1.RZAが贈る、オレ様仕様のカンフー映画。任侠映画っぽい設定ながら、「ワケがわからんけどとにかく強いヤツが次々やってくる」という『カンフーハッスル』的な荒唐無稽さが楽しいですな。両手を失った主人公が義手で戦う、と聞けば、手塚治虫の『鉄の旋律』を思い出したりもしますが、ああいう屈折したところはなくって実にストレート、ムキムキ金剛との戦いを迎える場面なんて、カンフーどころか、ほとんど『ロッキー』のノリ。画面分割なんぞも駆使して、なんでもアリの雑然ゴチャゴチャ作品、ケチをつけようと思えばそりゃ完成度の必ずしも高くないところもあるかもしれないけれど、作品を一本の「思い入れ」が貫いていて、映画を作る楽しさが、観る楽しさとして伝わってきます。ただそれでも一点、苦言を呈させてもらうと、「子供の頃以来、カンフー映画にハマった」というんだったら、この映画も子供たちに見せられるように、あの噴水みたいな流血シーンをもう少し控えめにしていただけたらな~と思うんですけれども。