1.《ネタバレ》 回想シーンの、そのまた回想シーンへという冗長な展開に早々に嫌気がさす。
懐中時計のアイテムもラストでとってつけたように扱うのみなら大学時代と高校時代だけで十分だろうに。
配給会社勤務の設定も、成瀬やエリセやトリュフォーの映画ネタで戯れたいだけっぽい。
それにしても、松本潤が「外へ出よう」と有村架純を連れ出すあの岸辺のシーンの酷さといったらない。
女性と連れ立って歩くシーンに、わざわざ散乱するゴミをフレームに入れる意図は何だろう。
仮にそれが松本の空虚な心象という演出だとしても、終盤の同じロケーションのシーンでは
ニュアンスが全く変わるのだから、そこで再びまるで必然性の無いゴミを画面に映し出すのは映画の心得としても
完全にNGだろう。ロケ地に対しても失礼だ。
クロースアップのやたらな連発も、ラストの切り返しのインパクトを弱めてしまう。