1.《ネタバレ》 エキセントリックで孤独な老人と若いスポーツライターの弥次喜多道中。
なかなかよかった。
近代野球の父といわれるカップ。
昔はカップ式なんていうグリップが太目のバットもあった。
「2割9分だ」「なぜ?」「72歳だからだ」
この会話がいい。男だね。
『フィールド・オブ・ドリームス』では嫌われ者だからさの一言で片付けられていたカップ。この映画はこの点で糞だ。愛がないネ。自分の嫌いな人間もどうしようもなく存在する。しかし、その人間が自分よりもいい人かもしれないという謙虚さがない。
まぁ、付き合いたくはないジジイだが…。
単なる批判だけでなく、この米野球史上の偉人を
愛情を持って、しかしいいことばかりも言わずに描いているところは好感が持てた。
自分勝手で、暴力的で、気に食わないと銃をぶっぱなすどうしようもないジイ様に付き合わされるスタンピー。しかし道中なんとなく友情も生まれ、お互いに認め合うようになっていく。この過程がなかなかにいいドラマでほろりとさせてくれる。
実際にはどんな人物だったのかそれは誰にもわからない。
しかし、批判のための批判みたいなくさすのが目的のようなお話ではつまらない。
映画はエンターテイメントだからだ。
嘘でもいいからいい話にするのがマナーってもんだ。
それから、昔風にカップと表記しているところもプラス評価。