293.09年現在まで続くアメコミ実写化ブームの最初の作品であり、本作の成功が後続の企画達の大きな原動力となったという意味で、かなりの重要作です。現在あらためて見返すと、公開時に感じた以上に脚本・ビジュアルともに緻密に作り込まれていることに驚かされます。コミックを実写化する上での最大の問題である、二次元のキャラなら特に問題ないが、いざ生身の役者にやらせるとおかしなことを、どこまで原作に忠実にやるべきなのか?本作に先駆ける「スーパーマン」は怒涛のSFXを売りにすることで、「バットマン」はティム・バートンの独特の世界観を提示することで、この難題からうまく逃げてきました。しかし本作はハリウッドではじめてこの課題に真正面から挑み、かつ成功させており、ある意味で後続作達のガイドライン的な役割を果たしています。ウルヴァリンをはじめとした奇妙奇天烈なルックスのキャラ達を驚くほど原作に忠実に再現。シリアスな世界観の中にあって、あの強烈なルックスのキャラ達を観客に受け入れられるようにまとめているのですから、ブライアン・シンガーは驚異的な仕事をしています。彼らの登場のタイミングや、その能力の表現が細かいところまでよく考えられていて、特に映画の冒頭をマグニートーの少年時代とし、ユダヤ人収容所での悲劇的な物語を頭に持ってきたことは、これはどういう映画であるかを観客にガン!と提示する意味でかなり効果的でした。さすがに擁護しがたいようなおかしな要素は笑いにしていて(変なニックネームのキャラ達を紹介されたウルヴァリンが、プロフェッサーXに向かって「で、あんたは"車イス"?」、コスチュームを渡されて「本当にこれで人前に出るのか?」)、脚本は非常に柔軟です。自由の女神の土産物屋を舞台としたラストのバトルにはさすがに物足りなさがありましたが、技術的にテスト段階にあった作品だけに、下手に大風呂敷広げて失敗するよりも出来る範囲で小さくおさめたことに、制作陣の真摯な姿勢がよく出ています。これについてはアクション大作となった「2」できっちり答えを出しており、シリーズ化のために作品を破綻させないことを重視した第一作の判断は、今となっては好意的に評価すべきでしょう。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 8点(2009-09-10 18:14:12) (良:3票) |
292.友達からの前情報が入り過ぎていたし、それ以前に宣伝でほとんどの名シーンを観てしまっていたので、別に観ても斬新さを感じなかったですね。最近の映画にありがちな傾向です。映画のコピーにあった「敵は強大、味方はわずか」って言いつつ、敵は“舌が長い”のと”大猿“と“七変化カメレオン”に大親分のマグニートー扮する“磁石男”。どう見てもこの4人しかいないと思うけど、この4人だけで人類に立ち向かおうとする敵の方が勇敢だと思いましたが・・・ 【イマジン】さん 8点(2001-05-05 10:14:41) (笑:3票) |
291.《ネタバレ》 「ファースト・ジェネレーション」を観た後に観直すと、最初から「差別」に取り組んでいたことは強調されて映りました。でも、ミュータントに対する世間の扱いに本当に差別があったとしたら、差別されている側が実力行使に及ぶのはやはり「もってのほか」の対応ですね。差別が正当化されてしまう。サミットに集まる要人を「ミュータント化してしまえ」という作戦も、要人たち自身の同情を引くより憎しみを買うテロ行為以外の何ものでもない。世間の不評を決定的にするだけで、明らかに愚かな行為です。本作に限らずの話ですが「差別」という意識がある時点で社会的にマイノリティであることは確定している訳で、少数の力による反抗が最終的に実を結ぶとも思えない。なので、本作のミュータントたちの対立は「思想の違い」では無く、単純な「善悪」に見えてしまう。「ファースト・ジェネレーション」と比較するとシナリオ的な掘り下げが低く、どうしても浅い作品という見映えになります。ジーンを取り合うウルヴァリンとサイクロップスの遣り取りがちょっと面白かったかな。ウルヴァリンの打たれ強さは肉体だけじゃないみたいでした。 【アンドレ・タカシ】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-12-21 23:34:34) (良:2票) |
290.《ネタバレ》 テレ東でやってたアニメは打ち切り(?)まで見ましたがコミックは未読です。 1番好きだったウルヴァリンが主人公なのは嬉しいし爪ジャキンも格好良いのだが、身体能力で言えば常人と変わらない(少なくともウルヴァリンよりは劣っている)ミスティークにボコボコにされ勝因も『逆不意打ち』、マグニート相手に至っては文字通り手も足も出ずとちょっと扱いが残念。 その代わりサイクロップスがジーンの口に付いたスライムを取ったり、弱体化した上不意打ち(ヒーローなのに不意打ち多いな)とちょっと情けないがボスを撃破したりと、シーリーズ通してレアな『活躍』を見せた。 10年以上前の作品だからCGに関してはしょうがないが、それにしても演出(特にワイヤーアクション)がちょっと頂けない。 個人的に2番目に好きなガンビットが出ないのが残念ですが、十年前のアクション映画と考えれば及第点、最近のシリーズを見て面白いと思った方も見て損は無いと思います。 【ムラン】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-07-18 18:42:55) (良:2票) |
289.《ネタバレ》 なかなか面白かった。 そういえばCGの水準がグッとあがってアメコミ映画化の波が来た。この映画はその先陣だったように記憶している。10年前の映画だが、今観てもそれほど大きくおかしな特殊効果は無かったように感じた。 90年代、CGといえばモーフィングであり、人形を絵のモデルに置き換えたものであり、書き割りの代替であったと思う。2000年代に入ると、形状の変化は物理演算の上現象をなぞるようになり、人間のモーションを絵に置き換え、環境を丸ごと構築したセットを代替し舞台装置的な大道具や、本来の機能や質感を持たない小道具よりも明らかにリアルになってしまった。 これはリアルさの逆転現象を起こした。映画らしい張りぼて感や良くできたスタントが脳内補正でリアルに見えたのが、映像がホントにリアルになり始めたときこれまでスクリーン上に写っていた見かけ上のリアルさとあまりに違っていたため、受け入れられなかった多くの映画好きが戸惑った。結果、「CGだからダメ」とスクリーンの中に出てきた新しい特殊効果を切り捨てた。 この映画はそういう時期の先鋒だった。今観ると当時感じていた違和感というのはむしろ少なく、特殊効果以外を楽しめた。シリアスさや緻密さは今の水準からすると甘々だが、90年代には制作に入っていただろうことを考えるとものすごいことだ。 この後、幅広い年齢層に向けてアメコミの優れた映画化作品が次々と現れるが、リメイクブームやネタ切れと揶揄する人が多いことには疑問を感じる。ブームやネタ切れでは無く、映像の技術革新が連鎖的に脚本やストーリーの革新を呼んで表現が出来るようになった新しいジャンルと言えないだろうか。 【黒猫クック】さん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 7点(2010-08-01 04:39:00) (良:2票) |
288.《ネタバレ》 良くも悪くもアメコミ映画。いろいろな能力を持ったミュータントがいっぱい出てくるが、その能力にずいぶんと差がある。個性といえばそれまでだけど、同じ虐げられる者同士なのにあいつの能力の方が良いなぁなんて思う奴はきっといる。透視の能力がほしいなぁ。。。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-11-28 16:14:49) (笑:2票) |
287.この一作目だけでいえば、ストーリーやアクションではなく、まさにキャラクターの魅力だけで突き通した作品といえる。見せ場の弱さはどうしても否めず、スパイダーマンやバットマンには圧倒的に劣っているのだが、面白かった。 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-02-06 23:48:25) (良:2票) |
286.なんてこった…至極好きだ…最近テレビでセロというマジシャンの存在を知って、YouTubeで繰り返しセロのスンゴイマジックを観るのがマイブームなんですが、この映画を観た後だと、セロって完全にミュータントじゃんって思ってしまいます。あの映画の中にセロがいてもぜんぜん違和感ないと思いますし。まぁ、セロの話は置いといて。この映画は好きですね。それ以前に脚本も凄い気がする。主人公の登場させるタイミングと、主人公の能力を初めて見せるタイミング、その後に次々ミュータントを登場させるのもバッチしです。もう、興味深々、目が離せません。次は何?何をやってくれるの?わくわくしました。善悪の二つの道に別れたミュータントの存在理由、人間とミュータントの壁など、対比させている部分の説明も丁寧で、その説明さえも楽しく見ることができました。ミュータントそれぞれの特殊能力も面白く、小物やギャグ(これは正直いまいち)も随所で入れられていて良かったです。僕はまだまだ見る目がお子ちゃまなので、好奇心を擽る物にはどんどん目が行きます。ラストシーンの期待させ方、あれも良かったです。2が観たくて仕方なくなりました。 【ボビー】さん [地上波(吹替)] 8点(2006-09-04 19:21:55) (良:2票) |
285.マグニートがかなりオジィで泣けてくる・・・ 【わーる】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-07-15 00:42:01) (笑:2票) |
284.いまいち盛り上がらない作品ですね。その原因は、少女ローグ(アンナ・パキン)を除くほとんどのキャラクターが、主人公ウルヴァリンに有機的に絡んでいかない点にあると思います。本作のキャラ同士は、強い感情で結びついていない。互いの愛や嫉妬、憎しみ、因縁で繋がっていない。マグニートーとプロフェッサーXが唯一の例外でしょうか。ウルヴァリンとサイクロップスも、最初から徹底的に犬猿の仲で、最後に力合わせた方が絶対盛り上がるでしょ。そういうキャラを生かす物語上の工夫が、全然足りてません。特にウルヴァリン=セイバートゥース戦がいけません。狼キャラが被ってしまっているのだから、そもそもこれは最初からミスマッチでしょう。 【円盤人】さん 4点(2004-09-11 02:16:08) (良:2票) |
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283.様々な能力を持った奴らがその力を活かして戦ってるのを観てるだけでも楽しめる。でも一作目ってこともあって意外とアクションシーンは少なかった。実は今作ではトードーが一番好きだったりw。他に比べて明らかにショボイ能力(伸びる舌とジャンプ力だけってw)でも頑張って対等に戦えてるのがスゴイ。しかし、この映画の見所はヘリの中でミスティークが議員を気絶させた時の足技だ!!あの動きは面白すげぇぞ。 【ういろう】さん 5点(2004-09-05 20:10:25) (良:2票) |
282.もう少し派手なミュータント対決を期待していたのですが地味ですよね。 それにしても続編共々サイクロプスの無能っぷりが目立つ。 考えてみれば、「自由に嵐を操れる」や「不死身」というのは 他で代替不可能な能力なのに、 「目からしょぼいビームを撃てるだけ」というのは ちょっと射撃が上手なおっちゃんでいくらでも代替が利く能力。 そう考えるとサイクロプスの存在意義はかなり微妙。 しかし、なぜか威張ってるサイクロプス。 ひょっとして自分を謙虚に見つめられないタイプなのかもしれない... 【あばれて万歳】さん 6点(2004-07-26 14:47:43) (笑:2票) |
281.《ネタバレ》 丁寧に製作されているけれども、イマイチ盛り上がりに欠けるブライアンシンガーらしい作品となっている。欠点の一つは『①バトルシーンの爽快感不足』だろう。ラストもコンビネーションの悪さが際立っている。ストームが風を使って、ウルヴァリンをローグが捕縛されている場所まで運び、ジーンがサイコキネシスでウルヴァリンの体を安定させる。問題が起きたら、サイクロップスがオプティックブラストでカバーするという作戦だ。ラストにも関わらず、とてつもなく地味すぎる。とても連続コンボというような代物ではない。『②ウルヴァリンとローグの関係の曖昧さ』この二人の関係は、ストーリーの根幹を支えるものだが、関係を支えているものが観客に伝わりづらい。恋愛感情でもない、師弟関係でもない、友情でもない、社会や家族から爪弾きにされた寂しさは理解できるよ程度でしかない二人。自分の生命を賭けてまでローグを守りたいというウルヴァリンに共感できるほど、二人の関係は補強されていないと思う。『③Xメンの思想・哲学に対する動機付け』ケリー議員は、国民のプライバシー、思想の自由、安全な暮らしを脅かす危険な存在を放置せずに登録制度を導入しようというものである。決して「抹殺」ではなく、あくまでも「登録」制度である。私利私欲に溺れているわけではなく、上院議員としては、かなり立派な活動をしているのではないか。マグニートーは、ユダヤ人迫害の経験から、登録制度が必ず迫害へと繋がるだろうと考えている。人類の進化した「未来」であるミュータントがなぜ迫害されなくてはならないのかを憂いているのである。各国の首脳をミュータント化することによって、真剣に考えて欲しいと思っているだけで、本作では人類を根絶やしにしたいという危険な発想の持ち主ではない。しかし、プロフェッサーXを含むメンバーには、なぜ人類と共存したいのかということが明確に示されなかった気がする。家族から見放され、人類から拒絶されたミュータントが「恵まれし子らの学園」という逃げ場所を作って、静かに平和に暮らしたいという発想はとても理解ができる。なぜ自分を拒絶した人類のために戦うのか。なぜ人類を信頼しようとするのか。ストーム自身も「人間が怖い…」と述べている。電車の中で優しく触れ合う親子を見るローグの眼差しのような、元の平和な生活に対する憧れや希望を感じさせるシーンをもっと入れた方がよかった。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 6点(2004-07-03 19:40:35) (良:2票) |
280.なんかキャラが微妙に違うっすよー、と突っ込みたいんですけど、それは半ば仕方のないことなんであえてしないことにして、イアン・マッケラン扮するマグニートーがカッコいいっす。クレバーな悪役みたいで。でもそれ以外はどうも。見せ場がそれほどないというか少し物足りないというか。それにしても、ミュータント中最強の能力は天候を操るストームのような気がするんだが…? |
279.《ネタバレ》 典型的なアメコミなんだけど他のアメコミとは違う要素があります。普通のアメコミだったら悪役は人間を襲い、ヒーローと敵対しています。ヒーローは人間を助け、悪役を倒そうと試みます。人間は悪を怖れて悪として捉え、ヒーローを自分たちを助けてくれる力を持つ善と捉えています。人間は襲われるか、救われるかのどちらかしかありません。しかし、Xーメンでは人間にとってミュータントは善でも悪でも無く、社会から排除するべきマイノリティとして捉えているのです。そして、ミュータントに怯えながらも対等に渡り合っているのです。X-メンで人間のミュータントに対する見方は、社会的マイノリティに向けられる視線と同一です。偏見と思い込みによって差別の対象になっているのです。善(ヒーロー)⇔悪(敵)だった構図がこの映画ではマジョリティ(人間)⇔マイノリティ(ミュータント)の構図になっているのが僕は気に入りました。今後、ミュータントと人間がどのように歩みよるのか、そこに注目したいと思います。 |
278.発想は面白いと思った(原作が面白いということかも)。冒頭のナチスの部分を入れることで、かろうじてユダヤ人迫害に遭ったことのあるマグニートーが、再び差別され排除される種族になりたくないのだとわかるが、全体としては、わけわかんないストーリー。これだけ能力の方向が違うミュータントが一緒に闘うこと自体が無理な気もするけれど、「個々は弱いが力を合わせれば強い」という不朽のテーマを目指してるような感じで、その辺は面白い。 【ルクレツィアの娘】さん 5点(2003-07-23 19:17:09) (良:2票) |
277. いまいち盛り上がりに欠けたんだけどこういうのは好きです。もっと強い敵を倒して欲しかった。敵のキャラがおれ的にはいまいちなんだよね。 【さすらいパパ】さん 8点(2002-08-29 10:58:13) (良:2票) |
276.X-MENシリーズの第一作目で、後のアメコミヒーローブームのさきがけとも言える本作ですが、イントロダクション的な自己紹介要素が強過ぎて、アクションシーンなども退屈に感じます。 監督のブライアン・シンガーの後の作品、「スーパーマン リターンズ」でも思いましたが、上手いけどエンタテイメント性に欠ける仕上がりになっています。シリーズを通して見る分には、イントロダクションとしては有りかと思いますが、これだけで「X-MEN」を見限った方も多いかと思うので残念です。これ以降の作品は、ほとんどが本作よりも面白い(エンターテイメント性がある)ので見て頂ければと思います。初見で退屈と思っても、僕のように続編を何本か見た後であれば、イントロダクションとして許せるようになるのではないでしょうか? 【映画の夢】さん [DVD(字幕)] 5点(2016-07-02 23:18:21) (良:1票) |
【栗頭豆蔵】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-06-13 23:57:13) (良:1票) |
【araran】さん 9点(2002-04-25 17:19:20) (良:1票) |