2.《ネタバレ》 今まで考えたことなかったけど、確かに権利を保証し実現するためには法律から変えないとダメなわけで、リンカーンが成し遂げたことがどれだけ偉大だったのかに改めて思い至りました。
そして、リンカーンの人物像の描き方が秀逸。
ダニエル・D・ルイスの熱演もあり、実際はどうかはわからないけど、本当にこういう人だったんだろうなと思えました。
普段は寛大で穏やで、逸話や小話で人々を笑わせたりするけど、いざという時の決断力と意志の固さ、時には側近さえも欺くしたたかさ。
家庭内では問題を抱えてる一人の夫であり父親。
魅力的な人物像でした。
妻役のサリー・フィールドも素晴らしかった。何を演じても上手いです。
頭が良くて毅然とした態度で夫を支えてる賢妻と、息子を亡くした痛みから立ち直れない弱い母親の両面を上手く見せていました。
トミー・L・ジョーンズも、偏屈で敵だらけの頑固老人を演じてて良かったです。
修正案可決のためには欠かせない人物であり、彼が何故人間の平等を唱えているのかが終盤明らかになりしみじみしました。
ショックだったのは、ロビイスト役のジェームズ・スペイダー。
最初見たとき、どうかスペイダーではありませんように、と願ったのですが本人でした。
美しかった面影はどこへ・・・。
それにしても、今のアメリカ大統領を、リンカーンの時代の奴隷制度支持者たちが見たらどう思うでしょうか。