24.《ネタバレ》 アル中で狂った男ベンと、そんな男を好きになってしまった娼婦セーラの破滅の物語。セーラことニコラス・ケイジは流石の演技力で、バーで客にちょっかいをかけたり、マスターに絡む所は本当にウザく感じ、リアルに見ている様に思えるくらいである。次第に容態が悪化していくのだが、セーラのことをいつも気にかけており、自分に巻き込んではいけないという優しさが随所にあり、悩ましい。また、セーラは外で客を取ってる時は、怖いキツイ顔であるが、ベンをどんどん好きになっていくに従って、恋する一途な女性に変貌していく。ベンはアル中で近々死ぬのだろうと判ってながら、全てを投げ売ってベンの面倒をみるセーラは本当にいじらしく可愛い。 ラスベガスが舞台で、煌びやかなネオンの中で、目を引く様な美人セーラと酔っぱらいのベン。なんかお似合いでカッコいいです。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-04-09 09:28:10) |
23.男の〝理想像〟を描いた作品でしょう。ふつう失業して酒に溺れ、家族も住まいも捨てたとなれば、行き着く先は野垂れ死にか、しかるべき施設への収容しかありません。アル中も辛いでしょうが、代わりに世の多くの成人男性が背負っているであろう労働や納税の義務も、家族を養うという責任も負っていません。日々、酩酊する自分の頭と体調と向き合っていればいいだけなので、ある意味で気楽なものです。ところが、そんな主人公は美人で聡明で優しくてなぜか自己評価の低い理想的な女性にたまたま出会い、愛してもらえる上に〝最期〟まで面倒を見てもらえる。これは宝くじに当たる以上のラッキーでしょう。日々、世のため人のためにがんばっている真っ当な成人男性でも、こんな女性にはなかなか出会えません。 結局のところ、この作品は表面上は「辛い、哀しい、悲惨だ」と言い募りつつ、その裏では「どうだ、うらやましいだろ」とほくそ笑んでいるような印象です。「絶望」を描いていますが、それは主人公の人生ではなく、誰もそう簡単に主人公のようにはなれないという意味での「絶望」です。というわけで、ひどく落ち込ませてもらいました。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 7点(2015-06-09 00:34:19) (良:1票) |
22.《ネタバレ》 初見は高校時代ですが、当時はこの映画の良さがまったく理解できませんでした。ひたすら淡々とした内容だし、主人公が当初の予定通りに死を選ぶ展開にも納得がいかず(大事な人が出来たのなら、うだうだ言わずに人生やり直せよ!)、本作はそのまま忘却の彼方へ。しかし、最近になって何気なく再見してみると、幸か不幸かこの映画に深く感動できるようになっていました。いまだに中学生感覚を引きずっている私ですが、一応は人生を重ねてきているようです。。。 物事で大きく躓いて、努力すればまだ巻き返せるのかもしれないけど、肝心のガッツが残っていない。できることなら何もせずにこのまま消え去ってしまいたいという心境、社会人をやっていれば一度や二度は味わうものです。この映画がリアルだと感じたのは、絶望の底にいる主人公が、人や社会をまったく恨んでいないということです。会社からクビを言い渡された時の上司との会話が特に印象的で、主人公は怒鳴ったり取り乱したりせず、礼儀正しくお礼を言って職場を出ていくのですが、真っ白になった人間というのは往々にしてこういうものです。何かを恨み、怒るだけの余力がある人間は、まだ何とかなるのです。。。 その後のラスベガスでの展開は、ある意味では男の夢です。大人としての責任をすべて放棄して、体が壊れるまで好きなことをやり続ける。でも一人じゃ寂しいので、最後の時を一緒に過ごしてくれる恋人は欲しい。そんなわがままが実現されるのですから、私は爽快感すら感じました。一方、その相手となる女性にとっては地獄絵図です。愛する人が死にゆく様を見ているしかないのですから。その点、この女性も主人公同様に絶望の中にいて、死ななければやっていられないという心境を理解できている、だからこそ彼の自殺を受け入れてやれるという設定は非常に合理的だと感じました。まさに昭和枯れすすきの世界なのですが、そんな世界をセンスある楽曲でデコレーションした監督の手腕も見事でした。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2012-11-07 00:14:29) (良:2票) |
21.太宰治の小説を読んでるような。崩れ、落ちて、果ててゆく。重くて、切なくて、苦しくて、悲しい作品です。 【おやじのバイク】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-20 19:58:42) |
20.重くてつらくてやり切れないストーリーの中にあって天使のごとき存在感を放つE・シューに感嘆。絶望を静かに湛えた微笑みに痺れた。すごい女優さんになったもんだ。 【tottoko】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-09-07 17:53:12) |
19.《ネタバレ》 原作者のオブライエン氏は非情にマジメな性格だったのだと思う。 彼の遺書ともいうべき「リービング・ラスベガス」のベンがそうであり、映画化決定後に「ちゃんと」自殺しているところからそう思う。 この「マジメさ」というのはとても「アメリカ的」なマジメさで、ヨーロッパにもアジアにも存在しない感じがします。「バカなマジメさ」「ウブなマジメさ」とでもいうのだろうか。 どうあっても酒がやめられないことがわかっているので、どうせなら積極的にこの肉体を酒に呉れてやろう、酒のせいで社会的に葬られたのなら、肉体的にも酒に滅ぼされてやろう…というようなマジメさです。約束どおり最後の瞬間までボトルをあおります。マジメです。 そして、この「アメリカ的なマジメさ」はベンのみならず、オブライエンの創造物であるセラもそうなっていて、彼女はとても「マジメに」売春をやっています。客の財布から札を抜いたりしませんし、まっとうな男性を間違えて誘ってしまったときは、直ちに謝ります。 この二人に足りないのは「ずるさ」とでもいいましょうか。とてもマジメに生きているけど、結果的に「社会のゴミ」的存在になるのです。ゴミ同様に、どこに行っても掃き出されるのです。 作者は、「ゴミの気持ち」「ゴミの主張」「ゴミの死に様」を書いてみたのではないでしょうか。そういう表現もありだと思います。でも、彼がずるいと思うのは1人で死ねないところですね。 可愛くて心優しい娼婦に最後を看取られて死にたかった…ベタな男の願望がまんま出てしまったところがNGです。傷ついた娼婦と心を通わせでもしなければ死ねない、というのがオブライエン氏の本音なのでしょうが、女はそういう都合に合わせて存在しているわけではありませんから、現実の世界では。 なので、私はこれはベンの妄想の世界と解釈しています。セラという名の売春婦と出会ったかもしれない、でも、彼女が情をかけてくれて、面倒を見てくれて、最後を看取ってくれたというのは願望で妄想です。自分が死んだあとも、愛していたと言って泣いてくれたらいいな、です。 リービング・ラスベガスは中野翠が絶賛していたために長いこと見る気がしませんでしたが、べつに見なくてもよかったような気がしますやっぱり。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-03-08 16:07:25) (良:1票) |
18.酒造組合の宣伝になりそうなくらい、飲みたくなる映画。古くは「失われた週末」を思い出します。 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-03-07 21:56:49) |
17.《ネタバレ》 すごく切なくなった。お互いが認め合っていて、この先のことは予測できても止めようとしない。でもお互いは求め合う。なんて切ないんだろうと思った。あと、オープニングとエンディングで流れる曲や、夜のべガス、役者の演技もあって、この切なさはかなりレベルが高くなってます。ダメダメ男役のニコラスケイジはこの映画でアカデミー賞主演男優賞を取りましたが、こんだけはまっていたら当然だろうと勝手に思いました。エリザベスシューもニコラスケイジに消されないだけの存在感はあったので良かったと思います。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-30 10:50:05) |
【たま】さん 7点(2005-03-09 23:13:11) |
15.ワタクシの場合、手の震えが止まらなくなったりとか蛇が見えたりとかまでは行かなかったけど、一時期かなり酒に溺れてた時期があったので、主人公が酩酊の中で「死」に惹きつけられてしまう感覚は、ちょっと分かります。これって実は絶望という病を抱えた「難病モノ」でもあるし、相手に将来性とかお金とかを求めないという意味では「純愛モノ」でもあるんだなー。ま、単純にジャンル分けするには壮絶すぎるけど・・・♪あれも愛、きっと愛、多分愛ってことか。 【ぐるぐる】さん 7点(2005-02-05 20:06:49) (良:1票) |
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14.ドロドロなほどの倦怠感・退廃感と、その中でどこかに感じられるほのかな安らぎ。こういう関係を正面から、かつ自然な形で描き出しているのが素晴らしい。ダメ人間に対する愛着のある作品はやっぱりいいです。ただし、アル中の度が進んでもニコラスが割とこざっぱりしているのが難点。本当のアル中はもっと身の回りのことや見た目についても無関心になっているはずだし、その辺はメイクや衣装で工夫してほしかった。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2004-04-03 05:39:21) |
13.《ネタバレ》 飯島愛がTVで絶賛してた「泣ける、毎年観てる」らしい、、、再見してじっくり観たが、単に好みの問題で俺はこの作品は好きになれない。観る人によっては主演のどちらかに感情移入できるでしょう。それだけ真剣で壮絶な演技をしてくれてます。売春は危険が常に伴うしアルコール依存と孤独の恐怖、真実の愛・・・若い人には特にお薦めの1本 |
12.ニコラス演じる死に場所を探すアル中男にしてみれば、エリザベス演じる娼婦ほど都合のいい女はいない。こんな気持ちの楽な女はいない。でもそこに愛はあるんだろうか?これこそ愛なのか?あまりに悲しすぎる二人の関係に、自分の中に認めたくないという感情が沸き起こる。淡々となぞるような展開は切ない雰囲気と相俟ってラスベガスを寂しい町に見せ、印象深い作品となっております。 【R&A】さん 7点(2003-10-22 18:40:26) |
11.「ある愛の形」って感じです。何故だかとても切なくなります。何ともいえない余韻を残す映画ですね。ニコラス・ケイジってダメ野郎を演じさせたらホント素晴らしい。 【Andy17】さん 7点(2003-08-24 18:51:21) |
10.ニコラス・ケイジの主演男優賞受賞は納得ものです。とても難しい作品でした。人間はそう簡単には変わることはできないものですね。切ないですね・・・。 |
9.大島渚「愛のコリーダ」と2本立でやらんかなぁ。池袋の場末あたりで。倦怠期の彼女とふたりで見るといいかも。きっぱり別れられるかも知れないし、一生離れられなくなるかも知れないし。。。 【泰】さん 7点(2003-07-09 11:23:04) |
8.人に薦められて観ました。何か観終わった後で色々と考えさせてくれる映画かもしれないですね。 【伸司】さん 7点(2003-03-28 02:21:42) |
7.うーん。点数つけるのが難しい映画ですね。好き嫌いで言えば、間違いなく嫌いなんだけど、心に残るのは確かです。観客を楽しませるといったことを、全く無視しているのがいい結果になっている、数少ない映画だと思います。エリザベス・シューにはびっくりさせられました。いい仕事してます。 【半蔵】さん 7点(2002-09-29 02:20:45) |
6.全編スティングの曲で統一されて、一見オシャレな感じのする映画だけど、このデカダンはかなり深い。俺の彼女はこれを観てむせび泣いていた。彼女の過去にどんな秘密が!破滅に向かっていく怖さと、お互いの全てを許し許される究極の癒し。これは危険な映画です 【ヒロポン】さん 7点(2002-08-12 12:45:13) |
5.エリザベス・シューかわいいですね。内容は自分のすき系のお話でわないけど、まあそこそこおもしろかったでした。でもニコラス・ケイジてやっぱなんかヤダ。特にあの胸毛とか。。。 【バカ王子】さん 7点(2002-04-22 21:52:56) |