と消えない記憶という都合のいい人間の記憶のプラグラムに対して、「良心」という計り知れないものを掛け合せた世界を描いたという点は評価できる。この監督には注目したい。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-09 17:18:52) |
13.《ネタバレ》 クリスチャン・ベールがいったいどうやってあんなにまで痩せることができたのか?それがこの映画の最大の謎ですね~一度観てしまうと二度は観れないタイプの映画(シックスセンス、エンゼルハート、などなど)ではあるけれども、暗いというだけでは説明のできない映像が素晴らしくて、わたしはまた観ちゃうかもと思いました。ストーリーは今ひとつではあるけれど、クリスチャン・ベールの演技には本当に鬼気迫るものがあり一気に観てしまった。ただあの冷蔵庫をなんで開けないの?いったいいつになったら開けるの?とそればかりが気になってイライラしました。それも演出なんでしょうね。 【はちかつぎひめ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-06-11 09:38:00) |
12.《ネタバレ》 世界観が素晴らしい!暗く冷たいトーン、陰鬱な機械工場の描写、不気味な登場人物におどろおどろしい遊園地のアトラクションと、主人公が抱える心の闇を見事に反映した精神病的世界を作り上げています。勿論クリスチャン・ベールの驚異的な役作りは言うまでもないが、更にそれを物語の空気にマッチさせ完璧に使いこなした演出力は偏に監督の才能と言えるでしょう。しかしながらベールの異常なまでの演技に対する執着心には言及せねばなるまい。まず30キロも減量して大丈夫なのか?というか、どうやってそこまで体重を落としたのかということが気になります。監督も撮影中彼が死ぬのではないかとヒヤヒヤしたことでしょう。見た目から言えば2003年にオスカーを受賞した『モンスター』のシャーリーズ・セロンに匹敵する、若しくはそれ以上の凄みがあります。ただこの映画、残念ながらストーリーに何の目新しさも感じられないんですよねぇ。本編に散りばめられた謎を解く鍵を拾い集めながら、頭の中で捏ね繰り回して、最終的に提示された答えに妥協して「まあ、こんなものか…」と納得する。大した驚きも無く、残されたのただ悪夢から目覚めた後のような開放感だけ。悲しくて、虚しい…。でも不思議なのは終始同じことの繰り返しで前進していないように見えて、最後の最後まで飽きさせないことですかね。ついつい見入ってしまうパワーがあります。 【かんたーた】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-03-30 21:36:11) (良:1票) |
11.なんで生きてるのか不思議なくらいの痩せっぷり。にしても365日間も一体なにしてたんですか。独特の世界観の映像でした。 【ネフェルタリ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-01-13 17:22:22) |
10.《ネタバレ》 現実と非現実(妄想)が混じりあう不安感や酩酊感を煽る演出のさじ加減は絶妙。そこだけ見れば、「メメント」や「ジェイコブズ・ラダー」、「マルホランド・ドライブ」等と言った先行作品にも比肩する出来。 その演出の上手さもあって、途中までは食い入るように見てしまったが、残念ながら「何か新しい事をやってくれそうだ」という期待はやはり叶えられなかった。 少しは何か工夫があるだろうと思っていたが、結局と言うか、やっぱりと言うか、「罪の意識に苛まれていた男の脳内妄想」と言うところで、「ま、これしかないな」と妥協しちゃった感じ。 「妄想オチ」というだけでは、さすがに今となってはありがちだし、何より辻褄が合わない部分や無理が出てしまっているのが問題。遊園地でのデートすら「全部妄想でした」で片付けてしまうのはさすがに無理があるし、それを許してしまうと、作中で起こる出来事のほとんどが何でもアリになっちゃう。 遊園地の乗り物「ルート666」の不気味さや、事故を示唆する意味深な演出の数々が良く出来ているだけに、オチの弱さが際立ってしまっているのが残念。 確かに後になるほど、特にこの手のジャンルはアイデアが先取りされていくので、どうしても模倣になってしまうのも分かるが、もう少し工夫と冒険をして欲しかった。 「セッション9」もそうだったけど、恐怖面の演出は上手い監督だけに、今後に期待する意味も込めて7点献上。 【FSS】さん [DVD(吹替)] 7点(2006-01-03 02:56:05) (良:1票) |
9.けっして浅くはなかったけど、ちょっと理にかなってなかったのでこの点数です。 【タゴール】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-12-09 03:48:27) |
8.真新しさはない話なのかもしれませんが、主人公の生活や住む町の様子がよく分かるので引き込まれました。また美術が綺麗で抑え目の音楽も効果的だったと思います。大袈裟に風呂敷を広げるサスペンスが多い最近の映画の中で、地味ながら丁寧な作りの本作は好感が持てました。いい映画だと思います。 【5454】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-21 02:04:42) |