2.《ネタバレ》 当初ヒロインかと思われたステファニーの言動が酷過ぎる為、早い段階で(こりゃあ別の女性と結ばれるな)と読めてしまう事が難点ですね。
どうせ結ばれない、結ばれない方が良いと思ってしまうのに、作中の主人公は「ステファニーと結ばれたい」という一心で行動しているものだから、どうしても感情移入出来ないし、その恋を応援する事も出来ないという形。
同僚のケイトに頼み「ステファニーにヤキモチを妬かせる為、恋人のフリをする作戦」を敢行する辺りからは(これはケイトと結ばれるオチか)と分かり、王道なラブコメとして楽しめましたが……ちょっと尺のバランスが悪かった気がします。
冒頭でプロポーズを断られた主人公が、今度はステファニーの方からプロポーズされて、それを断る流れなどは痛快なものがあったし、冒頭と同じようにバンドが再び現れて、陽気に唄い出すのも可笑しかったしで、終盤の展開は本当に良いんですけどね。
動物園の飼育員である主人公が、人間不信のゴリラと少しずつ友情を深めていく流れも面白かったです。
ゴリラに服を着せて店に連れて行き、そこで楽しく騒いだり、腕時計をプレゼントしてみせたりする辺りなんかは、本作の白眉かと。
その他、不満点としては、ゴリラにスポットが当たり過ぎているせいか、他の動物が殆ど目立たず、主人公の恋を叶える上で活躍していないように思えちゃった事。
そして、カラスが他の動物から仲間外れにされるネタを繰り返した以上は、最後に「カラスも動物園の仲間だ」と、しっかり皆から認められるシーンが欲しかったとか、その辺りが挙げられそうですね。
エンドロールでのNG集も楽しかったんですけど「動物虐待している訳では無い」とばかりに、主人公がダチョウに乗ろうとして転ぶシーンは「CGによる合成だった」と種明かしする件があったのは、凄く残念。
自分がお気に入りだった主人公とゴリラが絡むシーンも、大半は合成だったんだろうなぁ……なんて思えてしまい、大いに白けちゃったんですよね。
そこは何というか「気付かせて欲しくなかった」という想いが強いです。
それと、原語では凄く豪華な面々が動物達の吹き替えをやっている訳だし、どうせなら「ニック・ノルティ」「アダム・サンドラー」「シルヴェスター・スタローン」の三人が、ちらっとでも出演してくれていたら、もっと面白くなったかも知れませんね。
そんな具合に、色々と気になる点もあったけど、基本的には安心して楽しめる作品でしたし、後味も悪くない。
及第点以上のラブコメ映画だったと思います。