2.《ネタバレ》 映画の製作過程を描いた作品というのはよくあるパターンだけど、説得力があって良かった。
劇中作の一部だけを見せておいて、残りを観客の想像力で補完させているので、とんでもない名作になっている。
ニャカデミー賞作品賞も納得です。
とは言うものの、いくつか納得できない部分もある。
映画は女優を魅力的に撮れればそれでOKという理論がいまいち描けていない。
ナタリーをどう魅力的に撮るかという観点ではなくて、マーティンをどう魅力的に撮るかに苦心していた印象。
役作りのために髪を切るというのもよくあるパターンだけど、何故短くする必要があったのか不明確だったのが残念。
髪が長いことの弊害、もしくは短いことのメリットがきちんと描かれていれば、説得力が増したかも知れない。
見た目だけで言うなら、長かったときの方が魅力的だったように感じた。
女優の魅力として尻を強調していたのも女優の魅力とは何かという本質から逃げているように思えた。
もちろん尻も嫌いではないけど、やっぱり女優の魅力を語るならキスシーンや濡れ場は避けて通れないはず。
尻を見せるのに演技が必要とは思えないけど、キスシーンや濡れ場はどう演じるかが問われる。
もしこの作風の中でナタリーの濡れ場があったなら衝撃的だったと思うけど、そこまで踏み込んだ作品ではなかった。
土下座してまで追加シーンを撮ろうとしたとき、キスシーンや濡れ場なのかと期待してしまった自分が恥ずかしい。
ポンポさんなら女優を必然的に脱がせるアイデアを持ってそうな気がしたんだけどね。
あと、90分という縛りにも納得できなくて、無理して90分に削り落とすのは本末転倒だと思う。
必要なシーンだけを繋ぎ合わせた結果が偶然90分だったのなら称賛に値する。