1.《ネタバレ》 シリーズ最終作でこのクオリティは素晴らしい。
もっともっと続けて欲しかった。
兵隊やくざシリーズでダントツに面白いのはやはり第一作。
しかし、この作品は初作にはないような大テーマをなげかけてきます。
あなたは惚れた女、それも宝物のように大事に思って関係を持たなかった女が
自分の命を助けるために、自分の一番大嫌いな上司・・
上官に抱かれたとしたらどう思うだろうかということ。
惚れた女を目の前で寝取られるシーンは衝撃的。
女も大宮を愛してるからこそ嘘をついて抱かれたのだ。
大宮は女の気持ちをわかっても苦悩する。どんな理由があるにせよ、
一番嫌いな男に何度も抱かれ、お古にされた女を愛せるのか。
こんなに愛してるのに、同時にとてつもない嫌悪感もある。もはや自分にはこの女は抱けない。
なにが悪いんだ、戦争だ!戦争が全てを狂わせたんだ
と慟哭するラストシーンはせつない。
思い直し、女を捜すが、もはや女は消えてしまった。
有田上等兵がイマイチ活躍してないんだけど、よく考えると
もはや彼は大宮にとって空気のような存在になってるのかもしれない。
ラストはやはり有田がいたからこそ大宮は救われたかんじ。
宍戸錠も憎たらしさを思いっきり演じていてうまい。
音楽は勝新の歌も含めてよくないけど、ご愛敬かな。
もっとせつない音楽にして欲しかった。