6.《ネタバレ》 ストーリーは使い古されたケースなんです。
証拠が残っていないか気になって現場に戻るというラストは「指輪の爪あと」や「パイルD-3の壁」などで使われているんです。
でも、今回のエピソードで、ひと捻りあるのは、コロンボと犯人のやりとりではないかと思うんです。
犯人「人殺しと二人きりで危険を感じないかね」
コロンボ「ちっとも。あなたはそんなに怖い人じゃありません」
コロンボ、ラジオをつけると、犯人の歌が流れる。
中略。
コロンボ「これほどの歌が歌える人に悪い人はいませんよ」
このやりとりはコロンボと犯人のやりとりではなく、犯人役はカントリー歌手の大御所、ジョニー・キャッシュ自身に戻っているというのがミソになっています。
だからアメリカの視聴者にとっては、このオチは日本では知名度が低いジョニー・キャッシュに、より感情移入できるのではないでしょうか。
これがもし演歌歌手の大御所、北島三郎で
コロンボが「これほどの歌が歌える人に悪い人はいませんよ」
となったら、日本人の視聴者が受ける印象も変わっていたのかもしれません。