1.監督は「ヤノット・シュワルツという人」だと、かつては認識してたのですが、フランスの人らしいので、確かに妙な表記だったのかな、と。ジョーズの続編だの、スーパーマンの姉妹作だの、便乗作品で起用されては、そこそこの仕上がりにしてしまう、きっと器用貧乏みたいなヒトなんでしょう。
本作も、女性版スーパーマンがミニスカートを穿いているという、ミニスカポリス的発想のイロモノ企画であるように思われてしまうのですが、そのミニスカスーパーガールをまずは湖の上で自由に飛翔させてみせ、お見事としか言いようがありません。ドナーの第一作に対して感じたのと同種の驚きを、ここで再び味わうことができます。このシーンを超える場面はその後出てきませんが(笑)。
スペクタクル要素はあまり出てなくって、片田舎の町での、大騒動と中騒動の間くらい、といった感じ。その意味ではスーパーマン第二作をさらにマイルドにしたような。
天敵たるレックス・ルーサー(じゃないけど)の役はフェイ・ダナウェイ。まさに大女優の風格で、「フェイ・ダナウェイ専用照明」みたいなのが当てられ続け、こういったあたりの演出にはちょっと古風なものを感じます。
いや、ダサい男を取り合うだけのクダラないオハナシ、といえばそうなんですが、学園モノの気楽さと、様々な特殊効果の楽しさ、パロディ的のものも含めて二番煎じを逆手にとって笑いに繫げるような割り切り(男を乗せたカートごと飛ぶシーンの、あのカートのデザインのシュールさ)、全編通じ、サービス精神には事欠きません。
テーマ曲は、あの派手なスーパーマンのテーマには被らないように、ということなのか、ちょっと落ち着いた感じのメロディが選ばれ、これは今でもお馴染みのもの。特にエンドタイトルでは、ゴールドスミス節が炸裂した、聴きごたえのある音楽が展開されます。