1.《ネタバレ》 原案が戸板康二、監督・脚本が山本嘉次郎ということで、しっかり時代劇しています。助六・権八・播隋院長兵衛といった、歌舞伎のキャラクターを登場させているところも、それらしい。お話がちゃんと作られているので、安心して楽しめます。助六の調子の良さや、やることなすことうまく行くあたりも、時代劇の「お約束」的なご都合主義があるので、不自然にならずにすんでいます。善玉悪玉がはっきりしているというのも、プラスに働いているようです。無責任シリーズとしては異色作かもしれませんが、私のようにこのシリーズを特に好んでいない人間にとっては、むしろとっつきやすいかもしれません。ということで、意外と一般向けかもしれません。一番の不満は、ヒロイン役の団令子が時代劇に向いているとは思えないこと。藤山陽子サンの方がよかったかも……。