7.《ネタバレ》 ストーリーの中に、水中に潜る・高所に登るなど舞台の高度差を組み入れてストーリーを構築するところが前作にも通ずる巧さ。
前作のスカイダイビングに相当するのが、今作でのゴンドラの滑落といった具合だろう。
上昇ー下降の動線を踏まえながら物語を作っているのがわかる。
冒頭の潜水や下水管の移動は、中盤の水攻めを通して前作との繋がりも強調する。
蘇生装置のギミックは、種明かしの説明だけでなく、実際に活用するシーンをつくって反復してみせることで
より説得力を付与する。これも的確な処理だ。
追跡装置を女性に仕込むのに躊躇う主人公は後ろ手で装置を隠す。
その後ろ手は、クライマックスの宿敵との格闘で今度はフェアに戦う為の所作として昇華される
という具合に、様々な反復のテクニックも充実している。勿論、輪投げやゴンドラなどのサークルのモチーフの変奏も。
それとこのシリーズでは、世界の危機なるものが、身体的な疾患の形で具体的に提示されるのもいい。