130.《ネタバレ》 原作未読。予備知識無しでみた率直な感想。ふざけるなと言いたい。
いや、作った方は真面目に作ったつもりかも知れない。
テーマがテーマだけにこの完成度の低さに少し腹が立った。
犯罪者とその親族の苦悩を映像化する事は有意義だとは思うが演出が過剰で雑すぎる。
連続通り魔殺人鬼など凄惨な事件の親族ならいざ知らず、主人公のように引っ越しを繰り返せば
人権の守られたこの日本で一般人がそう簡単に犯罪者の親族であるかを知る手段など基本的にはない。
それが分かるとするならそれ相応の理由付けが必要だし。百歩譲って分かったとしても
あそこまで露骨に無視や左遷はしないだろうし、本人を目の前に差別発言もそんなにある訳が無い。
いや、差別や苦しみが無いと言ってる訳では無い。
むしろ、それらは本人の目に見えないところで行われ、もっと陰湿なものだろうし
具体的に形がないからこそ苦しむ事もあるだろう。
安易な差別設定の連続にリアリティを失い安易に映画にしたことに腹が立ってくる。
また主人公の山田孝之は必要以上に周囲を拒絶しているのにお笑い芸人?合ってないよ。
沢尻の事は拒むクセに、吹石一恵とはあっさり付き合う理由も意味不明。
兄貴のせいで結婚も出来なかった演出がしたかっただけにしか思えない。
また重要なシーンで沢尻エリカのへたくそな関西弁が感情移入を阻む。
どういうつもりでこの映画を作ったのか。お涙頂戴物を作りたくて作っただけとしか思えない。
嫌な物を見せられた気分だった。とは言えこのジャンルを映画化した事自体の意義だけは認めるが
どうせ作るならもっと練る必要があったと思う。複雑な思いだけが残った。