26.《ネタバレ》 若者から大人へ。
前作とは何が違うか、どうか最後まで見て欲しい「サンライズ」の続編。
前は電車という街へ向かう道中、今作はいきなり街の中から、街角、路上、人々で賑わう街、書店、インタビュー、思い出す思い出は前作、キャメラの質感も前作の雰囲気を思わせる。
喋る喋る喋る、喋っている最中も動き出したくてウズウズ、ふと横を向いた瞬間に。
やはり歩いて歩いて歩く、時折悪態をつきながら再会を分かち合う、親しい友人か愛する異性か、子供から大人になった二人だけの秘密があの頃に戻してくれる。
「もっとあるよ(あと1時間くらい)」
二人にとって。会話の内容なんてどうでもいいのかも知れない。ただ互いを見つめ合いながら一緒に歩ければそれで。
過去は一緒にいるための話題として語られ消費される。街にこだまする音も。言葉は映画を彩る、二人の道中を飾る音楽のようになっていく。そう思うと音楽は鳴りっぱなしだな。
だがまさか10分もくっちゃべってる場面を延々と、前作とお~んなじように同じ俳優によって見せられるとは思わなんだ(褒め言葉)!誰にも話しかけねえ!前作のオッサン!!来てくれー!!!助けてくれー!!!!
年齢を重ねた二人、、二人にとっては至福、見守る人によっては苦痛を感じたり退屈に思う人も多かっただろうね。何故俺は退屈に感じなかったのだろうか。
指先が現す銃、カフェでも身振り手振りと舌は止まらない、食事。
「裸見ないと」
上着を脱ぎ、髪を下し、煙草をたしなみ、落ち葉、路地。おっと、ここまで頑張った観客に言いたい。どうかカフェで切らないで欲しい。
路地から歩道橋の上へ、公園を通り、短い橋を渡り、木漏れ日、ラフな格好は男を誘っているからなのか、上着は脱いだまま、性の話は女を求めているからなのか。
会話は前作とのギャップに戸惑う瞬間も。
突然椅子へ彼女を誘う、階段を下りたりすべり下りたり、川沿い。
黙ると死ぬのか!?船すら止まってやがる!!動け!動けってんだよこの野郎!!!動き出してくれてほっと一息。
船が動き続けることで髪と薄布もなびき続ける、船上でも男は姿勢を変え続け女も座る、橋はトンネルとなって影を落とし日も少しずつ傾く。
「細かいところに目がいっちゃうの」
そうなんだ、気をまぎらわそうとしてあらゆる仕草を見ざる負えない。車に乗っても喋り足りない。
運転手「うるせえなコイツら」
哀しそうな顔で触ろうとしてやめる手、路地を曲がる瞬間に雰囲気が明るく、抱擁、路地裏、猫、住人の紹介、自宅へ御招待、一曲、上着を脱いでくつろぐ、ギターを抱えて歌う、写真。
CDの音楽が流れ、二人は黙り…なんて思っていた瞬間が俺にもありました。
身振りでコンサートの様子を伝え、その後は二人だけが知っている。沈むであろう姿も映されて。