5.小津の映画で、妹役の有馬稲子にマージャン屋のおじさんが「あんたのお姉さん、
きれいだねえ」と言う場面があります。考えてみれば、
映画に出ている女の人は皆女優なので普通の人より綺麗な人ばっかりなのに、
その中でこの台詞に観客が納得してしまう女優、が原節子でしょう。
この映画でも、村八分状態の中堂々と歩いていく場面があります、
しかもお嬢様が野良着を着て。
村の人は気迫に負けて距離を置いて非難の目で見ているだけです。
やはり、あの顔なので成立つというのは否定できません。
それは黒澤監督がいかに原節子の魅力を撮るかを追求した
(と勝手に思い込んでいますが)
この映画の全ての場面に言えると思います。