1.これはものすごく楽しめました!
この映画で面白いのは、すさまじいまでの「ひねくれ」具合です。
展開はとことん原作をおちょくってます。
女王の滑稽さは突き抜けているし、
「鏡」のキャラも全く違うし、
王子は全然格好良くないし、
「七人の小人」は可愛くないし、
毒りんごというアイテムは出てくるものの展開はまるで違うし、
脚本家の好き勝手さが出まくっていて素敵です。
変人だらけのキャラは魅力的だし、伏線も効果的に使われているし、テンポもいいので退屈しませんし、白雪姫をはじめとした登場人物の行動にも(一部を除き)説得力があります。
ひねくれはしていても、最後まで本筋から脱線せずに楽しませてくれるのは、本作の長所でしょう。石岡瑛子による衣装も映像も魅力のひとつ(石岡さんは今年の1月に急逝し、この映画が遺作となりました)。
女王の衣装はシーンごとに違うし、多種多様な衣装の美しさはそれだけで楽しめます。
ターセム監督とのタッグがもう見れないのは寂しいのですが、こうして作品の重要な役割を担ったことは、日本人の誇りであると思います。
個人的には今年に公開された「スノーホワイト」よりもはるかに面白かったです。
エンドロールまできっちり楽しませてくれるのもすっごく嬉しい!
多少の好き嫌いはあるでしょうが、ひねくれた&ブラックな笑いに満ちたおとぎ話を期待する人は、是非劇場へ。